ガールズバンドが元気な音楽シーンの中でもことさらユニークな存在感で知名度急上昇中なのが名古屋出身4人組CHAI(チャイ)。“コンプレックスはアートなり”“NEOかわいい”と言ったコンセプト&メッセージを打ち出す“ピンク色の集団”の新しさとは?
■テンプレート化したかわいいをひっくり返す存在感
これまでのガールズバンドといえば、やはり見た目のかわいさが重視されてきたことは否めない。
■踊れる音楽を生身の演奏で実現する実力派
CHAIのスタンス、ルックス、音楽性はどれが欠けても魅力を損なうほど、分かち難く結びついている。その中でCHAIが革新的である理由の一つは、海外の現在進行形の音楽とリンクした、隙間が多く、グルーヴを生み出して踊れる曲を作れること。そしてその演奏力の高さが挙げられるだろう。マナ(Vo、Key)はどこか浮世離れした子供っぽいキュートな声質で、スムーズにメロディもラップ的な歌い回しもこなし、マナと双子のカナ(Gt、Vo)が双子ならではの声で重ねるコーラスのマジカルなこと! 加えて、ファンキーなギター・カッティングや緩急を抑えたフレージングはセンス抜群だ。また、踊れる音楽に欠かせないリズム隊の二人、ユナ(Dr、Cho)とユウキ(Ba、Cho)も、パワーとしなやかさを兼ね備えたプレーヤーだ。
しかも、スキルの高い女性バンドにありがちな難解さが態度にも曲にも見受けられないところがCHAIが新世代たる所以。スキル的には難しい演奏でも、ステップを踏みながら笑顔でオーディエンスを盛り上げる、エンタテイメントとしての見所もたっぷり。ちなみにミュージック・ビデオでもおなじみのお揃いのピンクの衣装。変に個人のエゴが見えないあの衣装も、CHAIを親しみやすい存在に見せている発明の一つと言えるだろう。
■アメリカでのアルバム・リリースやツアーも精力的
2017年は春にアメリカ最大の音楽見本市『SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)』に出演し、その後全米ツアーも開催。アメリカ滞在中に撮影した『sayonara complex』のミュージック・ビデオがくるりの岸田繁、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文、木村カエラ、ヒャダインら多くのアーティストから高い評価を得たあたりから、さらに注目度がアップ。同年のフジロックの新人ステージもキャパシティを超える動員を記録し、秋にリリースした1stアルバム『PINK』はCDショップ大賞にノミネートされたり、いくつもの音楽媒体で年間ベストに選出されたりした。
今回、そんなCHAIの東京公演の模様が放送される、アルバムツアー『やっぱり育ちたいトゥアー』は各地でソールドアウト。その後も様々なイベントから引く手あまたで、1月には韓国のバンド、スルタンの誘いを受けソウルでの共演を果たすなど、人気は日本に止まらない。3月からは昨年に続いてアメリカツアーを敢行予定で、その前にはアルバム『PINK』がアメリカのインディーズレーベルからリリースされる。加えて、DIY精神とガッツと乙女心溢れる先輩として、リンクする部分もあるチャットモンチーのトリビュートアルバムに、川谷絵音、People In The Box、ギターウルフ、きのこ帝国やねごとといった面々に混ざって堂々と参加していることも、CHAIへの評価の高さを裏付けるものだ。
見る人みんなをハッピーにする、“NEO ニュー・エキサイト・オンナバンド”の魅力を、まずはライブ映像から感じとって欲しい。
Writer:石角友香
(提供:ヨムミル!Online)
■テンプレート化したかわいいをひっくり返す存在感
これまでのガールズバンドといえば、やはり見た目のかわいさが重視されてきたことは否めない。
だが、CHAIはそういうテンプレート化した“かわいい”や“美しい”“モテそう”なイメージとはちょっと違う。コンプレックスだと思ってることが個性なんだし、人間が同じ見た目だったらおかしいじゃん?という、大きな包容力で、誰しもを認めている。 “見た目がどうとかで判断してる時点で、全然、ポジティヴじゃない”という、たくましいメンタルを持っているから確立できたスタンスでもあるのだ。
■踊れる音楽を生身の演奏で実現する実力派
CHAIのスタンス、ルックス、音楽性はどれが欠けても魅力を損なうほど、分かち難く結びついている。その中でCHAIが革新的である理由の一つは、海外の現在進行形の音楽とリンクした、隙間が多く、グルーヴを生み出して踊れる曲を作れること。そしてその演奏力の高さが挙げられるだろう。マナ(Vo、Key)はどこか浮世離れした子供っぽいキュートな声質で、スムーズにメロディもラップ的な歌い回しもこなし、マナと双子のカナ(Gt、Vo)が双子ならではの声で重ねるコーラスのマジカルなこと! 加えて、ファンキーなギター・カッティングや緩急を抑えたフレージングはセンス抜群だ。また、踊れる音楽に欠かせないリズム隊の二人、ユナ(Dr、Cho)とユウキ(Ba、Cho)も、パワーとしなやかさを兼ね備えたプレーヤーだ。
しかも、スキルの高い女性バンドにありがちな難解さが態度にも曲にも見受けられないところがCHAIが新世代たる所以。スキル的には難しい演奏でも、ステップを踏みながら笑顔でオーディエンスを盛り上げる、エンタテイメントとしての見所もたっぷり。ちなみにミュージック・ビデオでもおなじみのお揃いのピンクの衣装。変に個人のエゴが見えないあの衣装も、CHAIを親しみやすい存在に見せている発明の一つと言えるだろう。
■アメリカでのアルバム・リリースやツアーも精力的
2017年は春にアメリカ最大の音楽見本市『SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)』に出演し、その後全米ツアーも開催。アメリカ滞在中に撮影した『sayonara complex』のミュージック・ビデオがくるりの岸田繁、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの後藤正文、木村カエラ、ヒャダインら多くのアーティストから高い評価を得たあたりから、さらに注目度がアップ。同年のフジロックの新人ステージもキャパシティを超える動員を記録し、秋にリリースした1stアルバム『PINK』はCDショップ大賞にノミネートされたり、いくつもの音楽媒体で年間ベストに選出されたりした。
今回、そんなCHAIの東京公演の模様が放送される、アルバムツアー『やっぱり育ちたいトゥアー』は各地でソールドアウト。その後も様々なイベントから引く手あまたで、1月には韓国のバンド、スルタンの誘いを受けソウルでの共演を果たすなど、人気は日本に止まらない。3月からは昨年に続いてアメリカツアーを敢行予定で、その前にはアルバム『PINK』がアメリカのインディーズレーベルからリリースされる。加えて、DIY精神とガッツと乙女心溢れる先輩として、リンクする部分もあるチャットモンチーのトリビュートアルバムに、川谷絵音、People In The Box、ギターウルフ、きのこ帝国やねごとといった面々に混ざって堂々と参加していることも、CHAIへの評価の高さを裏付けるものだ。
見る人みんなをハッピーにする、“NEO ニュー・エキサイト・オンナバンド”の魅力を、まずはライブ映像から感じとって欲しい。
Writer:石角友香
(提供:ヨムミル!Online)
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