伝統的なアコースティックライブ 世界初の生放送
"プラグを抜いた"の意の通り、アコースティックな手法とオーディエンスとの親密な距離にこだわり、独特の緊張感と一体感に包まれたライブ空間を実現する、MTVが誇る大人気企画『MTV Unplugged』。1989年にニューヨークで初めて実施されて以来、エリック・クラプトンやマライア・キャリー、 オアシスなど100組を超えるアーティストが出演し、「出演できるのは一流の証」とさえ言われている。日本制作では第1回目の宇多田ヒカルをはじめ、2017年11月収録のももいろクローバーZまで総勢33組のアーティストが出演した。
2017年12月25日クリスマス聖夜に、乃木坂46メンバー初となる生田絵梨花ソロコンサート『MTV Unplugged: Erika Ikuta from Nogizaka46』が東京・豊洲PITで開催。この日はMTV Unpluggedとしても世界初の、テレビ生放送で行われた。
■生田絵梨花がソロで歌う、『ないものねだり』と『二人セゾン』
輝く大きなクリスマスツリーの前に、純白ドレスに身を包む生田絵梨花が登場する。1曲目は乃木坂46の10thシングル『何度目の青空か?』のカップリング曲で、生田がセンターを務める『私、起きる。』。後のMCで「披露する機会が少なくて、いつか光を当ててあげたいと思っていました」と語ったように、アコースティックバンドの演奏に合わせてサビの“Wake up!Wake up myself!”を凛とした声で歌い上げる。続けて『僕が行かなきゃ誰が行くんだ?』と、冒険の始まりを感じさせる曲で盛り上げていった。
MCで「6年もやっていると別れも多くなってくるもので。やっぱりすごく寂しいなという気持ちもありつつ、ずっと乃木坂でやってきた縁やつながりは、永遠に続くものだと思っています。そういうものを私はずっと大事にしていきたいし、卒業していった全てのメンバーに感謝の気持ちを込めて歌いたいと思います」と語り、同期 として一緒に駆け抜けてきた“中3組”中元日芽香のセンター曲『君は僕と会わない方がよかったのかな』と、橋本奈々未のソロ曲『ないものねだり』を、涙を浮かべながらも卒業生への想いを歌に込めて届けた。
カバーコーナーでは前田敦子の『右肩』と欅坂46の『二人セゾン』を歌唱。「何日も悩んで歌詞を読み込んで、なんとなく自分なりの見え方ができた」と練習中の悩みを吐露した『二人セゾン』は、歌詞のストーリーに溶け込む表現力で観客の心を掴んだ。
2017年にミュージカル『ロミオとジュリエット』や『レ・ミゼラブル』に出演した生田は、「小さい頃から憧れていたミュージカルへの一歩を踏み出せた大きな1年でした」と振り返る。そしてディズニー映画、塔の上のラプンツェル挿入歌『輝く未来』とアナと雪の女王挿入歌『生まれてはじめて』を、楽曲の世界観に引き込むような歌声でミュージカル女優としての一面も魅せた。
「乃木坂は私のホームだなと常に思っています」とメンバーやファンへの想いを告げて、悲願の東京ドーム公演でフィナーレを飾った乃木坂46の名曲『きっかけ』や、生田絵梨花の初センター曲『何度目の青空か?』を歌い上げた。“今を生きるんだ”と背中を押してくれる『何度目の青空か?』は、重厚な弦の旋律と意志ある力強い歌声が遠くまで鳴り響く。
最後は「次の曲は乃木坂にとって大事な曲なのはもちろん、私にとってもかけがえのない曲です」と、『君の名は希望』をピアノの弾き語りで披露。柔らかく透明なピアノの音色に会場中が感動に包まれた。「自分にできるか不安だったんですけど、自分らしく自由に楽しくできたと思います。支えてくださった皆さんのおかげだと思います。まだまだ自分にできることはいっぱいあると思うので、みなさんの胸に届くように精一杯頑張っていけたらいいなと思います」と挨拶をして、MTV Unplugged本編の幕は閉じた。
11曲のセットリストは、彼女が乃木坂46で紡いてきた物語にも聞こえた。それでも駆け上がる坂道の途中、生田絵梨花の夢はこれからも続いていく。
<セットリスト>
01. 私、起きる。
02. 僕が行かなきゃ誰が行くんだ?
03. 君は僕と会わない方がよかったのかな
04. ないものねだり
05. 右肩
06. 二人セゾン
07. 輝く未来
08. 生まれてはじめて
09. きっかけ
10. 何度目の青空か?
11. 君の名は希望
Writer:金珠愛
(提供:ヨムミル!Online)