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「人生100年時代」に死とどう向き合うべきか 宗教学者に聞いてみた

       

日本では自分の死を自分だけでは決められない


――武士の切腹を筆頭に、江戸時代の心中ブームなど、日本人は自死を美化する傾向があるんですね。愛を成就させるのが目的の心中に対し、なんら心のつながりがない、現代の殺伐としたネット集団自殺との比較も興味深かったです。
著書では読者ターゲットが比較的、若い人であることから言及されていませんでしたが、高齢者の安楽死や尊厳死についてはどうお考えになられていますか?


正木 高齢者の自殺は、3分の2くらいが「うつ病」と関係しています。したがって、「うつ病」対策が進めば、高齢者の自殺は劇的に少なくなります。事実、対策が進んだ地域では、高齢者の自殺がずっと少なくなりました。

問題は安楽死や尊厳死です。ヨーロッパの先進地域では、年齢を問わず、安楽死や尊厳死を認める傾向があります。背景に、これらの地域では個人主義の要素が大きいことが挙げられます。つまり、自分の死は自分で決められる、というより決めなければならない。そこに安楽死や尊厳死が成立するというわけです。

その点、日本は、それほど個人主義が強くありません。家族とか親族とか、いわゆる「絆」が重視される傾向が明らかです。言いかえると、自分の死を自分だけでは決められないということです。仮に自分で安楽死や尊厳死を選んだ人がいたとしても、なんらかの「絆」を持つ人々が「遺族に対して十分な治療も受けさせず、見殺しにした」とか、「本当はもっと生きていたかったのに、これ以上厄介をかけるわけにはいかないので無理に命を縮めた」とか言われてしまうかもしれません。
また、高齢者の場合、認知症の問題があります。「知的な能力が衰えていたので、的確な判断ができなかった」とか「知的な能力の衰えにつけこんで生命を縮めさせた」とか、いろいろ言われる可能性があります。

このような面倒な要素があることを考えると、日本では堂々と安楽死や尊厳死を実行するのは、かなり難しいと思います。もし、私がそのような状況になったとしたら、安楽死とも尊厳死とも宣言せずに、意図的に食事の量を減らすとか、延命治療をはっきり断るとかして、とにかく角が立たない形で、実質的な安楽死や尊厳死にいたるかもしれません。

――個より周囲との和を尊ぶ国民性を考慮すべきということですね。あと、これはあくまでも想像ですが、尊厳死を選ぶ方が人として立派だ、みたいな風潮になったら恐いな、とも思いました。

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「「人生100年時代」に死とどう向き合うべきか 宗教学者に聞いてみた」の みんなの反応 36
  • 匿名さん 通報

    宗教のイメージが悪い?そりゃあ、○価学会のせいでしょ。

    19
  • 匿名さん 通報

    宗教のイメージが悪い?そりゃそうだろ しつこい勧誘、信者はただの集金マシーンか財布なんだから

    16
  • 匿名さん 通報

    宗教のイメージが悪い?そりゃそうだろ 毒ガスまいたり、知らないやつと強制的に結婚させられたりするんだから

    14
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2018年9月18日のコネタ記事

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