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「わろてんか」110話。世界で大流行のマーチン・ショウってなんだ

マーカス・ショウについては、青空文庫の寺田寅彦のマーカス・ショーとレビュー式教育が参考になる。
この原稿は、大変すぐれたレビューのレビューだ。当時(昭和9年)、流行りのマーカス・ショウを語るうえで、寺田がそれまで西洋で見てきた数々のショウのことにも触れて、マーカス・ショウの新しさを説明する。
“一景平均五分程度という急速なテンポで休止なしに次から次へと演ぜられる舞台や茶番や力技は、それ自身にはほとんど何の意味もないようなものでありながらともかくも観客をおしまいまであまり退屈させないで引きずって行くから不思議なものである。“
このように、これまでの理屈で貫いた筋のあるものよりも、無意味さが新しく、役者や作り手の人間力で押し切ることの凄みがマーカス・ショウにはあったと寺田は書く。さらに、そういう流行を現代教育にも生かし、学ぶ者を飽きさせないようにするべきという提案まで! 
これを読むと、平成が終わろうとしているいまは、この“次から次へと演ぜられる舞台や茶番や力技” が“何の意味もないようなものでありながらともかくも観客をおしまいまであまり退屈させないで引きずって行く”ものが好まれる時代であると感じる。その傾向が当時から続いているのか、変遷を経て、再びそうなったのかについて論じるのは別の機会に回すとして、少なくともいまは。ネット配信やユーチューブの発達によってそういうものが好まれているようになっているようにも思われる。
「わろてんか」に滲むダイジェスト感も、時代に則したものなのであろう。筋が通っていようがいまいが、飽きさせないことが正義なのである。
(木俣冬)

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「「わろてんか」110話。世界で大流行のマーチン・ショウってなんだ」の みんなの反応 1
  • 匿名さん 通報

    風太のモチーフは林正之助だと思ってました。むしろ隼也が林弘高と吉本穎右をミックスしたようなキャラクター

    9
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わろてんか

わろてんか

NHK連続テレビ小説「わろてんか」のレビュー連載。

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