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豪雨災害中に自民党宴会、謝罪文の酷さを可視化してみた

豪雨災害中に自民党宴会、謝罪文の酷さを可視化してみた
西村康稔官房副長官のtwitterより

死者200人に達するほど甚大な被害を出した西日本豪雨(平成30年7月豪雨)。気象庁が異例の緊急会見を行った7月5日から、政府が非常災害対策本部を設置する7月8日までの間に約66時間も要しており、政府の対応の遅さが大きな非難を浴びています。

とりわけ、会社員の犬飼淳さんが自身のnoteで公開した記事「【平成30年7月豪雨】政府の『空白の66時間』を視覚化」は、首相動静、気象庁の動き、実際の被害状況の3つを時系列で並べる表を作り、その分かりやすさからインターネット上で大きな注目を浴びました。

首相は8日午前の非常災害対策本部第一回会合で「先手先手で被災者の支援に当たってほしい」と述べていますが、犬飼さんの表を見れば明らかなように、初動の大幅な遅れから既にかなり「後手後手の対応」であることが一目瞭然です。


自民党は本当に災害対応に強い党なのか?


非難が集まっているのは、対策本部設置が遅れたことだけではありません。気象庁が緊急会見を行った後の7月5日夜に、自民党議員が国会議員宿舎で開かれた「赤坂自民亭」という懇親会を開催し、安倍首相や小野寺防衛大臣も参加。そのどんちゃん騒ぎしている様子を参加した議員たちがSNSにアップし、大きな非難を浴びています。

また、被害が拡大している7月7日、安倍首相が午前11時に私邸に戻っていたことも非難を浴びています。一連の出来事を4コマ漫画にした「なすこさん」のTwitter投稿は、その様子を分かりやすくまとめています。

さらに、7月10日には「被災地のことを話し合うべきだ」という野党の反対を押し切り、カジノの話し合いを強行したことも、政府が災害対応をおざなりにしているのではないかという疑念を強く抱かせる結果となりました。


中学生でも分かる豪雨の異常さ


確かに「地震とは異なり、大雨はどの程度被害が出るか分からないから、政府の対応が遅れたのは仕方ない」という弁明もありますが、本当にそうでしょうか?

私は当時気象庁の会見が行われていたことを知らなかったのですが、「総雨量1000mm超も 週末にかけて大雨災害に厳重警戒」というニュースを見て、「これは激甚災害指定もあり得るレベルではないか…」と感じました。

気象に関する専門的な知識はほとんど有していないですが、中学校理科の知識(中学受験をする場合は小学校理科)があれば、広島県や岡山県が属する「瀬戸内海式気候」の年間降水量は約1000~1600mm前後ですから、1,000mmがいかに異常な量かが分かるはずです。それなのに、飲み会に参加した自民党議員の誰一人そのような危機感を抱かなかったのか、疑問でしかありません。

小野寺防衛大臣は、「防衛省からは随時連絡が来ておりましたし、その都度、指示を出していたので、特に支障は無いと思っております」と弁明しましたが、飲み会に参加しながら指示を出す程度で構わないレベルの災害と思っていたことが信じられません。


事態を予測するスキルに欠ける人たち


先月2018年5月に新潟県五頭連山で親子が遭難した事故で、捜索の問題点を追求した記事「新潟親子遭難死は救えた命かもしれない」を「朝日新聞社WEBRONZA」に寄稿したところ、遺体発見からかなり時間も経ち、事故自体も連日取り上げられるような大きなニュースでは無かったにもかかわらず、長らくランキングで1位を獲得し続けるほど読まれていました。

ここでは、現場のスタッフが有力な情報を掴み、VTRで捜索との矛盾点が流されているにもかかわらず、テレビに出演しているMCやコメンテーターたちの誰一人、それに全く気が付くことが出来ないという追求スキルの低さも取り上げました。つまり、マスコミの「既に揃っている情報のピースから事態を予測するスキル」が明らかに欠けているのです。

今回の豪雨に関しても、まさに同じ問題なのではないでしょうか? 気象庁という専門家集団が記者会見を行い、ある程度の情報のピースは揃っているにもかかわらず、政府要人の「既に揃っている情報のピースから事態を予測するスキル」が欠けていたために、対応が遅れたように感じます。


日本人政治家お得意の「謝罪になっていない謝罪」


そして極めつけが、会合の写真をTwitterに載せた西村康稔官房副長官の謝罪です。西村氏は、7月11日に「多くの方々に不快な思いをさせてしまい、おわびを申し上げたい。反省もしている」とTwitterで陳謝しました。

さらに翌日7月12日にも「本日の国会質疑において厳しいご指摘を頂きました。私のツイートで多くの方に不愉快な思いを抱かせたこと強く反省しています。お詫び申し上げます。ご批判を真摯に受け止め、今後慎重に情報発信を行ってまいります」と述べています。

2年ほど前にブログ記事「『不快な思いをさせて申し訳ございません』は謝罪ではない」で書いた時から繰り返し指摘していることですが、これらは「Non-apology apology」です。「謝罪」とは「罪を謝る」と書くように、犯した罪や不適切な対応そのものに対して謝るべきです。ところが、不快にさせたという批判する人々の二次的な感情についてしか謝っていないわけですから、これは「罪を謝った」とは言えません。

「災害時に飲み会しません」とは言っていないわけです。それの裏を返せば、「問題が露呈せず誰も不快に感じなければ、西日本が被災中でもどんちゃん騒ぎで酒を飲みます」と言っているに等しいわけです。


謝罪文の酷さを可視化してみた


先述の犬飼淳さんは、論点のすり替えたり、聞かれていない話を始める等の時間稼ぎに終始する答弁を「信号無視話法」と名付けて、首相の国会答弁がいかに質問に対して不誠実な答弁をしているかを可視化する試みをしています。

この犬飼モデルに倣い、西村氏の謝罪を3色で色分けしてみました。青字が批判された点に関してしっかりと応答して謝罪をしている箇所、黄色が批判されている点とは全く異なる点について謝罪をしている箇所、赤色が事実を捻じ曲げたり、批判者側に過失があるかのような見解を述べている箇所です。

豪雨災害中に自民党宴会、謝罪文の酷さを可視化してみた


当然青字はゼロ。何一つ謝っていません。それどころか、批判をした人々のほうに責任転嫁をしているわけですから、かなり悪質な言い訳と言えるでしょう。犬飼さんのフレーズを借りれば、まさに「信号無視謝罪」です。

このように、自分達の何が問題だったのかすら全く認識できない政治家に、災害対応を任せていることは、甚だ不安でしかありません。そしてマスコミの追求力もあまりに弱く、一連の政府対応を批判する声はほとんど聞こえてきません。地球環境が激変する中、今後も大きな自然災害が発生することが見込まれますが、このままで良いのでしょうか?
(勝部元気)

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