連続テレビ小説「なつぞら」
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~

第5週「なつよ、お兄ちゃんはどこに?」 29話(5月3日・木 放送 演出・)視聴記録


兄妹の再会
咲太郎がみつかった。信哉が浅草の劇場で働いていると聞きつけてきて、なつと富士子と三人で出かける。
ちょっと淫靡な踊り子のショーの合間に歌とタップを披露する咲太郎に思わず駆け寄るなつ。
まるでお芝居の一場面のような感動の再会だった。そのとき、北海道にいる、泰樹、剛男、照男、夕見子、明美の表情が映る。彼らは何を思っていたのか…。

浅草、踊り子といえば、ビートたけしが働いていた【浅草フランス座】などが有名。そこで劇作家・井上ひさしは合間のコント作家をやっていた。「なつぞら」のムック本によると、咲太郎役の岡田将生は最初、演じるにあたって「『男はつらいよ』の寅さんみたいな感じに」と言われたそうで。
寅さんを演じた渥美清もフランス座に出ていたから、ドラマの劇場は浅草フランス座をイメージしていると思って良いかもしれない。

Twitterトレンドにも入った岡田将生は舞台映えするルックスで華麗に歌い踊るが、咲太郎はあくまで裏方志向(棟方志功ではない)の様子。ただ「元禄落語心中」で落語家を演じた経験があるため、芸人の世界で生きている人のニオイを感じさせた。

天丼の思い出
再会を喜び、なつ、咲太郎、富士子、信哉はいっしょに天丼を食べる。インドカリーに続いて天丼。なつと富士子の東京グルメ旅。
5月3日、昼放送のBSコンシェルジュではゲストの佐野史郎は天丼好きということでフルーツ天丼を食べていた。天丼の天丼(ネタを二度三度重ねることを「天丼」という)。

ともあれ、咲太郎いわく料理人だったお父さんの天丼はとても美味しかった。でもなつはあまり記憶がない。
岡田将生がイケメン過ぎて子役と別人みたいだし記憶も各々バラバラだし、もしやこれはなにかの伏線なのだろうか、それともミスリードなのであろうか気になる。
兄にやっと会えたから今度は妹・千遥に会いたいとなつには欲が出てくる。
だが千遥を預かった親戚からはもう連絡しないでほしいと咲太郎は言われていた。戦中戦後の経験がないからわからないけれど、戦争で離れ離れになってしまった人たちは再会できたらほんとうに幸運で、そのまま二度と会えないこともあったのだろう。生き別れというと、3月末にパート2が放送され好評だった「ひよっこ」のお父さんが記憶を失って女優の世話になっていたエピソードを思い出す。こういう形式の代表的作品というと、記憶を失って別の人と結婚生活を送っていた夫との悲しい再会の名画「ひまわり」があって、戦争が人の人生を大きく変えてしまうということを「なつぞら」でも描いている。
戦争はなかったら、なつが北海道と東京の間で揺らいだり、北海道の柴田家がなつを失うかもしれないという不安を覚えたりすることなんてなかったのだから。なつが北海道で酪農をやるとか東京でアニメーターになるとかそのどっちがいいとかそういうことよりも、なつが北海道と東京で心を揺らすその背景に横たわる戦争というものの存在の大きさに言葉がない。

北海道のきれいな風景やアニメや美形な俳優たちや美味しい食べものや歌や踊りによって重い話が救われている。

第六週はいよいよなつは東京でアニメ−ションをつくっている会社の人たちと出会いアニメへの憧れを強くしていく。そのとき北海道の人たちは……。気持ちがざわつくばかり。

第6週 「なつよ、雪原に愛を叫べ」(5月6日・月〜 )あらすじ


兄・咲太郎(岡田将生)を探すため、東京を訪れていたなつ(広瀬すず)と富士子(松嶋菜々子)。ふたりは偶然、天陽(吉沢亮)の兄・陽平(犬飼貴丈)と再会する。陽平は東京の美大に通いながら、漫画映画を作る会社で働いていた。
なつは陽平に誘われて会社を見学、漫画映画の制作現場を目の当たりにし、心を奪われる。一方、十勝では、照男(清原翔)が大事な話があると天陽を呼び出していた。なつへの思いを確かめようとしていたのだ。そんな二人は青年団のスキー大会で対決することになり、それを見つめるなつは……。
「なつぞら」29話。華麗にタップを舞う岡田将生がTwitterトレンド入り

第31回(5月6日・月 放送)あらすじ


咲太郎(岡田将生)を探すため、東京を訪れたなつ(広瀬すず)と富士子(松嶋菜々子)。ふたりは偶然、天陽(吉沢亮)の兄・陽平(犬飼貴丈)と再会する。そこでなつは、陽平が、漫画映画を作る会社で働いていることを知る。
子供のころに学校の映画会でアメリカの映画を見たときの感動を覚えているなつは、陽平に誘われるがまま、スタジオ見学に行くことに。そしてなつは、漫画映画を制作する「東洋動画社」に足を踏み入れた…。

登場人物とキャスト 登場順


奥原なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。生活を保障してもらう代わりに酪農の手伝いをする。父の描いた家族の絵を大切にもっている。生きるために感情を押し殺してきたが、柴田家、とりわけ泰樹と触れ合うことで、素直に感情を出せるようになっていく。これからは酪農の時代だと考え、十勝農業高校で学んでいる。演劇部に入る。
佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。妻を「ふじこちゃん」と呼ぶときがある。1955年時点では音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。搾乳をさせてもらえない代わりに薪割りを頑張っていたが、なつが来たことを機にようやく搾乳させてもらえた。
柴田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。牛乳嫌い。同い年のなつに嫉妬を覚えたが、剛男に説得されてなつを受け入れる。勉強ばかりして家の手伝いを全然しない。
柴田明美 平尾菜々花(13回から) 幼少期 吉田萌果…柴田家次女。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。頑固者で幼いなつにも容赦なく厳しく接するが、意地悪ではなく、彼の人生哲学に基づいたもの。他人に頼らず己の力で人生を切り拓くことを心情としている。甘いものが好き。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。タップダンスが得意で、米兵にかわいがられていた。孤児院にいる。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られている。

2回
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。嫁募集中。

4回
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。十勝農業高校に通っている。演劇部。

5回
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。馬が好き。農業をしながら絵を描いている。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いている。泰樹の協力を得て、土地を蘇らせる。

8回
山田陽平 市村涼風…天陽の兄。絵がうまい。

9回
なつの父 内村光良…日本橋で料理人をしていた。絵が上手。家族のことを思いながら戦死した。

10回
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。 
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。

13回
居村良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。演劇部に入り衣裳を担当する。
村松 近江谷太朗…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。

倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。

14回
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。 

19回
門倉努 板橋駿谷 …十勝農業高校の番長。クマとサケを争った逸話をもつ。演劇部に入り、村長役を略奪する。
高木勇二 重岡漠 …十勝農業高校演劇部。メガネ。門倉に役をとられてしまう。
石川和男 長友郁真…十勝農業高校演劇部。
橋上孝三 山下真人…十勝農業高校演劇部。

21回
太田繁吉 ノブ(千鳥)…十勝農業高校の教師。ヤギのチーズは牛より「クセがすごい」と言う。

27回
前島光子 比嘉愛未… 川村屋のマダム
野上健也 近藤芳正… 川村屋のギャルソン
茂木一貞 リリー・フランキー… 角筈屋社長
煙カスミ 戸田恵子… 歌手。ムーラン・ルージュにいた。
三橋佐知子 水谷果穂…川村屋の店員
土間レミ子 藤本沙紀…カスミのいるクラブの店員

28回
島貫健太  岩谷健司
ローズマリー  エリザベス・マリー

脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正ほか
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武
(木俣冬)