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まーちゃん一気に「いだてん」終戦から1959年オリンピック東京招致まで14年間語った40話

平沢のわかりやすい説明に、東京都知事の東龍太郎(松重豊)も、田畑の秘書の岩田幸彰(松坂桃李)も思わず納得しそうになる。しかし平沢には何としてでもスピーチしてもらわねばならない。田畑はいきなりテーブルに上がって土下座……かと思いきや、上着を脱ぐと一席ぶち始めた。何事かと思いきや、田畑はさらに岩田に「岩ちん、カーテン」と言って映写の準備をさせると、「(オリンピック開催が)早えか遅えか論じるのは15分間、俺の『オリンピック噺』を聞いてからににしてくれ!」と見栄を切る。まさに「俺の話を聞け」とばかりに始まった第40話は、田畑が終戦から1959年までの14年間、戦後スポーツの復興のためいかに尽くしてきたか、自ら語る形で展開された。

そこで語られたのはじつに多岐におよぶ。敗戦後、米軍に接収された神宮外苑競技場に赴いたあと、田畑は日本橋のBarローズで東龍太郎と松澤一鶴(皆川猿時)と再会(第39話でママのマリー〈薬師丸ひろ子〉に志ん生の妻おりん〈夏帆〉が占ってもらっていたのは、このとき)、そこで東京にオリンピックを呼ぶとぶち上げたこと。それからまもなくして生き残ったオリンピック関係者15名を集めて「日本体育協会」を発足させたこと。水連も再建し、戦地から帰ってきた宮崎康二(西山潤)や小池礼三(前田旺志郎)を迎え、食糧もろくにないまま選手の指導を始めたこと(タンパク質を摂るためカエルも食べた)。そのなかから「フジヤマのトビウオ」と呼ばれた古橋広之進(北島康介)ら世界レベルの選手が生まれ、非公認ながら世界記録を次々と樹立したこと。1948年のロンドンオリンピックに日本が招待されなかったため、田畑の発案でオリンピックの競泳と同日同刻、神宮プールでレースを行ない(名づけて「裏オリンピック」)、古橋と橋爪四郎がオリンピックの1位・2位の選手を上回るタイムを出したこと。翌年にはGHQの最高司令官マッカーサー(ダニー・ウィン)から直接許可を得て古橋たちを全米選手権に出場させ、勝利をすべて世界記録で飾ったこと。しかし戦後初めて日本が参加した1952年のヘルシンキオリンピックでは、すでに全盛期をすぎていた古橋は惨敗したこと(このとき、Barローズで客たちがテレビを見ていたが、テレビの本放送開始は翌53年だから試験放送の段階で設置したのだろう。また、テレビで競技の結果を知った田畑が「古橋を責めるな」と言っていたのは、ラジオで男子400メートル自由形決勝の実況を担当したNHKの飯田次男アナウンサーがレース終了後、「日本のみなさん、古橋を責めないでください。戦後の日本で、われわれに希望を与えてくれた古橋を責めないでください」と泣きながら語った史実を踏まえたと思われる)。

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「まーちゃん一気に「いだてん」終戦から1959年オリンピック東京招致まで14年間語った40話」の みんなの反応 2
  • 匿名さん 通報

    いつも思ってるのですが大河ドラマ「いだてん」 いいドラマなんです。視聴率が低いのは何でかなぁ?

    17
  • 匿名さん 通報

    毎回内容が濃くて本当に面白いです。「裏オリンピック」については全く知らなかった。

    10
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