第4週「私がみつけます!」 第19回10月22日(月)放送より
脚本:福田 靖 
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
     桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎
「まんぷく」19話。恵(橋本マナミ)妊娠、お相手はアノ人、視聴率は高め安定
イラストと文/木俣冬

19話のあらすじ


昭和19年(1944年)春、福子(安藤サクラ)と萬平(長谷川博己)は結婚して1年。戦争がだんだん激しくなっていた。

画が凝ってる安達もじり演出


視聴率も、評判もよく、絶好調の「まんぷく」。
第四週は、安達もじりが演出に登板。


朝ドラだと「カーネーション」「べっぴんさん」、その他のドラマでは「夫婦善哉」などの演出を手がけてきた安達。俳優の芝居を優先する朝ドラでは珍しく小道具のアップなどいくつかのカットを組み合わせるモンタージュ手法で劇的に見せる。

19話では、最後に戦争が激しくなってきて北九州を本格的な空襲が襲ったという場面で、たくさんの人の足元のアップ、人々の顔や道具のカット、戦闘機の絵などを次々オーバーラップさせるなどして印象的に見せた。

また、忠彦(要潤)のいる戦地を想像させながら、飼っていた鳥がざわざわする画、真一(大谷亮平)のいる戦地で兵隊が荒野を行進しているカットなども入れて凝っている。

配給、お米を一升瓶に入れての精米、名札を服に縫い付けるなど戦時中の生活描写も細かく、「決戦の時!」と書かれた旗が破れているところも皮肉めいて見える。とにかく画が豊富で単調に見せない。


新婚気分


結婚して1年経過したが、まだまだ新婚気分の福子と萬平。
新聞が一枚になってしまったとか、記事では強気だが本当のところ、日本はどうなんだろうと懸念する萬平に、
無邪気に「節約」などと応える福子。ふたりの会話が初々しい。いまの時代では考えられないが、この頃はこんな感じだったのだろうか。

「人にとってなにより大事なのは食べること」と貧しいながら工夫して食事をつくる福子。
「人間食わなければ終わりだ」と憲兵に捕まったときのことが萬平の生き方を決定づけたといえるだろう。
だが、それが形になるのはまだまだ先のこと。


牧恵になってた!


「保科さん! やなくて 牧さんや!」
保科恵(橋本マナミ)は牧善之介(浜野謙太)と結婚し、ホテルも辞めて、妊娠七ヶ月だった。予定日は7月7日。
野呂(藤山扇治郎)は戦争に行ってしまった。
牧は兵隊検査に落ちていた。
野呂がいなくなって牧だけになったら、「いつの間にか好きになってたんよ〜」とキャッキャウフフの女子トークの体で、これまでのお話を振り返る。

「まんぷく」は各回の半分があらすじのようだとは言い過ぎかもしれないが、それまでの振り返りの会話が多い。これはとにかく高齢者とビギナーにはありがたい。


世良(桐谷健太)も戦争に行き、
加地谷(片岡愛之助)は変装して北海道に逃げていた。
加地谷、これだけ出てくるということは今後も関わってきそうで楽しみ。

7月7日は「半分、青い」、北海道は「マッサン」および次回作「なつぞら」とのリンクか。
恵の子どもが男女の双子だったりしないだろうか。

お母さんはまだ許してない


「まんぷく」の丁寧さは、たびたび前の話を繰り返すことのほか、あの人がどうのこうのと語られているとき、ちゃんとその人の画(回想でなく現在形)が入ること。
19話では、世良、加地谷、忠彦、真一のその後が描かれた。

大阪で撮っているから、まとめていろいろ撮れるのだろうか。
ただ、野呂だけ描かれなかった。残念!

世間は貧しく、萬平のカラダは弱く、兵隊の健康診断に落ちていた。
それを「ひ弱な旦那様で大丈夫」「子どもはいつできるの?」と心配する鈴(松坂慶子)。

福子「萬平さんすごくいい人よ」
鈴「あなたにとってはね」
この台詞、人間社会をうまいこと言い表している。人によって感じ方は違うものなのだ。


「三ヶ月後、本格的な空襲が北九州を襲ったのです」と芦田愛菜ちゃんのちょっと深刻なナレーション。

どうなる、萬平、福子!
(イラストと文/木俣冬)

連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

朝ドラ「べっぴんさん」もBS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。 
こちらも安達もじり演出週 「べっぴんさん」第19話レビューはコチラ