連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK 総合 月〜土 朝8時〜、BSプレミアム 月〜土 あさ7時30分〜)
第17週「支えたい!」第102回 7月28日(土)放送より。 
脚本:北川悦吏子 演出:深川貴志
「半分、青い。」102話。赤ちゃん誕生!律も子持ちになってた。でも夫婦仲がうまく行ってない情報
連続テレビ小説 半分、青い。 Part2 (NHKドラマ・ガイド) NHK出版
ドラマ後半戦に向けて出版されたガイド本第2弾。この表紙のような爽やかでたおやかそうな女性に鈴愛がこれからなっていくのではないか

NHKドラマ・ガイド 連続テレビ小説 半分、青い。
Part2


102話はこんな話


2002年12月23日、鈴愛(永野芽郁)に赤ちゃんが生まれた。

律の話題、久々


100話から101話にかけて鈴愛は喫茶おもかげでトイレに入り妊娠を確信したエピソードに関して、おもかげのトイレで検査薬を使ったのか? という疑問を抱く視聴者も現れたところ、脚本家・北川悦吏子氏が自身のTwitterで
“妊娠検査薬は持ち歩いてなくて、あの場面は、出してもらったケーキに気持ち悪くなってトイレに駆け込んだ、という描写でした。外で検査しないよね…。もう、スズメは検査してたんだよね、家でひとりで。”
と明かした。
それに対して、裏話を喜ぶ反応があれば、わかるようにドラマで描くべきという反応、また、私は説明されずともわかったという反応など様々なリプライが書き込まれている。
「半分、青い。」102話はいよいよ鈴愛が出産する。

……とネットニュース風にはじめてみたが、毎日毎日、何かしら「半分、青い。」に関するニュースを発信しているネット媒体もさすがに「鈴愛は妊娠検査薬を家でひとりで使っていたと北川悦吏子Twitterで明かす」みたいなニュースにはしているものは見つからなかった。


つまり、妊娠の可能性を感じた鈴愛が家で妊娠検査薬を使って妊娠に気づきながら半信半疑で、おもかげでお茶をしていたらケーキの匂いで気持ち悪くなり、これは妊娠間違いないと確信したということ。
文章に難はあれど発想がすばらしいので文章の読み辛さは編集者が直すという作家もいるように、脚本の多少の抜けは演出で補ってほしい。
実際、現場で脚本の辻褄合わせをうまいこと行う演出家や監督はいる。地味な仕事で出来上がった映像から視聴者や観客が演出家や監督の仕事に気づくことは多くないが、ひと手間加えていることで、余計なところにひっかかる人が減るのでとても大事な仕事なのだ。

律の話題、久々


鈴愛(永野芽郁)は里帰り出産をするため岐阜に戻る。涼次(間宮祥太朗)も一緒に。
喫茶ともしびで、ブッチャー(矢本悠馬)と菜生(奈緒)と久々に語らう鈴愛。
ふたりはまだ結婚してないがつきあっている。鈴愛に結婚も出産も先を越されて菜生の気持ちも複雑かも?

そこで律(佐藤健)の話題が出て、律にも子ども(男の子)ができて、鈴愛は子どもができた今、さすがに未練はないというが、律と嫁はうまく行ってないと言い出すブッチャー。焼けぼっくいに火がついたらどうするのだ。

菜生「男は結婚したら嫁の言いなりかなあ」
鈴愛「今も言いなりやろ?」

「半分、青い。」の世界はほぼほぼ妻が強くて夫は優しい。

結婚といえば、草太(上村海成)の婚約者。相手は10歳上のバツイチ子持ち、バーのママではなく、若々しい女性だった。
仙吉(中村雅俊)の思ったとおり、バーのママは一時期の熱病のような恋だったらしい。そんなこともあるだろうがまさか草太がそんな波乱万丈な恋愛遍歴をもつとは・・・。

未練ありません


未練がないのは涼次も同じ。映画の世界に「なんにも未練はありません。今、幸せです」と晴(松雪泰子)に言う。
麦さん(麻生祐未)の101話の台詞「今が辛いから・・・」ではないが、鈴愛も涼次も実は未練があるものの現実逃避をしているのではないかという気もしないでない。

今日はまだ生みたくない。
明日生む


そうこうしているうちに鈴愛が破水し、病院へ。
12月24日の聖夜生まれにしたいから、今日は生みたくないという鈴愛に、誕生日は操作できるとキミカ先生(余貴美子)が説得するが、鈴愛は嘘つきにしたくないと拒む。
結局、23日にかわいい女の子が生まれた。

「半分、青い。」で2回目の出産ターン。
最初は第1週、鈴愛が生まれた時。生まれたところから描かれたヒロインが今度は出産するというのはなんとも深い感慨をもたらす。

お腹の赤ちゃんに話しかけ、神棚に祈り、誕生を喜ぶ・・・デジャヴュのように同じことを繰り返す人々。
生まれて死んで・・・間断ない人間の営みが描かれた。
赤ちゃんの手つきがものすごくかわいかった!! 102話はそれに尽きる。
(木俣冬)