LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」

LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)

LACCO TOWER主催の音楽フェスティバル「I ROCKS」が今年も彼らの地元群馬にて幕を開けた。毎年この時期、大ホールである群馬音楽センターを中心に様々な趣向やプログラムを用いてきた同フェス。その規模は年々拡大し今年は同会場にて計4日間の開催となる。

この「I ROCKS」は群馬にて結成され育まれたロックバンド・LACCO TOWERが「自分たちを温めてくれた群馬に何か恩返しがしたい」と6年前にスタートしたもの。彼ら所縁や盟友、そして群馬のお客さんに観てもらいたいアーティストたち、はたまた地元の若手バンドたちとともに毎年盛大に行われている。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)

出演アーティストも錚々たるメンツだ。LACCO TOWERがこれまで培ってきた友情と信頼、絆や縁を元にみなが快諾。声かけを心待ちにしているアーティストやシンパも多い。まさに地元発信型キュレーションフェスと言える。

そんな今年の「I ROCKS」はSUPER BEAVERとの2マンから幕を開けた。同フェスは基本アーティストが一日に10数組ずつ出るスタイル。2マンライブは珍しく、第1回目のback number以来だという。
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SUPER BEAVER(Photo by 鈴木公平)

まずはライブに先駆け実行委員でもあるLACCO TOWERベースの塩崎が「一年ぶりの『I ROCKS』。言わせて下さい。『おかえりなさい!!』。僕らにとって全てであるこのフェス。この日の為に生きてきたぐらいの気概なので、最後は全て出し尽くして笑顔で帰って欲しい!!」と力強く開会宣言をする。

まずはSUPER BEAVERが登場。この日が自身の全国対バンツアーの初日でもあった彼ら。それも加味し詳しい内容や曲目は差し控えるが以下にその模様を遺したい。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
SUPER BEAVER(Photo by 鈴木公平)
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
SUPER BEAVER(Photo by 鈴木公平)

「先制攻撃を仕掛けるつもりで挑みます!」とステージ上から渋谷龍太(Vo.)。集まった満場の「あなた」一人ひとりに向け、彼らなりの気持ちと真理を込めた歌たちが次々と、投げ、放ち、射(い)、贈られていく。ある意味、この日の彼らの登場はリベンジでもあり意地でもあった。昨年はメンバーの急病のため、残念ながら急遽キャンセル。今年も声をかけられるも他公演があり日程が合わず。しかしどうにかして出たいとの思いから、この2マンが実現した。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
SUPER BEAVER(Photo by 鈴木公平)

「愛すべき『I ROCKS』ただいま戻ってきたぜ! 去年は自分の体調不良でキャンセルしてしまいすみませんでした。この『I ROCKS』というイベントが、『I ROCKS』を作っているチームが、LACCO TOWERが、そこに来てくれたあなたのことがとても好きだったから、めちゃくちゃ残念でした」と、渋谷が深々と頭を下げる。「この『I ROCKS』は愛情に溢れているイベントです。めちゃくちゃ暖かくて、めちゃくちゃバンドっぽい。気持ちがそのまま伝わってくるフェス」と続け、「この『I ROCKS』の4日間終えて絶対に言わせる。今日が一番凄かったと。だって出演する全バンド中、俺たちが一番『I ROCKS』が好きだから!」と力強く告げる。

それを立証してくれた彼らのステージ。自身がライブ毎に宣言してくれる、「常に自己最高の更新」が次々に成されていった。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
SUPER BEAVER(Photo by 鈴木公平)

「歩いていく中でLACCO TOWERという大好きな先輩に出会えました。彼らはどんなバンドより体温が高く、強い信念を持っている」と渋谷。とは言えSUPER BEAVER側も引けを取らない。楽しもうという言葉の代わりに全身全霊をかけて各曲が集まった者の胸めがけて次々に放り込んでいく。ライブが流転し走り出していくのを感じた曲、会場中からのコーラスも雄々しかった曲、会場の手拍子と共に完成させた曲等々、次々と思いの込もった歌たちが場内の隅々のあなた一人一人に向け一直線に飛んでいく。また、歌詞の一部を「I ROCKS」に変えて歌ったりと、彼ら特有の何気ない日々を特別な日へと思えるように変えてくれる魔法に場内がかかっていく様を何度も目の当たりにした。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
SUPER BEAVER(Photo by 鈴木公平)
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SUPER BEAVER(Photo by 鈴木公平)
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SUPER BEAVER(Photo by 鈴木公平)

後半に入ると彼らの惹き込みは加速度を上げる。上杉研太(B.)と藤原”30才”広明(Dr.)による横ノリとツービートの波状攻撃も印象的な曲や、ダンサブルなビートとそこを抜けて現れる柳沢亮太(G.)のギターが生み出すストレートさが会場を走り出させた楽曲等を連射。「『I ROCKS』にはこれからも俺たちがいます!!」と力強く再会の誓いを最後に遺し彼らはステージを降りた。

続くLACCO TOWERを前に、さすがは地元。信頼感と熱度が一気に上昇していく。

ステージに「I ROCKS」の名の入ったノボリを持って塩崎啓示(B.)、よく来たな的なポーズを交えて重田雅俊(Dr.)、自身のバンド名の入ったノボリと共に細川大介(G.)が入場すれば、真一ジェット(Key.)はタオルを掲げて登場。間を置き、松川ケイスケ(Vo.)も手を挙げ悠々と登場。ステージセンターにて深々と感謝のお辞儀を贈る。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)

1曲目の「薄紅」から彼らのライブは勢いよく駆け出した。哀しいはずの歌なのに今日はどこか喜ばしい謳歌のように響く。歌詞にある<花びらの雨>の代わりに会場の手による花が咲き誇っていく。細川も光景感のあるギターソロを加え、歌と演奏が描く絶景がのっけから広がっていく。

「今日はここがあなたの家です」と松川。懇願にも似た刹那な乙女心を映した歌は続く。「喝采」ではドライブ感が場内に呼び込まれ、会場中のクラップとともに楽曲が成立していく様を見た。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)
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LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)

「今年もこの言葉が言えて本当嬉しいです。『おかえり~!!』。またこの場を作れて本当に良かった。こんな素晴らしい景色を見るためにバンドをやっていると、この『I ROCKS』の光景を見る度に感無量になります」と松川。「この『I ROCKS』は日頃抱えている悩みや心配、問題を一切忘れて楽しめばいいフェス。ただただ楽しめばいい」と教示。出し惜しみなんてしないとばかりに、赤いライトが映える中、場内を引き連れるように「柘榴」がさらにライブを走り出させていく。また、モータードライブ的な「奇妙奇天烈摩訶不思議」では会場が作り出す腕の大旋回に壮観さを覚え、対して重田の繰り出す4つ打ちのダンサブルさなか、塩崎のファンキーなスラップも映えた「傷年傷女」では、真一ジェットもショルダーキーボードでステージを無尽に稼働。果てには客席に降り弾き走り回っていく。

この日は8月にニューアルバムの発売決定も告げられ、一足先にそこに収録される楽曲も披露された。「今日にふさわしい新曲を持ってきました」とその新曲「夜明前」が。マーチング風のドラムも交えブレイブ感溢れるイントロも手伝い、長い夜を抜けた後に新しい世界が広がり、これまでの苦労が報われるような気持ちが訪れる…あの瞬間を思い起こさせてくれる曲だ。そう、夜明け前が一番暗いがそこを抜けると新しい世界(夜明け)が待っている、そんなことを改めて信じさせてくれた。雨後には晴れが待っていることを信じさせてくれる曲は続く。次の「雨後晴」では会場も交え創り出された雄々しいホールアンセムがみなに力を与えてくれた。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)

後半戦に入ると彼らの楽曲の特色の一部でもある「奇譚系」の楽曲たちが炸裂した。真一ジェットのエレガントで悲しみを帯びたピアノがアヴァンギャルドに移っていきサーチライトが徘徊するなか現れた「怪人一面相」がライブを再び流転させていけば、「火花」では場内も交え駆け抜けていくサウンドの中、力強い無数の拳がステージに向けて贈られる様を見た。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)

「早く行きたいなら一人でいけばいい。遠くまで行きたいならみんなでいけばいい。俺らは後者を選びました。みんなが帰ってこれる居場所にここはなれそうですか?」と場内に問う松川。返る多くの拍手がみんなの無言のうなずきのように響いた。

本編ラストは「みんなにとっての安息の地がここであるように」との願いも込め「遥」が贈られた。みなが満天の星を思い浮かべる中、同曲が「また会おう」との約束のようにいつまでも胸に響いた。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)

アンコールでは『I ROCKS』のテーマ「星空」が再度ステージ上に現れたSUPER BEAVERのメンバーと共に贈られた。会場全員が作り出すワイパーの中、ライブハウスで詰め込め切れなかった思いがこの会場までつながり、ここでも広い会場の隅々にまで広がっていく様を見、それをしっかりと受け止める会場との力強い信頼感を感じた。あの時見た微かな光は、いつしか集まり、合わさり、今やこんなにも尊くも燦然と輝いている。そんな想いと共に私も同曲後半に用意されたハミングを場内と一緒に口ずさんだ。

LACCO TOWERもSUPER BEAVERも、ずっとスタンドアローンでここまで来た感がある。とは言え、それも常に並走してくれる“あなた”が居てこそ。そんな二者だからこその信憑性や説得力が我々に「そうだよな……俺もやらなくちゃな」とのバイタリティを授けてくれた。
LACCO TOWER、主催フェス初日にSUPER BEAVERを迎え幕開け「安息の地であるように」
LACCO TOWER(Photo by 鈴木公平)

『I ROCKS』はこれから6月7日~9日に、同じくこの群馬音楽センターにて総計31アーティストを迎えたフェスへと駒を進めていく。そこではまた盟友、戦友、先輩、後輩アーティスト入り乱れて、各位自分たちの音楽性をぶつけ合うのだろう。そして各日、会場を出る頃には、不思議なバイタリティと明日への活力を授かっていることになるだろう。何故なら『I ROCKS』は、みなさんの居場所になるべく用意された、“ただただ何も考えずに音楽を楽しめばいいだけのフェスティバル”なのだから。

(※)塩崎啓示の崎はたつさき

取材・文/池田スカオ和宏

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