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最終話「あなたには渡さない」は結局何を渡さなかったのか。笠井は死んだ? 誰も悔い改めない許しのドラマ

       
旬平「遅すぎた。俺が花ずみや多衣を捨てたとき、いや、お前が婚姻届を持って金沢に多衣に会いに行ったときからもう、お前がそう言ってくれるのをずっと待ってたんだ。でも、もう遅い。すれ違ったな」

6年間の多衣との不倫という、すれ違うための第一歩を勝手に踏み出した旬平がそれを言うのか! とずっこけた。が、なんかもうここまで来ると、その待ちの姿勢もかえって清々しい。旬平は、先代の女将・キクに上げ膳据え膳で板長にまでしてもらったお坊ちゃんだ。そういう風にしか生きられなかった人なのだ。

「そういう風にしか生きられない人」を、『あなたには渡さない』は断罪も矯正もしない。

通子にお姫様扱いをするなと怒られた笠井は、断固として「みっちゃんは僕のお姫様」と言い切っていた。旬平、通子、矢場と対象を変えながらも、そのときに信じたい・愛したいと思った自分の心を信じて人を愛する多衣。一度走り出したら止まれない通子の性格。誰も自分の性質を変えたり悔い改めたりすることなく、1話から最終話まで駆け抜けてきた。
彼らの衝動や“我(が)”を許容することが、本作のわけのわからなさと面白さを生み出している。

変わったのは、彼らの性質ではなく行動だった。それも、板前の不在と経営難(通子)、定食屋の追放(旬平)、妊娠(多衣)、逮捕(笠井)と、それぞれが逃げられない窮地に追い込まれ、出涸らしのようになった状態からようやく絞り出してきた行動。

そこまで追い詰められないと本当の気持ちが言えないのかよ、と言いたくもなるが、それは他人事だからではないだろうか。日々SNSを追っていると、夫婦間の愚痴や身近な相手の無理解への嘆きがよく投稿されている。そしてそれに「SNSに書かず本人に言えばいいのに」などとコメントがつくこともよくある。

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2018年12月24日のレビュー記事

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