第18回「流人 菊池源吾」5月13日(日)放送 演出:盆子原誠
緑と海が清々しい
はじまりは、美しい海。その浅瀬に立って歌う、新キャラとぅま(二階堂ふみ)の姿から。
舞台は薩摩と江戸から、ぐっと南方の奄美大島へ。
見た目も登場人物もお話も一気に変わって、視聴率は14.4%(ビデオリサーチ調べ 関東地区)とぐぐっと上昇した。
とにかく、木々の緑が鮮やかで、生命力に満ちていて、これぞ眼福。
海の向こうから「(とぅま)の夫」と「災い」がくるとユタ(秋山菜津子)が予言して、
無精髭で目が虚ろな吉之助(菊池源吾と偽名にして〈鈴木亮平〉)が海をやってくる。
一橋派と南紀派の権力争いが激化するなか、一橋派の島津斉彬(渡辺謙)が急逝し、南紀派・井伊直弼(佐野史郎)の力が増大、安政の大獄により逃亡を余儀なくされ、月照(尾上菊之助)と海に飛び込んだ吉之助。
ひとり生き残ってしまい、三日三晩気を失った末、遠くはなれた奄美大島に幽閉されたのだった。
肉体は生きているが心は死んだも同然の吉之助は、島で価値観を覆されて生き直すことになる。

奄美出身の作者が書いた研究書。巻末に「奄美各島流人一覧」をめくるとずらずらっと載っていて驚く。
先日、某書店で、「西郷どん」関連本特集が組まれているとこに、一緒に並んでいてひときわ存在感を放っていた。分厚いし高価だし熱量があって。
「近世・奄美流人の研究」
わたしらは民のうちに入ってなかった
これまで吉之助は、薩摩の下級武士として貧しい生活を余儀なくされた経験から、島津斉彬の下で国を良くして、誰もが幸福になることを目指していた。