review

男VS女の全力テニスバトル「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」は愛についての映画なのだ

元チャンピオンとはいえ、テニス選手としては全盛期をとっくに過ぎた55歳。言ってしまえば過去の人である。周りの金持ち連中と賭けテニス(ハンデ付き)で勝ったところでそこまで嬉しくもなし。妻は自分のギャンブル中毒を知って、半ば見捨てられそうになっている。ボビーは八方塞がりで、その上孤独だ。

だからボビーは、自分の発案で実現した「男VS女のテニスの試合」を最大限に盛り上げようとする。変な衣装で馬鹿げたパフォーマンスを繰り広げ、記者会見では今だったら完全にアウトな女性蔑視ジョークを繰り出す。その上相手は女だとタカをくくってろくに練習もせず、変な健康食品に手を出す。

でも、それと同時にボビーは自分のことを「私は男性至上主義のブタだ」と言っている。しょうもないことをやっているという自覚は多少あるのだ。『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』でのボビーは単なる悪役ではなく、はた迷惑ではあるがプロレス的に世紀の一戦を盛り上げようとした人物として描かれる。彼なりに、ビリー・ジーンとの試合には全てを賭けていたのだ。

むしろ、最大の悪役として配置されているのが、金も権力も持っているテニス協会の親玉たちである。自分たちでは直接手を下さず、落ち目のプレーヤーであるボビーに「生意気な女を叩く」という汚れ役をやらせ、その様子を酒を飲みながら観戦する……。完璧に悪役だ。

ボビーについてもまた、ビリー・ジーンと同様に彼と彼をめぐる愛についての物語が盛り込まれている。70年代を舞台にした作品ではあるが、ビリー・ジーンとボビーが死闘の果てにたどり着いた結末は、現代的な味わいだった。
(しげる)

【作品データ】
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」公式サイト
監督 ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス
出演 エマ・ストーン スティーブ・カレル アンドレア・ライズブロー サラ・シルヴァーマン ビル・プルマン ほか
7月6日より上映中

STORY
1973年に行われた、ビリー・ジーン・キング対ボビー・リッグスの世紀の一戦。「性別を超えた戦い」と題されたこの一戦の際して、ビリー・ジーンとボビーはどのように行動していたのかを描く

あわせて読みたい

  • 「モリーズ・ゲーム」エグい酷い面白い

    「モリーズ・ゲーム」エグい酷い面白い

  • 「ブリムストーン」女性への差別と暴力

    「ブリムストーン」女性への差別と暴力

  • 「ワンダーウーマン」天然ボケじゃない

    「ワンダーウーマン」天然ボケじゃない

  • 「ドリーム」が描く宇宙と差別の戦い

    「ドリーム」が描く宇宙と差別の戦い

  • レビューの記事をもっと見る 2018年7月10日のレビュー記事
    「男VS女の全力テニスバトル「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」は愛についての映画なのだ」の みんなの反応 1
    • 匿名さん 通報

      バトルオブザセクシーレズ了解!!!

      0
    この記事にコメントする

    \ みんなに教えてあげよう! /

    トピックス

    今日の主要ニュース 国内の主要ニュース 海外の主要ニュース 芸能の主要ニュース スポーツの主要ニュース トレンドの主要ニュース おもしろの主要ニュース コラムの主要ニュース 特集・インタビューの主要ニュース

    レビューニュースアクセスランキング

    レビューランキングをもっと見る

    コメントランキング

    コメントランキングをもっと見る

    トレンドの人気のキーワード一覧

    新着キーワード一覧

    エキサイトレビューとは?

    エキレビ!では人気のドラマやテレビアニメ、話題の書籍を人気ライターがレビュー、解説! 人気ドラマのあらすじや、話題の書籍が支持される理由の考察、国民的アニメに隠された謎の解明など話題の作品の裏話を紹介。

    その他のオリジナルニュース

    通知(Web Push)について

    Web Pushは、エキサイトニュースを開いていない状態でも、事件事故などの速報ニュースや読まれている芸能トピックなど、関心の高い話題をお届けする機能です。 登録方法や通知を解除する方法はこちら。