2017年10月25日に歌手活動50周年を迎えた和田アキ子。デビュー日の東京都 かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホールを皮切りに、2018年7月の大分県 iichiko総合文化センターまで続く『AKIKO WADA 50th ANNIVASARY 『THE LEGEND OF SOUL』コンサートツアー』を開催中だ。


■ソウル×歌謡の金字塔、おなじみのヒット曲を満載


進化するレジェンド・オブ・ソウル。和田アキ子50周年ツアー

50周年を記念した今回のツアーは、ファン投票による上位10曲をリマスタリングして収録したベストアルバム『THE LEGEND OF SOUL ‐AKIKO WADA 50th ANNIVERSARY BEST ALBUM-』を軸に展開。デビュー曲『星空の孤独』や、誰もが知る『笑って許して』など、和製ソウル・R&Bの名曲が要所要所に散りばめられている。

また、その迫力のある歌唱だけでなく、年齢を重ねるごとに味わいを増してきたであろう、歌詞の世界観を見事に表現し、ファンを魅了。多くの作品の作詞を手がけた名匠・阿久悠とのエピソードに触れるトークでは、彼女自身も若い頃にはわからなかった、阿久からのメッセージも今となっては深く染み入る様子も伺えた。

■グラミー賞受賞曲のカバー・コーナーのフレッシュさ


進化するレジェンド・オブ・ソウル。和田アキ子50周年ツアー

彼女のコンサートで恒例になりつつある洋楽カバーのコーナーでは、長い歴史のあるグラミー賞受賞曲を様々な時代から選曲。1月24日にリリースするデビュー50周年記念リリース第2弾となる『WADASOUL COVERS~Award Songs Collection』からも数曲をピックアップしていた。

そもそも、レイ・チャールズを敬愛し、共演も果たした彼女のルーツはソウル、R&Bだが、今回の選曲はいかに和田アキ子というシンガーが今の音楽にもアンテナを立てているかもわかる内容だった。現在進行形のアメリカ音楽、ことにソウルやファンク好きにはたまらない選曲で、ダンサーやホーン隊とともにステップを踏む彼女のエンターテナーとしての多様な魅力を堪能できた。


■普遍的で大きなテーマを真実味を持って歌える稀有なシンガー


進化するレジェンド・オブ・ソウル。和田アキ子50周年ツアー

様々なレパートリーを持ちつつ、“和田アキ子の歌”というブレない軸を持ち続けてきた50年。小西康陽(元ピチカート・ファイヴ)が手がけた90年代レアグルーブ的な『真夏の夜の23時』では、渋谷系再評価が起こる今ともリンク。いきものがかりの水野良樹が提供した最新曲『また明日も歌いましょう』には、そこに込められた願いに普遍性を感じる。そして、誰もが認める歌謡史の名曲『あの鐘を鳴らすのはあなた』は、混沌とした今の世の中だかこそ、投げかける希望の力はもしかしたら45年前よりシリアスかもしれない。真実味を持って聴き手に歌を届けられるシンガー、和田アキ子が、他に代えがいない存在であることを思い知るコンサートだった。

今回、歌謡ポップスチャンネルでは、本公演の模様の他、『宮本隆治の歌謡ポップス☆一番星』にて、“和田アキ子50周年スペシャル”と題したスペシャル番組も放送。
和田をゲストに迎えてロケも行い、歌手、人間、さまざまな角度から和田アキ子の魅力を余すところなく伝える。

Writer:石角友香
(提供:ヨムミル!Online)