脚本:福田 靖
演出:安達もじり
音楽:川井憲次
キャスト:安藤サクラ、長谷川博己、内田有紀、松下奈緒、要潤、大谷亮平、
桐谷健太、片岡愛之助、橋本マナミ、松井玲奈、呉城久美、松坂慶子、橋爪功、瀬戸康史ほか
語り:芦田愛菜
主題歌:DREAMS COME TRUE「あなたとトゥラッタッタ♪」
制作統括:真鍋 斎
76話のあらすじ
奨学金は非課税であることがはっきりし、逮捕は不当であったと新聞も記事にした。
おりしも、生活の貧しさに不満を抱く民衆の感情が爆発し、徴税反対デモまで引き起こす。
立場が悪くなった進駐軍は、訴えを取り下げて10万円の税金を払えば、丸く収めると態度を軟化した。
非課税だった
奨学金が非課税だったというと、ではなんのためにたちばな栄養食品は涙ながらにバラバラになってしまったのか……。
そして、非課税なのに、やっぱり税金を払わないといけないのか。
こういうことがよくわかってないから、私っていつまでも貧しいんだなあと反省した年の暮れです。
みな様、うまくすれば得できるらしい、ふるさと納税は今年度分は年末まで間に合うみたいですよ。
現在「まんぷく」の舞台となっている泉大津市も、1月から舞台となる池田市も、ふるさと納税がある。池田市にはなんと日清チキンラーメンの詰め合わせも。ドラマを楽しんだお礼に納税するのもいいかもしれません。
最強のおなご
「戦争は終わったのにあんなことせんでも……」と忠彦が眉をしかめるのは、克子(松下奈緒)とタカ(岸井ゆきの)による薙刀の練習。
「最強のおなごになれますよ」と克子。
「最強のおなごて」と忠彦がさらに困った顔に。
「最強のおなご」というフレーズは、本来ならば、じつに朝ドラらしいと思う。
たいてい、主人公は主婦になるにしても職業をもつにしてもがんばり、より良くなっていくことを目指している。それは心身問わず「最強のおなご」である。
75話のレビューでも書いたが、なぜか主人公の福子がそこには加わらない。そこが「まんぷく」の面白いところだ。
克子の手足が長く薙刀ではかないっこないとぼやくタカ。父母の背が高いにもかかわらずなぜ自分がチビなのか、と嘆く(このときの、克子とタカとその後方に忠彦のいるアングルが背の違いをよくわからせている)。
福子の不気味とも思える無理して笑っている顔や、親子の身長差などに、すぐセルフツッコミしないで、ずいぶん時間をかけてから出して来るのは、なかなかテクニカルだと思う。我々が指摘したところを台本に生かしたんじゃないかと視聴者が勘違して溜飲を下げるくらいの間を空けて。そこまで視聴者との双方向性を大事にしているとは、テレビ屋(この名前は褒めの意味で使用しています)の鏡である。
それにしても、松下奈緒の薙刀アクション、凛々しい。大河ドラマに出てほしい。
ライダーとお茶の間と
ヒーロー大集合。「仮面ライダーアギト」(01年)の要潤(忠彦役)、「仮面ライダーキバ」(08年)の瀬戸康史(神部役)、「仮面ライダーW」(09年)の菅田将暉(東役)が、香田家のお茶の間に集まった。
お茶の間とライダーは、ウルトラセブンとメトロン星人がちゃぶ台で向き合った伝説のエピソード「狙われた町」(脚本:金城哲夫 演出:実相寺昭雄)を思い出すようなシーンだった(大げさか)。
たとえが古すぎるとあらば、上野樹里がライダーに家を守ってほしいと頼むCM。
なにはともあれ、三人の座り位置がきれいに三角形になっているところも端正だ。
残念ながら三人ヒーローに入れない世良(桐谷健太)は、「浦島ミルク」で存在を主張。携帯電話のCMで浦島太郎を演じていることを想起させる。
あかちゃんをあやす神部と世良にも和んだ。
主軸はけっこう重たい話にもかかわらず、ここまでポップに仕上げるのもやっぱりテレビ屋の矜持を感じる。
このテイストを保持できれば、ちょっと昭和テイストのホームドラマ復権の可能性もなくはないかも。
「まんぷく」は年内、12月28日(金)まで放送される。年内、あと1回!
(イラストと文/木俣冬)
連続テレビ小説「まんぷく」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
朝夕、本放送も再放送も オールBK制作朝ドラ
「べっぴんさん」 BS プレミアムで月〜土、朝7時15分から再放送中。
べっぴんさんは、お正月になりました。
76話
「あさが来た」 月〜金 総合夕方4時20分〜2話ずつ再放送
「私がハズバンドだったら……」と五代が…
49話
50話