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「となりのトトロ」作画監督佐藤好春が朝ドラ「なつぞら」で薪割り原画を描いたわけ、聞いてきた

──ヒルダの何が難しかったんでしょうか。

「当時の僕も、ヒルダというキャラクターの設定画が決まっているのだから、それを描くことが難しいというのはどういうことなのだろうと疑問でしたが、いま思えば、一枚のイラストを描くように、決めカットみたいなもので表現することが難しいキャラだったのでしょうね。ヒルダは明確な喜怒哀楽を表情に出さず、ちょっとした仕草から複雑な感情が見えてくるキャラクターとして作られていたから、森さんが“役者”としてヒルダを動かすに当たってそれがものすごく難しいってことだったんですよね。日本アニメーションで森さんや、近藤喜文さん(ジブリ映画『耳をすませば』(95年)監督)に教わったことは、アニメーターは役者であるということで、俳優が役を演じるように絵を描くことなんです」

──アニメーターは役者だという考え方は面白いですね。

「『なつぞら』で、なつが高校で演劇部に入りましたよね(取材はこのエピソード放送時に行われた)。もしかしたらこれはアニメ編に入る前にアニメーターも役者だよってことを教えるためなのかなと僕は思いましたよ。森さんや近藤さんは、絵は描けて当たり前で、アニメーターはその先のことをやるんですよと、言葉は違うかもしれないですが、そういうことを教えてくれたんです。例えば、大先輩の大塚康生さん(TV第1シリーズの『ルパン三世』(71年)などを手がける。『なつぞら』の下山のモデルではないかと一部で囁かれている)の一番得意なキャラはルパン三世ですが、ルパンだったらコップの水を飲むときもコップをカッと持ってグッと飲むけれど(実際コップをメリハリある動きで持ちながら語る)、それが赤毛のアンだったらそうは飲まないでしょうっていうわかりやすい話なんですよね。僕は日本アニメーションが『赤毛のアン』(79年)をやっているときに入ったので、そういう例え話を近藤さんにしてもらいました。アニメーターが役者とはなんぞやってことをそういうキャラクターを出してわかりやすく説明してくれたんですよ」

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