連続テレビ小説「なつぞら」 
◯NHK総合 月~土 朝8時~、再放送 午後0時45分~
◯BSプレミアム 月~土 あさ7時30分~ 再放送 午後11時30分~
◯1週間まとめ放送 土曜9時30分~
続けよ「なつぞら」なぜ、最終回目前で視聴率が下がったのか。レビューも続けよ

『なつぞらメモリアルブック』(ステラMOOK)

第26週「なつよ、あっぱれ十勝晴れ」156話(9月28日・土 放送 演出・木村隆志)視聴記録


一足先に最終回かと思っちゃたんじゃないか
記念すべき朝ドラ100作めとして注目されていた「なつぞら」が9月28日(土)に終わった。

半年という長丁場の朝ドラ、ずっと走ってきた最終週は盛り上がるものという先入観があったところ、意外にも最終回目前154回で19.3%と20%台を割ってしまった。
クライマックスの舞台は北海道。
「なつぞら」ファンに好評だった北海道に主人公なつ(広瀬すず)がせっかく戻り、一番人気といって過言でない泰樹(草刈正雄)とふたりで迫りくる危機に敢然と立ち向かう(詳しく書くと、嵐による停電で搾乳機が動かず、手絞りで対応、牛が乳房炎になることを防いだ)、ドラマチックな回がそのあと用意されていたにもかかわらず。なぜか。

(155回は22.5となり、最終回は21%で最終的にはまずまずの結果となった)

その前の153と154回で「最終回かと思った」人がほんとうにいたんじゃないだろうか。「最終回かと思った」とは朝ドラで時々途中、話がなんとなくまとまって最終回のような風情を醸すとき、視聴者がよく使う言葉。

153回はなつが彼女の半生も込めた渾身のアニメ「大草原の少女ソラ」が文字通り最終回を迎え、打ち上げの席でスポンサーの社長(大泉洋)がなつたちを労う。それから、戦後、生き別れ30年越しの再会を果たした妹・千遥(清原果耶)の店で、咲太郎(岡田将生)を育ててくれた恩人・亜矢美(山口智子)と血縁の家族とはまた違う「人生の二番だし」の存在があることを噛みしめる。
これで満足してしまった人も少なくないだろう。
154回は、姉妹とその娘(&坂場)で北海道に向かい、泰樹がまさに大樹のように苦労してきた千遥をあたたかく包み込むのだが、エピローグ感が否めなかった。

穏やかなエピローグ感はなぜ
155回、156回はエピローグのようなもの。嵐というアクシデントはあったが、残り2回だから解決するに決まっている。91歳になった泰樹が亡くなる気配もない。むしろ弱っていたが嵐をきっかけに元気になった。
ほんとうは、なつに遺言的なことを言い、ひとり大地に抱かれ、眠るように……という場面があったが、SNS をざっと見ると、寝ているだけとすんなり思ったようで亡くならなくてよかったという声が多かった。そういうふうにしたほうがいいという制作側の判断であろう。なつを育んでくれた十勝に戻って、遠く離れて違う仕事をしていてもこの大地と空が原点であるというふうにまとめ、そして人生は続く。たぶん、あえて、最終回的な予定調和なカタルシスを作りたくなかったのではないか。

20年前に思いつめたようにふいに訪ねてきた千遥にも柴田一家は「来年も来てね」「毎年来てね」とあたたかい。この回には一緒にやって来ることができなかったとはいえ咲太郎のことも柴田家はあたたかく迎えてくれている。
十勝がなつだけでなく、千遥や咲太郎の故郷にもなったのだ。そして人生はつづく。

戦後、子供三人(信哉〈工藤阿須加〉も入れたら4人)そろって生きていくことが難しく、別れて暮らすことでなんとか生き残りを賭けた主人公たちが、それぞれの夢や家族をもって生き延びた。これこそが「なつぞら」の核であろうと思う。

「つづけよ」に感じる「生き延びろ」の願い

最終回で、なつの夫坂場(中川大志)はなつと戦争の話を映画でつくりたいと言い、それが12年後に実現するとナレーション(内村光良)が語る。それが第一話の空襲から逃げる少年と少女のアニメにつながる。
このアニメに、中川大志が展示会(10月6日まで開催)で音声ガイドをつとめた高畑勲監督の代表作「火垂るの墓」を思い出す人たちもいただろう。48話のレビューでもすこし触れているが、「火垂るの墓」は幼さゆえ純粋さゆえ、周囲の冷たさに背を向けふたりで生きていこうと無理をして妹を亡くしてしまう悲劇。一方「なつぞら」はもしも兄妹が出会った人たちがみんな親切に手を差し伸べてくれたら……という祈りの話だと感じる。「なつぞら」は最初からずっとそれを描いてきた。むしろそれだけを描いてきたと言っても過言ではない。
言魂ではないけれど、想像が現実を超えることだってある。
だからこそ、明るいほうへ明るいほうへ気持ちを向けたい、二度と悲劇が生まれないように。
「なつぞら」の各回に語られたナレーション「来週につづけよ」「101作につづけよ」の「つづけよ」は、「生き延びろ」という願いではなかったか。そう、人生はつづくのだ。

セリフにない感情表現のドラマ
ドラマがはじまったばかりのとき、制作統括の磯智明チーフプロデューサーに取材をして、こんな話を聞いた。
「大森さんの作品の持ち味は、広がりのあるストーリー性。ときとして、心情をはっきり言葉にしないで、あくまでもストーリーのなかで感じさせることもあるため、俳優の芝居も難しいものが要求されます。
彼が初めて手がけた朝ドラ『てるてる家族』('03年)では、ミュージカル仕立てにすることで、セリフにない感情表現を歌で表現するというやり方を行いましたが、同じことは2度できないので今回はどうしようかと考えたとき、言葉にならない感情も表現できる演技力がある広瀬すずさんが浮かびました」(週刊女性PRIME 5月23日公開より)

是枝裕和監督作も経験している広瀬すずには圧倒的なスケールと深さがある。それは十勝の大地と空の明るさに匹敵し、その前向きさと同時に、戦争の焼け跡の巨大な虚無(喪失感)も感じさせる。希望と絶望、人間はどちらにも容易に傾く。その危うさを抱え込みながら淡々と営まれる日常の物語のなかで、希望と絶望の両義性をたたえたなつははたしてどちらに向かうのか……。結果、希望の道を歩んでいくのが最終回だ。

ドラマを守るための様々な企画
こんなふうに極めて繊細な物語とはいえ、不特定多数の人が朝、起き抜けにライトな感覚で見る朝ドラとしてはテーマが先行し過ぎたかもしれない。どちらかというと歴史を俯瞰して見る大河ドラマみたいな印象がする。朝ドラはミニマムな日々の細やかなあれこれが好まれる。会話だったり手作業のディテールだったり。再放送で再注目された「てるてる家族」も大森寿美男の資質を、ミュージカル仕立てにしたからこそ、それが別の楽しみになった。では今回はどうする……と悩んだ結果の広瀬すずがさらに観念的過ぎた。これはこれで良いが、
その分、歴代ヒロイン大集合で華やかに。もうひとつは日本が誇るアニメ文化の黎明期で話題性を。朝ドラとアニメ、いま日本の二大人気ジャンルでSNS対策を万全にしたといえるだろう。

歴代ヒロインは 松嶋菜々子(ひまわり)、北林早苗(娘と私)、岩崎ひろ美(小学校の先生)、小林綾子(おしん)、比嘉愛未(どんど晴れ)、山口智子(純ちゃんの応援歌)、貫地谷しほり(ちりとてちん)、田中裕子(おしん)、三倉茉奈(ふたりっ子)、浅茅陽子(雲のじゅうたん)、藤田三保子(鳩子の海)、戸田菜穂(ええにょぼ)、藤澤恵麻(天花)と続々登場した。戦災孤児の物語だった「鳩子の海」から藤田三保子が登場したのはおみごと。再放送中の「おしん」からふたりも登場したことも喜ばしかった。

アニメ軸では、元ジブリ動画チェックスタッフを中心にオリジナルアニメを制作、オープニングもアニメになった。主人公なつが参加したアニメは「白蛇姫」「ヘンゼルとグレーテル」「神をつかんだ少年クリフ」「百獣王サム」「魔法使いアニー」「キックジャガー」「魔界の番長」「大草原の少女ソラ」とかなりあり、
合わせてポスターやグッズが飾られた。なつが就職した東洋動画は東映動画をヒントにしていて、あの人ぽい人、この人ぽい人、レジェンドアニメーターらしき人たちが描かれるという企画で話題性を振りまいた。
声優まで登場。山寺宏一、高木渉、田中真弓、沢城みゆきと人気声優が集まった。戸田恵子も歌った。田中真弓が中年のおばさん役を演じたことが興味深かった。

まだある。舞台は北海道だから、地元の星、TEAM NACSが全員出演したら盛り上がるだろう…とも考えたのだろう。まず三人、安田顕、戸次重幸、音尾琢真がセミレギュラーとして登場、中盤、森崎博之が「わたしだって道産子だ」と言い、最後の最後、日曜劇場の主役で忙しくて出ないのかなと思っていたところに大泉洋が出た。

主題歌はスピッツの久々のシングル「優しいあの子」。これも注目された。初回は、一番、スピッツに世間は反応していたような印象すらした(SNSのトレンド状況など)。

羅列してみて改めて思う。これだけ入れるんだったら思いきって一年やったほうがよかったんじゃないだろうか。

劇中アニメに頼りすぎたか
質実剛健な物語に華やぎをと、シンプルな銀食器が並んだテーブルのそこここに花を飾るようにしたら、花の色と香りで肝心の食事の味覚がよくわからなくなってしまったかのように、SNS はストーリーの内容ではなく、企画部分ばかりが取り上げられた。モデルらしきアニメーターの記事がたくさんあがるため、視聴者からはアニメ部分が史実どおりではないと不満の声があがりだす。あらかじめモデルじゃない、「ヒント」にしただけと公表しても、モデル、モチーフ、ヒントの違いを誰もが等しく理解するわけもなく(私は「とと姉ちゃん」以降、何度も「モデル」かそうでないかに関する記事を書いているが浸透する様子がない)、「モデル」と思いこむことは朝ドラにはつきもの。それも宣伝のひとつと折り込み済みなのであろう。

とはいえ、それが地元のお菓子だったら、例えば味が違ったとしても、そんなに目を吊り上げることでもないが、ことはアニメ。日本が世界に誇れる一流中の一流のアニメ。大物の力を少しでもあやかろうとしてしまったのは神をもおそれぬ行為であった。まさに神をつかんだ少年クリフ。

アニメに詳しくないからこそ手が出せたんじゃないかという気もしないではない。元ジブリの舘野仁美にアニメ制作の協力を得たとはいえ、やっぱり、名作の数々を追体験するのは不可能。ただ、ドラマの劇中劇としてはかなり頑張ったと思うし、劇中劇として消費してしまうのがもったいないほどだった。

正直なことを言うと、働き方改革で……と言いながら、外注のアニメスタッフに物語の重要なところを任せて(一応、局の優秀なビジュアルスタッフがアニメ担当をし、絵も描いている)、局の演出面に少しも新しさがなかったことを指摘したい。北海道のロケには力が入っていたが、その後のスタジオ撮影はアニメ任せで通常のスタイルを踏襲しているように見えた。もしかしたらアニメが入る分、抑えめにという考えだったのかもしれないが、それこそ、せりふでない部分に心情が出る大森寿美男の脚本をもっと画として噛み砕いて伝えることに腐心するべきではなかったか。ただ、155回の搾乳場面や最終回の広い画、天陽の死の場面などはすばらしかった。

SNSを意識するのも良し悪し
最近の朝ドラは、SNSを意識しすぎてすこしおかしな方に向かっている気がしないでない。
今回、朝ドラ受けが少なかったのも、華丸大吉ほどのプロの芸人が、いかにも宣伝なネタに乗っかる気がしないからではないか。かといってストレートにテーマに切り込んでいくタイプでもないから、語りようがないだろう。
唯一、「おはよう日本関東版」の高瀬耕造アナが「堂々としてろ」これがテーマだと思ったと、155回の放送の前に語った。局員としての責務だとしても、「泣けました」とかではなく、骨のある部分を取り上げたところにジャーナリスト魂(魂使ってみました)を感じた。

そう、すべては「堂々としてろ」だと思う。「無理して笑うことない」「堂々としてろ」と泰樹が言ったことでなつは愛想笑いもしないし、孤児であることに引け目を感じることなく、生き抜いた。155回で「浮浪児でよかった」と千遥が言ったのも、どんなときでも何人たりとも自分の境遇に引け目を感じることはないという祈りだ。「浮浪児」という昨今あまり使用しない言葉をあえて使っているところにも、その意思を感じる。

SNSの声はこころをざわつかせるけれど、朝ドラももっと堂々と作って欲しい。
それでも視聴率やSNSの声にふたをするわけにもいかないから、受け入れながら、制作統括を筆頭に制作陣が深いテーマと表現を諦めないということを最低限守ろうと戦っていたとも思う。

たとえ期待したレジェンドアニメーターたちの活躍そのものじゃなかったとしても、彼らがテーマにしてきた近代化する社会への疑問はドラマにも描かれていたし、最後の「朝ドラよ、101作めにつづけよ」は物語に没入させず客観視させることを意識していた高畑勲監督の作風と共鳴する部分があると感じる。あれでみごとに我々は現実に帰ったのだ。

あの時代を駆け抜けた人たちを想う
でもまた「スカーレット」で毎日ああだこうだ言う、変わらない日常が待っている(この記事が載るときにはもうはじまっている)。それを平和の象徴と数年前は思っていたし、拙著「みんなの朝ドラ」にもそう書いた。だが、令和を迎えてちょっとわからなくなってきた。100作めで立ち止まり、いま一度、朝ドラとは何か、作る人たちに考えてほしい。

主人公の造型のヒントになった奥山玲子(なつぞらアニメ時代考証小田部羊一の妻でアニメーター)の書籍が発売になったり、麻子(貫地谷しほり)のヒントの一部になった中村和子(奥山と東洋動画で共に働き、その後虫プロで活躍する)が亡くなったニュースが154回の放送日に流れ(亡くなったのは8月だった)、朝ドラ効果で注目されたり、亡くなった方々の偉業を多くの人たちが知るきっかけになったことや、十勝が盛り上がって、神田日勝が再注目されたりしたことは朝ドラの意義といえるだろう。10月6日までの高畑勲展も、「なつぞら」最終回のあった日、とても混雑していたそうだ(実際に見に行った人のお話から)。我々は源流より生まれ、流れ流れても、再び源流へと帰るーー。

第156回 あらすじ 9月28日(土)


嵐の翌日、皆復旧作業に見舞われていた。泥沼と化した天陽の畑では靖枝(大原櫻子)達が使えそうなジャガイモを掘り起こしており、なつ(広瀬すず)と泰樹(草刈正雄)も手伝う。照男(清原翔)と砂良(北乃きい)も散らかった小屋で落胆していたが、再び一からやり直すことを決意。一方、麻子(貫地谷しほり)から次回作について電話を受ける坂場(中川大志)。再び、皆日常の中でせわしなく自分の道を切り拓いていくのだった。
(木俣冬)

【奥原家】
奥原なつ→坂場なつ 広瀬すず 幼少期 粟野咲莉…主人公。戦争で父母を亡くし、兄と妹と別れ、剛男に連れられて北海道に引き取られてきた。高校卒業後、アニメーターを目指して東京に出てくる。同じ会社の演出家・坂場一久と結婚、娘・優が生まれる。
奥原咲太郎 幼少期 渡邉蒼…なつの兄。北海道に預けられたなつをいつか迎えに行こうと東京でひとり生き抜いているところを新宿ムーラン・ルージュの亜矢美に助けられ、職を転々としながら、やがて声優事務所を始める。東京で世話になった光子と結婚。
奥原千遥 幼少期 田中乃愛…なつの妹。親戚に引き取られたが、そこで虐めにあい家出。復員兵に置屋に売られるも、そこの女将さんの養女になる。料亭に嫁入りするため、みなしごだったことを隠さないとならず、なつたちと再会する機会もあったが会わずに去る。離婚問題が持ち上がり、なつたちに頼る。千夏という娘がいる。

佐々岡信哉 工藤阿須加 幼少期 三谷麟太郎…空襲のとき、なつを助ける。孤児院で働きながら勉強し、テレビ記者となる。札幌に異動になったとき、アナウンサーと結婚する。
佐々岡道子三倉茉奈…北海道のテレビ局のアナウンサー(天気予報など担当)。信哉と結婚する。

奥原 父内村光良…日本橋で料理屋をやっていた。絵も得意。家族を思いながら戦死した。
奥原 母戸田菜穂…東京大空襲で亡くなる。

坂場一久中川大志…東洋動画に演出家として入社。東大出のインテリで理屈ぽく、絵にも根拠を求める。こだわってつくったアニメ映画が不入りで責任をとって辞職。なつの代わりに優を育てていたが、マコプラダクションに入り、演出家として復帰する。

坂場優増田光桜…なつと坂場の長女  
杉山千夏粟野咲莉…千遥の長女 なつがつくったアニメ「大草原の少女ソラ」が好き。

川谷とし泉千恵…なつの母方のいとこ。千遥を預かるが戦後の苦しさから虐めてしまう。昭和55年に亡くなった。
川谷幸一岡部たかし…としの夫。
川谷幸子池間夏海…としと幸一の娘。

杉山雅子浅茅陽子…千遥の義母。
杉山清二渡辺大…千遥の夫。浮気して家によりつかない。
杉山春雄春海四方…千遥の義父。千遥に料亭・杉の屋の味を教える。
光山なほ子原日出子…置屋の女将、千遥を養女にする。

上田助川嘉隆…杉の子の板前。

坂場一直関根勤…坂場の父 考古学者。
坂場サト藤田三保子…坂場の母。

【十勝・柴田家】
柴田剛男 藤木直人…柴田家の婿養子。なつの父の戦友で、戦災孤児となったなつを十勝に連れて来た。音問別農協組合で働いている。
柴田富士子 松嶋菜々子…剛男の妻。開拓で苦労してきたので、ひとに優しい。酪農が機械化されて手がすいたので、アイスクリーム屋をはじめようと考える。
柴田照男 清原翔(13 回から) 幼少期 岡島遼太郎…柴田家長男。柴田牧場を継ぐ。
柴田夕見子→山田夕見子 福地桃子(13回から)幼少期 荒川梨杏…柴田家長女。北大に進学し、一時期、制度に囚われない生き方を求めて東京に同級生と駆け落ちという若気の至りを経て、音問別農協組合でたんぽぽ牛乳を開発、雪次郎と結婚し、雪月の経営にも力を入れる。
柴田明美 吉田萌果→平尾菜々花→成海唯…柴田家次女。大学を出てテレビ局に就職。信哉の部下となる。
柴田泰樹 草刈正雄…柴田家当主。幼い頃両親を亡くし富山から北海道に移住、土地を開拓して牧場を大きくした。妻を早くに亡くす。頑固者だが甘いものが好き。その生き方がなつの人生に大きな影響を与える。

阿川砂良→柴田砂良北乃きい… 弥市郎の娘。照男と結婚する。
阿川弥市郎中原丈雄 … 東京から北海道に移住。木彫りで生計を立てている。

柴田地平 吉田隼→小林颯…照男と砂良の長男。天陽の生き方に憧れる。
柴田拓男 吉田奏佑…照男と砂良の次男。

戸村悠吉小林隆…柴田牧場で働いている。貧しい開拓団の八男に生まれ、幼い頃に奉公に出され、泰樹に世話になった恩を感じて尽している。
戸村菊介音尾琢真…悠吉の息子。晩婚だったが妻子がいる(ノベライズより)。

【小畑家】
小畑とよ 高畑淳子…帯広在住。泰樹の昔なじみ。口の減らない元気な人。
小畑雪之助 安田顕…とよの息子。菓子店・雪月の店主。菓子作りに情熱を注ぐ。
小畑妙子 仙道敦子…雪之助の妻。
小畑雪次郎 山田裕貴(13回から登場) 幼少期 吉成翔太郎…雪之助、妙子の長男。高校卒業後、川村屋に修業に出るが、劇団赤い星座に入団する。やがて演劇の夢を諦め、北海道に戻り、雪月を継ぐ。「オバタあんサンド」を開発、人気商品に。
小畑雪見 …嶺岸煌桜…雪次郎と夕見子の子供

【山田家】
山田天陽 吉沢亮 幼少期 荒井雄斗…音問別小学校でなつと同級生になる。東京からやって来た。馬が好き。農業をしながら絵を描き続け、高い評価を得るようになるが、過労から体を壊して夭逝する。なつとは精神的に強いきずなで結ばれていた。
山田正治 戸次重幸…天陽の父。東京から北海道にやって来たが土地が悪く、農業ができず、郵便局で働いていたが、泰樹の協力を得て、土地を蘇らせ、農業に従事する。
山田陽平 犬飼貴丈 幼少期 市村涼風…天陽の兄。天陽が一目置くほど絵がうまい。上京し芸大に通い東洋動画に就職、背景スタッフとなる。マコプロダクションに入り、「大草原の少女ソラ」の背景美術を担当する。
山田タミ 小林綾子…天陽の母。
山田靖枝 大原櫻子…天陽の妻。演劇の手伝いを通して天陽と知り合った。働き者で、天陽亡き後、
土地を守ると誓う。
山田道夫中川望…天陽と靖枝の長男。父なき後、母とともに畑を守ると誓う。
山田彩子古川凛…天陽と靖枝の長女。


【北海道の人々 高校】
居村良子→門倉良子 富田望生…十勝農業高校の生徒。なつの親友。演劇部に入り衣裳を担当する。「白蛇伝説」のラスト、白蛇として登場し喝采を浴びる。演劇部時代は門倉を煙たがっていたが、やがて結婚し、三人の子供を生み育てる。
倉田隆一 柄本佑…十勝農業高校の国語の先生。演劇部の顧問。「魂」が口癖。なつの問題、十勝の伝承を交えて「白蛇伝説」の台本を書く。
門倉努 板橋駿谷 …十勝農業高校の番長。クマとサケを争った逸話をもつ。演劇部に入ったことをきっかけに良子と結婚。なつの作ったアニメ「魔界の番長」の主人公に似ている。
太田繁吉 ノブ(千鳥)…十勝農業高校の教師。ヤギのチーズは牛より「クセがすごい」と言う。


【北海道の人々 農協】
田辺政人 宇梶剛士…音問別農協組合組合長。農協で一手に酪農事業をとりまとめ十勝を酪農王国にしたいと考えている。 
村松 近江谷太朗…柴田牧場と長い付き合いのあるメーカーの人物。奥様封筒をもってくる。

大清水洋森崎博之…十勝支庁長。農協が独立して工場を建設することを認める。

【東京 新宿の人々】
前島光子→奥原光子 比嘉愛未… 川村屋のマダム。西新宿の再開発に伴い、川村屋を野上に譲り、咲太郎と結婚、声優事務所を一緒に経営する。
野上健也 近藤芳正… 川村屋のギャルソン。少し嫌味なところがあるが根はいい人。
杉本平助 陰山泰… 川村屋の料理長
三橋佐知子 水谷果穂…川村屋の店員。川村屋社員寮でなつと同室に。咲太郎を想っていたが諦めて結婚、子育てが落ち着いた後、光子に呼ばれて声優事務所を手伝う。

茂木一貞 リリー・フランキー… 新宿の書店・角筈屋社長。
煙カスミ 戸田恵子… 歌手。クラブメランコリーの看板。ムーラン・ルージュにいた。「大草原の少女ソラ」の主題歌を歌う。
土間レミ子 藤本沙紀…カスミのいるクラブの店員から劇団赤い星座に入団。声優になり、声の特性を生かして少年役で大活躍する。
島貫健太  岩谷健司…咲太郎のいた浅草の劇場の芸人。咲太郎の事務所に入り声優になる。「大草原の少女ソラ」のお父さんの声を担当する。
藤田正士 辻萬長…新宿一帯に顔が効く親分。
松井新平 有薗芳記 …咲太郎のいた浅草の劇場の芸人。咲太郎の事務所に入り声優になる。
岸川亜矢美 山口智子 …元ムーランルージュの踊り子で、おでん屋風車の女将。天涯孤独の咲太郎を助けた。風車を立ち退くことになり日本全国を渡り歩き、ムーラン・ルージュ再建資金を貯めている。雪月に現れる。

亀山蘭子 鈴木杏樹… 劇団赤い星座の看板女優。声優としても活躍するようになる。
虻田登志夫栗原英雄… 劇団赤い星座の俳優。蘭子中心の劇団のありかたに反抗し、独立する。
豊臣遊声 山寺宏一…元活動弁士で声優をやっている。
白本知香子沢城みゆき …新人声優。「大草原の少女ソラ」のソラに抜擢される。
藤井高木渉…外国テレビのディレクター。アテレコに立ち会う。


【東京 アニメーション関係者】
大沢麻子 貫地谷しほり…周囲に一目置かれている才能あるアニメーターだったが、なつや坂場の情熱に勝てないと結婚しイタリアに行くが、戻ってきてアニメ制作会社マコプロダクションを立ち上げ、プロデューサーになる。
下山克己 川島明 …アニメーター。東洋動画からマコプロダクションに。なんでもスケッチするのが習慣になっている。茜と結婚し、二女の父となる。
森田桃代 伊原六花…仕上げ課にいたが、仕上げの仕事が機会化されたためマコプロダクションに移り、色指定となる。あだ名は「モモッチ」。
三村茜→下山茜渡辺麻友…きれいな線を描くアニメーターだったが、下山と結婚、妊娠して退社する。なつが子育てしながら働く際、優を預かる。マコプロダクションが忙しくなると、親に子供を預け、手伝うことになる。
神地航也染谷将太…生意気だが実力は抜きん出た天才アニメーター。経営重視の東洋動画に不満を抱き、マコプロダクションに移る。
下山明子宝辺花帆美… 下山家の長女。「めいこ」と読む。優と仲良し。

石沢祐也大野泰広…マコプロダクション新人制作進行。
町田義一鈴鹿央士…マコプロダクション新人制作進行。
立山久子伊藤修子…マコプロダクション動画チェックスタッフ。
猿渡竜男新名基浩…「百獣の王サム」を企画した。アイデア豊富なアニメーター。
宮田川島潤哉→「キックジャガー」の演出家。

仲努 井浦新 … 実力派アニメーター。なつの才能に最初に気づき、なにかと気を配る。
井戸原昇 小手伸也… 東洋動画アニメーター。坂場のアニメが失敗し、現場を追われる。
山根孝雄 ドロンズ石本…仕上げ課のえらい人。
石井富子 梅舟惟永…仕上げ課のベテラン。なつを鍛える。
堀内幸正田村健太郎…東洋動画スタッフ 芸大出身で、線画のきれいさには定評がある。なつがマコプロダクションに移ると、作画監督を代わりに引き受ける。
中島坂口涼太郎…新人アニメーター なつに鍛えられる。
露木重彦木下ほうか…演出家、第一製作課長
山川周三郎古屋隆太…東洋動画スタジオ所長
佐藤橋本じゅん…製作部長。なつに期待をかける。「キックジャガー」が大好き。
荒井橋本さとし…京都の撮影所から来た制作進行。口うるさい。服が派手。
大杉満角野卓造…東洋映画社長。日本でディズニーに匹敵するアニメを作ろうと東洋動画を立ち上げる。1964年に会長になる。思想色の強い劇団赤い星座を嫌い、その関係者を兄にもつなつを一度は落としたが、そのことをすっかり忘れていた。

その他
焼け跡にいたおばあさん北林早苗…情にほだされなつたちに食べ物を分ける。演じている北林は朝ドラ第1作め「娘と私」の娘・麻里の少女時代役を演じた。
大作 増田怜雄…音問別小学校の生徒。
実幸 鈴木翼…音問別小学校の生徒。
さち 伍藤はのん…音問別小学校の生徒。
花村和子 岩崎ひろみ…音問別小学校の教師。 
校長先生 大塚洋…音問別小学校の校長先生。
高木勇二 重岡漠 …十勝農業高校演劇部。メガネ。門倉に役をとられてしまう。
石川和男 長友郁真…十勝農業高校演劇部。
橋上孝三 山下真人…十勝農業高校演劇部。
ローズマリー  エリザベス・マリー…浅草の踊り子

脚本:大森寿美男
演出:木村隆文 田中正 田中健二 二見大輔 村山峻平
音楽:橋本由香利
キャスト:広瀬すず 松嶋菜々子 藤木直人 岡田将生 比嘉愛未 工藤阿須加 吉沢亮 安田顕 仙道敦子 音尾琢真 戸次重幸 山口智子 柄本佑 小林綾子 高畑淳子 草刈正雄ほか
語り:内村光良
主題歌:スピッツ「優しいあの子」
題字:刈谷仁美
タイトルバック:刈谷仁美  舘野仁美 藤野真里 秋山健太郎 今泉ひろみ 泉津井陽一
アニメーション時代考証:小田部羊一 
アニメーション監修:舘野仁美
アニメーション制作:ササユリ 東映アニメーション

制作統括:磯智明 福岡利武