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最後のインド総督マウントバッテン卿「英国総督 最後の家」単純な美談では終わらない誠実さ

単に独立までの流れを追うのではなく、ひとつの屋敷の中に総督マウントバッテン、ヒンドゥー教徒であるジート、イスラム教徒であるアーリアという3人を配置したことで、物語としてインド独立の困難をわかりやすく立体化したのがこの映画のミソである。元々混ざり合って生活していたものを分割するのがいかに大変か、この3人のおかげでその大変さの解像度がずいぶん上がっているのだ。「インド独立までの半年間」というキツくて厳しい時期を題材に、わざわざ映画という形でフィクションを織り交ぜた作品を作った意味がちゃんと発生している。

イギリスが製作した映画であるにも関わらず、インド・パキスタン間の国境策定でのイギリスの狡猾さに触れた点や、独立前後の混乱で発生した難民や虐殺から逃げなかった点は大人っぽいバランス感覚だ。絶対に単純な美談では終われない話を、精一杯のラインで着地させた点で誠実な作品である。あまり日本では知られていない史実に触れるために見るもよし、インド史とイギリスの歴史への入り口とするもよしの一本だ。
(しげる)

【作品データ】
「英国総督 最後の家」公式サイト
監督 グリンダ・チャーダ
出演 ヒュー・ボネヴィル ジリアン・アンダーソン マニーシュ・ダヤール フマー・クレイシー ほか
8月11日より全国順次ロードショー

STORY
1947年、イギリスは約300年統治した植民地インドの独立を認め、最後のインド総督としてマウントバッテン卿を派遣する。しかし、インド国内ではヒンドゥー教徒とイスラム教徒が対立し、独立に向けて混乱が広がっていた

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    「最後のインド総督マウントバッテン卿「英国総督 最後の家」単純な美談では終わらない誠実さ」の みんなの反応 1
    • 匿名さん 通報

      この人そのものは比較的優秀な軍人で第2次大戦で欧州、アジア両方で司令官をしている。IRAのテロで死んでいるが、大戦時のこともあって嫌日本だったんだろ。

      0
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