review

萩原健一、倉本聰、室田日出男…不祥事、対立、病…大河ドラマ降板の歴史を検証。ピエール瀧のこの後に光は

「勝海舟」ではまた、脚本を担当していた倉本聰も途中降板するという前代未聞の事態となった。原因は、NHKの演出陣との対立だった。

倉本は脚本執筆にとどまらず、俳優たちの脚本読みに立ち会い、注文をつけるのを流儀としていた。NHKで「勝海舟」以前にたびたび倉本とドラマを一緒に手がけた演出家の大原誠によれば、脚本読みから、さらに立ち稽古まで見て、動きを指示し、自分の書いた作品の意図を俳優に伝えていたという。また、配役(キャスティング)にも強い関心を持っていた(大原誠『NHK大河ドラマの歳月』NHK出版)。

じつは、渡哲也の降板が決まり、代役に松方弘樹を立てる案が出たとき、直接、交渉にあたったのも倉本だった。NHK局内ではこの案に無理だろうという観測が強まり、誰も口説きに行かないので、倉本がプロデューサーに承諾を得たうえで動いたという。松方が当時専属だった東映の社長・岡田茂は、倉本の申し入れに「松方にもいいチャンスだ」と言って、進行中の仕事を除いて、その後のスケジュールを止めてくれた、と倉本の自伝にはある(倉本聰『見る前に跳んだ』日本経済新聞出版社)。ただし、松方自身は後年の聞き書きで、倉本から直接電話で打診されたと証言している(松方弘樹・伊藤彰彦『無冠の男 松方弘樹伝』講談社)。

しかし、演出家やプロデューサーたちからは、演出や配役にまで口を出す倉本のやり方を“越権行為”として批判の声が上がる。一方、倉本も、演出家が台本を書き替えていると出演者の萩原健一から教えられ、不信感を募らせる。彼に言わせれば、《僕の意図を上回るいい解釈には諸手を挙げて賛同する。もちろん演出家の考えもあるし、それも尊重するけれど、無断変更は気分が悪い》(『見る前に跳んだ』)。

あわせて読みたい

  • 冨田勲は大河ドラマとどう戦ってきたか

    冨田勲は大河ドラマとどう戦ってきたか

  • 「真田丸」松本幸四郎があの役で再登場

    「真田丸」松本幸四郎があの役で再登場

  • 「真田丸」この本能寺の変が凄い

    「真田丸」この本能寺の変が凄い

  • 「真田丸」三成死す日。歴代関ヶ原考察

    「真田丸」三成死す日。歴代関ヶ原考察

  • 気になるキーワード

    レビューの記事をもっと見る 2019年4月7日のレビュー記事
    「萩原健一、倉本聰、室田日出男…不祥事、対立、病…大河ドラマ降板の歴史を検証。ピエール瀧のこの後に光は」の みんなの反応 2
    • 匿名さん 通報

      リバー・フェニックスの件はどうなる。

      1
    • 匿名さん 通報

      官兵衛のナレーションは不評で交代させられたんだよ

      0
    この記事にコメントする

    \ みんなに教えてあげよう! /

    次に読みたい関連記事「本」のニュース

    次に読みたい関連記事「本」のニュースをもっと見る

    トピックス

    > 今日の主要ニュース > 国内の主要ニュース > 海外の主要ニュース > 芸能の主要ニュース > スポーツの主要ニュース > トレンドの主要ニュース > おもしろの主要ニュース > コラムの主要ニュース > インタビューの主要ニュース

    レビューニュースアクセスランキング

    レビューランキングをもっと見る

    コメントランキング

    コメントランキングをもっと見る

    トレンドの人気のキーワード一覧

    新着キーワード一覧

    エキサイトレビューとは?

    エキレビ!では人気のドラマやテレビアニメ、話題の書籍を人気ライターがレビュー、解説! 人気ドラマのあらすじや、話題の書籍が支持される理由の考察、国民的アニメに隠された謎の解明など話題の作品の裏話を紹介。

    その他のオリジナルニュース