
4月20日より公開中の映画『いぬやしき』。大ヒットした映画『GANTZ』の原作者・奥浩哉と監督・佐藤信介が再びタッグを組んで制作されたアクションエンターテインメント作品とあって、原作ファン、映画ファンからの期待も高い。
新宿の上空250メートルで繰り広げられるクライマックスのバトルシーンを始め、現在の映像技術があってこそ実写化が可能となったCGと生身の俳優の演技との融合や、人間が人間によって強くも弱くも変わって行くという物語としての意味深さなど、見どころは尽きない。
『いぬやしき』 ストーリー

サラリーマンの犬屋敷壱郎(木梨憲武)は、会社でも家でも厄介者。会社では年下の上司に罵倒され、家では苦労して新築の家を買うものの、妻の万理江(濱田マリ)や、娘の麻理(三吉彩花)、息子の剛史(福崎那由他)からは常にぞんざいな扱いを受けてる。そんななか、犬屋敷は突然、謎の墜落事故に巻き込まれ、機械の身体となってしまう。人間をはるかに超越する力を手にし、最初は戸惑いしかない犬屋敷だったが、やがてその力が人々の病気や怪我を回復させるとわかると、自分の存在意義を見出すようになる。

一方、偶然、犬屋敷とともに事故に遭った高校生の獅子神皓(佐藤健)は、手に入れた新しい身体を自分の思いに任せて活用していた。友人の安堂直行(本郷奏多)をいじめていたクラスメイトを痛めつけたり、鳥をゲームのごとく撃ち殺したりしていたが、ついには人殺しを実行。母子家庭の自分にはない、お金もあり、温かな愛情に満ちた一家を惨殺する。犬屋敷はその一家が助けを求める声を察知して現場に向かうが、獅子神にいとも簡単に打ちのめされてしまい、しかも自分の人を回復させる力が、死人には無力だということも知る。
そんななか、とある出来事をきっかけに、獅子神の惨殺行為が加速度を増す。それを止めたい直行の声を察知した犬屋敷は、二人で獅子神の暴走を止める手立てを考える。そして新宿を舞台に、犬屋敷と獅子神の戦いが始まる。
木梨憲武 VS 佐藤健、既存のイメージを裏切る演技に引き込まれる!


犬屋敷を演じる木梨は、16年ぶりの映画主演。笑いは一切なしで、白髪まじりの冴えないサラリーマンが、自分の存在意義と家族への思いを胸に立ち上がる姿を熱演している。対する獅子神を演じた佐藤は、昨年公開された『亜人』や、ヒット作『るろうに剣心』など、ヒーローの印象が強いものの、今回は悪役に挑戦。二人共、これまでのイメージを裏切るキャラクターを演じながらも、抜群の演技力でそれぞれの役に息を吹き込んでいる。
物語前半の犬屋敷は周りから疎まれるような存在で、何を言っても家族に相手にしてもらえない様子や、捨て犬に己の姿を重ねて愛情を注いでしまうところなど、ただただ見ていて切なくなる。微妙にずれたメガネ越しの視線や、丸く曲がった背中など、初老感たっぷりだ。そして、後半で見せる怒涛のアクションも、カッコいいというよりは、負けそうになりながらも吠え続ける子犬のようで、つい応援したくなる感じ。とにかくカッコ良いおじさん代表の木梨が、カッコ悪いおっさんに成り下がりながらも、奮闘する姿に引き込まれる。

悪役となる獅子神には、これまで背負ってきた環境や、狂気への引き金となる出来事など、肯定はできないが、同情できる要素がある。佐藤が見せるその切なさをまとった表情や、悲しみが怒りへと変わっていく様は、彼だからこそ表現できるものだ。これまでのアクション作品でも見せていた、その素晴らしい体躯は今作でも健在で、残虐でありながら、美しいさがあるアクションシーンは思わず見惚れてしまうくらい。どんなに残忍な行為をしても、獅子神が100%の悪人にならないのは、佐藤が演じた功績が大きいように思う。
CGが芝居する!? 最新の映像技術は必見

“新宿上空250メートルの超音速バトル”というキャッチフレーズもついている今作だけに、そのバトルシーンは必見。新宿を訪れたことがある人ならば目にしたことのある馴染みの風景が、次々と登場する。この新宿はすべてCGで作られたそうなのだが、リアリティがありすぎて逆にCGに見えないくらい。ユニカビジョンから獅子神が目の前の人々を撃ち殺して行くシーンなどは、「あの場所でロケをしたんだ」としか思えない仕上がりだ。

そして、そこを機械人間となった犬屋敷と獅子神が飛びまくりながら戦うのだが、機械と人間の融合がここまでリアルに見えるもの、最新の映像技術の賜物だ。腕から銃が出てきたり、背中からジェットエンジンが出てきたり、頭が分解されてしまったりするのだけれど、そこに現実感はなくとも違和感がない。それもそのはず、これは俳優が演技したものを素材にして、それをフルCGで表現するという新技術が使われているのだ。観ていても正直、どこまでが生身の俳優の映像で、どこからがCGかわからない。何度か観たらわかるのかも知れないが、そんな最新の映像を楽しみにするという見方も本作にはある。
迫力ある映像で魅せながら、家族や友達、大切な人たちへの愛も描く、映画『いぬやしき』は4月20日(金)よりロードショー。ぜひ劇場で堪能を。
文/瀧本幸恵
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(スマダン編集部)
作品情報
映画『いぬやしき』
4月20日(金)全国ロードショー
出演:木梨憲武、佐藤健、本郷奏多、二階堂ふみ、三吉彩花、濱田マリ、斉藤由貴、伊勢谷友介
監督:佐藤信介
原作:奥 浩哉「いぬやしき」(講談社「イブニング」所載)
公式サイト:http://inuyashiki-movie.com/