田口 淳之介 「ひとつひとつの仕事が戦場」 音楽と人生のターニングポイントを語る/インタビュー1
撮影/キムラタカヒロ

■田口 淳之介/ライブDVD & Blu-ray『DIMENSIONS ~JUNNOSUKE TAGUCHI LIVE TOUR 2018』インタビュー(1/3)

30歳という節目に、ソロアーティストとして新たなステージへ進むことを決心した田口 淳之介。アルバムやライブをセルフプロデュースするだけでなく、自ら事務所を立ち上げ、すべてを自分でコントロールするという厳しい道をあえて選んだ。
本インタビュー中にも、「新人の気持ちで」「1年生なので」という言葉が出てきたが、覚悟を持って自ら道を切り開いている彼の現在の気持ちを率直に語ってくれた。独立から2年、ソロアーティスト・田口 淳之介は、どのように進化したのだろうか。
(取材・文/坂本ゆかり)

自分の前に立ちはだかるものを壊して先に進んでいく

――本ライブは、ソロ1stアルバム『DIMENSIONS』リリース後に行われたもので、ツアータイトルもアルバムと同じ『DIMENSIONS』です。まずは、『DIMENSIONS』というタイトルに込めた想いを教えてください。

田口:アルバムの1曲目が“次元”を意味する「DIMENSION」という曲なのですが、自分の前に立ちはだかるものを壊して先に進んでいくというメッセージを込めています。それを『DIMENSIONS』と複数形にすることで、先に進んだ自分が発信する、さまざまな僕を多角的に見てもらいたいなと思ったんです。


――セルフプロデュースによるライブということですが、プロデューサーとしては、どんなライブを作ろうと思ったのでしょうか。

田口:アルバムは、ソロアーティストとしての僕の名刺。でもまだ、田口 淳之介というアーティストがどんな音楽をやっているのかは知られていないですよね。だから、より分かりやすく田口 淳之介を伝えることを第一に考えて、全編通して自分の武器であるダンスをメインに構成しました。
田口 淳之介 「ひとつひとつの仕事が戦場」 音楽と人生のターニングポイントを語る/インタビュー1
撮影/キムラタカヒロ

――そんな田口プロデューサーの思惑をアーティスト田口 淳之介は、どのように受け止めたのでしょう。

田口:そこは、あまり区別がないんですよ(笑)。
でも今回は、ソロでの1stライブということもあって、アーティストとしての僕を期待して来てくださる方が多いじゃないですか。だから、アーティストとしての視点のほうが大事だったかもしれません。

――「ダンスをメインに構成した」ということですが、ダンスパフォーマンスから始まるオープニングパートで、ググッと掴まれました!

田口:僕自身がライブを見に行った時、1曲目で期待させられるとワクワクするから、そこは大事にしたかったんです。パネルと、そこに映し出されるシルエットを使った演出をしていますが、シルエットって存在感を活かせるし、僕の体型を印象付けられると思ったんです。ライブハウスといってもZeppのステージは大きいから、どう色づけするか考えた時、以前、舞台に出演した時に用いられていたパネルの演出を応用して、表情を付けてみました。じつはあのパネルの動きって、『天空の城ラピュタ』のムスカの乗り物の動きがヒントになっているんです。
『DIMENSIONS』って、僕の中ではちょっと近未来的な宇宙的なイメージがあって(笑)。

――意外なオマージュが(笑)。すごく見どころの多いライブでしたが、演出家的、アーティスト的な見どころを紹介していただきたいのですが。

田口:もちろん、オープニング(笑)。あとは、後半の「HERO」から「Moment」につながるところは、自分的にも本番中にゾクッときたところです。演出家的には、さまざまなパートの専門家の意見も取り入れて試行錯誤したので……全部が見どころですね(笑)。
個人的に楽曲の流れで好きなのは、「FRIDAY NIGHT」~「Up Down」~「White Night, White Lies」。演出的にもマッチしたと思います。
田口 淳之介 「ひとつひとつの仕事が戦場」 音楽と人生のターニングポイントを語る/インタビュー1
撮影/キムラタカヒロ

――では、DVDになったからこそチェックできる細かい見どころは?

田口:ライブだと一瞬で進んでしまうので、ダンスの細かいところを見ていただけるといいな。特に「HERO」の間奏のダンスは、けっこう細かいことをしていたり、アクロバティックな部分もあるので、じっくり見てほしいですね。

――「約束のHappy Birthday」では、ファンのみなさんとの素敵な絆が見えましたが、この曲の誕生エピソードを改めて教えていただけますか。

田口:活動再開した年、2016年11月に初めてのソロ・ファンミーティングをした時、“来年(2017年)は、僕の誕生日(11月29日)にやる!”って心に決めていたんです。
だから、自分自身との約束が叶った喜びをファンのみなさんと共有したくて、この曲を作ったんです。歌詞自体は恋愛模様を描いたものだけど、ファンのみなさんと僕の関係性……、お互いに分かり合いながら、許し合いながら助け合っていくっていうのをイメージしました。曲を作っている最中は、ファンのみなさんを思い浮かべていましたね。

――最後は、会場中が一緒に歌ってくれていましたね。

田口:ファンクラブ限定盤には、初披露した昨年11月のファンミーティングの映像も収録されているので、比べると一目瞭然ですが、そこから1月にツアーが始まり、2月8日の東京まで、各会場を回る中で一緒に歌ってくれるパートも上手くなっていって。ファイナルでは、“一緒に育ててきた!”って感じました。
すごく一体感がありましたよね。
田口 淳之介 「ひとつひとつの仕事が戦場」 音楽と人生のターニングポイントを語る/インタビュー1
撮影/キムラタカヒロ

――ファンのみなさんもきっと、たくさん練習したと思いますよ。このライブでは、田口さんがアコースティックギターの弾き語りで、スピッツの「スパイダー」をカバーしていたのも新鮮でした。カバーするなら、洋楽かと思っていたので……。

田口:パフォーマンスでいうとクリス・ブラウンやアッシャー、ジャスティン・ティンバーレイクのように踊って歌うのが、僕が見せたいスタイル。二十歳過ぎたくらいから、ずっと目指してきところだったけど、今回は、ギターを披露しようと思ったので(笑)。僕の曲の「CRIMSON」がギターアレンジなので、そこにつながる曲を考えたら、子どものころから好きだったスピッツさんの「スパイダー」が思い浮かんで。反応も良かったし、みんなと一緒にノレたので、選曲も良かったですね(笑)。

――ギターのキャリアはどのくらいなのですか?

田口:ライブでやった3、4曲しか弾けないんです。最初のファンミーティングでやった「HERO」、昨年のファンミーティングでやった、写真集のために作った「On the Moon」、そしてこのツアーでやった「CRIMSON」とスピッツさんの「スパイダー」だけ(笑)。多分、俳優気質だと思うんですよ、やらなきゃいけないとできちゃう。だから、これ以上増えるかどうかわからないし、もう、ギターを弾くのはいいかな(笑)。
田口 淳之介 「ひとつひとつの仕事が戦場」 音楽と人生のターニングポイントを語る/インタビュー1
撮影/キムラタカヒロ

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≪ライブ情報≫
【SHARING the SOUL 2018 in TAKASAGO】
2018年6月30日(土)兵庫・高砂市文化会館

≪インストアイベント情報≫
2018年6月9日(土)14:00~ 宮城県仙台市 仙台イービーンズ 10階 屋上スペース
2018年6月10日(日)14:00~ 愛知県一宮市 イオンモール木曽川 1F ノースコート
2018年6月18日(月)19:00~ 東京都渋谷区 タワーレコード渋谷店 B1F CUT UP STUDIO
2018年6月23日(土)14:00~ 宮崎県宮崎市 イオンモール宮崎 hinata TERRACE
2018年6月24日(日)14:00~ 福岡県北九州市 リバーウォーク北九州 ミスティックコート

田口 淳之介 オフィシャルサイト
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