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「シシリアン・ゴースト・ストーリー」実在の事件をキーに、少女の苦闘と想像力への願いを語る

『シシリアン・ゴースト・ストーリー』は、正直言ってかなり重い映画である。それと同時に、人間の想像にはなんらかの力があってほしいという、切実な願いが込められた映画でもある。
「シシリアン・ゴースト・ストーリー」実在の事件をキーに、少女の苦闘と想像力への願いを語る

失踪した少年を追い、少女は地元のタブーへと迫る


『シシリアン・ゴースト・ストーリー』は、タイトルの通り1993年にシチリア島で実際に発生した事件をベースとしている。マフィアでありながら警察と司法取引し情報提供を行っていたサンティーノの息子で、当時12歳だったジュセッペ・ディ・マッテオが誘拐・殺害された事件がそれだ。犯行はサンティーノの口を塞ぎたいマフィアによるもので、息子ジュセッペを人質にとれば情報提供をやめるだろうという狙いから誘拐。しかし息子の誘拐後もサンティーノは告発を続けたため、779日間の監禁の末ジュセッペは殺害された。

映画ではこの事件はあくまでベースとなっているだけなので、実名で登場するジュセッペ以外の人物はフィクション。ストーリーもオリジナルのものとなっている……という、ちょっと変わった仕組みの作品だ。

映画の主人公ルナは、同級生の少年ジュセッペに想いを寄せる少女である。ある日の放課後、ジュセッペと一緒に彼の趣味である乗馬に付き合ったルナはその場でラブレターを渡し、ジュセッペとキスをする。しかしその直後、馬を厩に繋ぎに行ったジュセッペは忽然と姿を消してしまう。

翌日になっても、さらにその翌日になってもジュセッペは学校に現れない。ルナの母親は娘を「あんな子に近づくな」と叱り、学校の教師もジュセッペがいなくなった原因については何も触れない。ルナはジュセッペの家に行ってみるも、ジュセッペの母親は泣き崩れ祖父には追い返されてしまう。謎だらけの失踪に納得することができないルナは、友達と一緒に髪を青く染め、失踪事件を知らせるビラを配り始める。

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