「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

思春期――心の成長と身体の成長のアンバランスと戦いながら生きる時代。多くの同世代に夢を与えながら、その時期を乗り越えている“アイドル”という名の少年たちがいる。

2014年に5人組グループとして結成されたM!LK。2018年にメンバーの卒業に伴い、山中柔太朗、曽野舜太、宮世琉弥の3名が新加入し、7人組グループとして再出発した。

5周年のアニバーサリーシングル「ERA」は、これまで彼らが公に語ることのなかった気持ちが代弁されている曲だ。15歳から21歳で構成されている彼らは、「もう子供じゃない、でも大人じゃない」と歌う。インタビューでも「辛いこともたくさんあった」と言いながらも「ぶっちゃけ、僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」と笑顔を見せる。彼らの進むアイドル道の先には、何があるのかを語ってくれた。

取材・文/坂本ゆかり 撮影/コザイリサ
編集/田上知枝(エキサイトニュース編集部)


今まで触れてこなかった過去にも触れた、新曲「ERA」


――M!LK 5周年のアニバーサリーシングル「ERA」は、M!LKのヒストリーソングであり、同世代に向けた青春応援歌ですよね。青春真っ只中の当事者は、この曲を聴いてどのように感じましたか?

板垣瑞生(以下、板垣):元気になりました。リアルに僕らのことを歌っている歌詞なので。今回、MV(ミュージックビデオ)も含めて、俺らの過去……今まで触れてこなかった部分にも触れているんです。やっぱり、それも含めてM!LKだから。まだライブでやってないから、「ERA」をどう歌うかってことはちゃんと話し合った方がいいと思うんだよね。僕たちにとって、大事な曲になるわけだから。

佐野勇斗(以下、佐野):そうだね。(板垣)瑞生が言った通り、今まで触れてこなかった部分……、卒業したメンバーがMVに入っているっていうのは、僕たちも嬉しいんですよ。青春だけど、この曲を聴いて、たくさん経験してきた辛いことや大変なことも思い出しました。でも、こうやって7人で再出発できたし、大きな会場でライブができて、ファンの皆さんが来てくれて、「今が幸せだ」って本当に思うんです。だから、応援してくれるファンの皆さんをもっと大きなところに連れて行ってあげたい。そんな想いがひと回りした青春ですね。

「ERA」は、M!LKの5年、そしてこのメンバーになっての1年半の気持ちが100%詰め込まれている曲。歌う僕らも気持ちを込めやすいし、今までの曲以上に、僕らの想いが皆さんに伝わるといいなと思っています。

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの
板垣瑞生

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの
佐野勇斗

――今、お話にあったように、「ERA」のMVには、M!LKの歴史が詰まってますよね。

板垣:昔の映像は、「懐かしいなー、あんなこともあったなー」って思います。僕たち、見た目は大人っぽくなったかもしれないけど、根本はまったく変わってないですね(笑)。

宮世琉弥(以下、宮世):MVには、YouTubeにも上がっていない映像がたくさん入っているんです。別れも含めて、僕たちが過ごしてきた辛さも詰まってる。これに関しては、言葉では説明しきれないんですよ。

このMVで、ファンに今まで伝えられていなかった部分がちゃんと伝えられて、「僕たちは本気なんだ」っていうことがわかってもらえると思います。み!るきーず(ファン)のことは一番に考えているけど、言えないこともあるんです。でも、僕らはみ!るきーずにメッセージを送っていることはわかってほしい。そういうこともMVに乗せて届けたいんです。ぶっちゃけ、僕たち、M!LKに青春注いでいるので!

塩崎太智(以下、塩崎):気付いていない人も多いと思うのですが、前半で光の道に導かれるように歩いて行くのは元々いた4人のメンバーで、最後のサビ前で光の輪に集まると7人になる。そして、大きな光の道を7人でステージに向かっていくんです。その物語を見てほしいですね。

――わっ、それ気付いていませんでした。

曽野舜太(以下、曽野):気付かなそうなシーンがもうひとつあります。最初の方に出てくる昔のリハーサルシーンで勇斗くんが来ていたTシャツを後半のリハ映像で、僕が着ているんです。勇斗くんが「小さくなったから」ってくれたTシャツなんだけど、偶然、絵が繋がってた。見たときに「ウソーー」って思いました(笑)。これを読んだら見直してみてください。

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの
塩崎太智

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの
曽野舜太

――すごい偶然ですね。MVではみ!るきーずも参加して、ライブシーンを撮影したんですね。

山中柔太朗(以下、山中):『M!LK LIVE TOUR 2019 “Summer Re:fresh”~かすかに、君だった。~』の東京公演のライブ終わりに、み!るきーずと一緒にセッションして撮ったんです。ステージ上で、「ここのフリ違うよ」とか話し合っている姿を見られるのも新鮮でした。素敵な映像になったと思います。み!るきーずは、みんな忠実に演じてくれました(笑)。

吉田仁人(以下、吉田):うん、撮影中は手を振ったり、歓声をあげてくれるのに、終わったとたんに素になるところが、女優でした(笑)。僕たちもみ!るきーずの前で撮影するって、授業参観みたいで、ちょっとかゆかった(笑)。でも、み!るきーずの「応援したい!」って姿勢を見ることができたし、一緒に作れたのがすごく嬉しくて。「私、ここにいたんだよ」って胸を張って言えるように、これからもM!LKとして活躍していたいって思わせてくれました。

佐野:「こんなに何回も見たの初めて」っていうくらい見ているMVです。ライブってやっぱり一番M!LKらしいと思うから、ライブシーンがお気に入り。撮影のとき「ERA」が終わって、み!るきーずが「フーーー!」って言ってくれたのがすごく嬉しくて、「ライブのときも、フーって言って!」ってお願いしたら、ライブでも大きな声を出してくれるようになったのも嬉しかったなぁ。

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――デビューからの5年で、一番思い出に残っていることといえば?

佐野:それはやっぱり、この3人(山中柔太朗、宮世琉弥、曽野舜太)が入ってきてくれたことですよね。世代は下だけど、本当にいいやつらで。親しき中にも礼儀ありで、言う時は言うけど、わきまえるときはわきまえてくれる。そこはデカいですよね。バランスがいいんですよ。

――入って1年半と思えないくらいの仲の良さですが。新メンバー3人は、オリジナルメンバー4人(板垣瑞生、佐野勇斗、塩崎太智、吉田仁人)の中に入って「やっていけるな」って確信したのは、どんな時でしたか?

山中:わりと序盤ですね。「やっていけるな」というより、「やるしかない」って状況だったから(笑)。そう言い聞かせていたかもしれないです。

曽野:今はこの7人でやっていきたいし、この7人で幸せだなって思っています。

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宮世琉弥

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの
山中柔太朗

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの
吉田仁人

――新メンバー(山中柔太朗、宮世琉弥、曽野舜太)は、オリジナルメンバー(板垣瑞生、佐野勇斗、塩崎太智、吉田仁人)に初めて会ったとき、どんな印象を受けましたか?

山中:僕からしたら大先輩だし、憧れだったから。

吉田:おっ、誰に憧れてたの?

山中:昔は、板垣さん。

――昔は……?

山中:今は憧れっていうのじゃなく、近い存在になったから(笑)。佐野さんも初めて会ったとき、すごく優しかったなぁ。太智くんは、会う機会は多かったけど、あまりしゃべることがなかったから怖い印象だったんです。でも、あるイベントで一緒になったときに、「柔太朗はマジメなんだな。チャラいと思ってた」って話かけてくれて。

吉田:マジでチャラいと思ってたから(笑)。でもすごくマジメなんだよ。

佐野:わかる。3人が入ってきたとき、柔太朗はちょっと心配だった。やる気のないヤツかと思っていたから。でも実は真逆で、ビックリした!

宮世:僕が会ってから印象が変わったのは、(吉田)仁人くん。怖い人だと思ってたから。

板垣:え? 仁人って怖いイメージあるんだ!

宮世:まだM!LKに加入する前、コンビニに行ったら、仁人くんと太智くんがいたんです。太智くんが奥の方のレジで会計してるのが見えなくて、仁人くんに「お疲れ様です!」って挨拶したら、奥から仁人くんが「は? 俺には挨拶ないのかよ」って!

一同:こえー!(爆笑)

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

宮世:僕も、瑞生くんの怖い思い出ある! 僕とソノシュン(曽野舜太)が『星男祭2015』に出たとき、瑞生くんに挨拶したら、うなづくだけで何も言ってくれなくて……。そこで怖いって印象が付いちゃったんです。

板垣:人見知りだから……俺。そのころは、ジャン(SUPER★DRAGON)と太智としかしゃべれなかったんだよ。

吉田:冗談だったとしても、先輩に怒られたら怖いよなぁ。

塩崎:当たり前だよ。俺も先輩から「挨拶ないぞ」って強面で言われたら、泣く(笑)。でも、そういうの僕らもあったよね。

――ちなみに、どの先輩が怖かった?

佐野:いやいや、それは言えないですよ! きっとみんな先輩になってこういう話が出るから、だんだん優しくなっていくんですよね(笑)。

吉田:でも、先輩に教えてもらうことって多いんですよ。僕も超特急のリョウガくんに「挨拶のときは、帽子取ってね」って優しく言われて、礼儀に気付いたりしたし。入ったばかりの時期ってまだ子どもだから、そういうのは本当にありがたいし、俺も教えられるようにならなきゃって思った。先輩後輩ってそういうものだよね。

今のM!LKのM!LKらしさとは


「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

――「ERA」は、M!LKの歴史を振り返る曲でもあり、同世代への応援歌、メッセージソングという側面もありますが、ファンの皆さんが共感してくれる部分って、どこだと思いますか?

吉田:サビの「もう子供じゃない、でも大人じゃない」ってところかなー。自立心の芽生えと、自分の身体の成長と比例しない心の成長……、中高生はそういうところに板挟みになると思うから。

山中:その後に報われたような、最後に笑っているようなところがあるんだけど、そこが物語っているというか。「一緒に頑張っていこう!」って、手を差し伸べる歌になっていたらいいな。

曽野:歌詞にある「最後 笑ってたいよな」の、「よな」がいいよね。

山中:俺らがみんなに向かって言う側になっているのがいいんですよ。

――皆さんが大人になったからこそ言える「よな」ですね。M!LKのみんなが思う、カッコいい大人って?

佐野:自分のミスをちゃんと謝れる人かな。大人だって人間だから、ぜったいにミスは犯す。そこは、ちゃんと謝れないと。

塩崎:僕は余裕がある人がいいです。切羽詰まってる人って、一緒にいるこっちも苦しくなるじゃないですか。

板垣:俺も余裕があるに似てるけど、ユーモアのある人。30代の先輩の役者さんで「オレ、最近、本読んでるんだよね」って言うから、どんなスゴイ本かと思ったら猫耳の女の子の本で(笑)。すごく繊細な芝居をする人が、若い子が好きなものに興味を持って、偉ぶらないって、フラットでカッコいいと思った。僕もそういう人になりたいな。

山中:わかるなぁ。何歳になっても自分が好きなことをしている人は、カッコいい。音楽もだけど、おじさんになってもかっけー服着てる人とか、いいよね。

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

――7人になって1年半が過ぎました。今のM!LKのM!LKらしさとは何でしょう。

曽野:“7つの武器”ってところかな。こういう俺の言葉が、いろいろなヒントになるんですよ(笑)。

山中:2月に出したアルバム『Time Capsule』のコンセプトを決めたのも舜太だったから、次の作品のコンセプトは、7つの武器かも(笑)。

――最後に、個人のこともうかがいますね。2019年にやり残したことや、2020年にやりたいことを教えてください。

板垣:お芝居、もっとしたい! シリアスな、人間そのものを表現するお芝居がしたいんです。今年だと、『ホットギミック ガールミーツボーイ』は、刺激的だったなぁ。12月に公開される映画『ゴーストマスター』も楽しかった。こういうコメディも好き!

宮世:2020年は、上手く飛び立てるようになりたいですね。今まで舞台挨拶に行っても、M!LKのメンバーに頼りっぱなしで上手く自分の言葉で話せなかったから。自分で何でも考えて、できるようにならないと!

山中:今年はいろいろなことがあったから、長く感じました。でも、意外と悔いのない1年だったかな。ギターや、音楽制作をやりたかったのにできなかったから、ちょっとずつ始められれば。M!LKのキーって僕には高いので、自分のキーに合った、気持ちよく歌える曲を作ってみたいですね。

塩崎:12月は、クリスマスを楽しみたいですね。そして来年は、ドイツか、パリにひとり旅したい。今年、ハワイにひとり旅に行って、リフレッシュしたので。あ、ディズニーが大好きなので、ウォルトディズニーワールドにも行きたい。行きたいところがいっぱいあるので、まだまだ死ねないです(笑)。

吉田:12月で二十歳になるんです。それで今年、月イチでひとり旅を始めたんです。あとは、19歳のうちに車の免許を取っておきたい。20歳から、ガンガン飛ばして行きたいんで! 実は、映画『シグナル100』で共演した橋本環奈さんおススメの「19歳のうちにやっておくべきこと」がひとり旅で、小関裕太さんが運転免許の取得だったんです。それをまんま飲み込みました(笑)。

佐野:やり残したことはないです。やりきった! 2019年の目標に掲げた「海外に行きたい」は、2ヶ国行けたし、「オフを充実させたい」は、仁人と素潜りに行ったりアスレチックに行ったりした。「挑戦したい」は、新しい舞台ができたし、M!LKも頑張ったから。プライベートでは引っ越ししたいですね~。駅近、オートロック、大きなクローゼット、24時間ゴミ出し可。あとは宅配BOXアリが必須条件です(笑)。

曽野:まず、友だちと遊園地に行く。土日は東京にいるので、地元で遊ぶ時間がなかなかないので。次に、サッカーをする。そして、英語検定を取る。英語で自由に会話ができたら、自分の世界も変わるんじゃないかと思っているんです。毎日コツコツ勉強してますよ!

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

「僕たち、M!LKに青春注いでいるので!」 ばく進するアイドル道の先にあるもの

――2020年のM!LKは、どうなるんでしょうね。

佐野:「バコーン」って行こうと思ってますよ。どういう形かわからないけど、世の中にM!LKを知ってもらえる何かを起こそう……いや、起こせるんじゃないかな。

吉田:いっぱいトライして、いっぱい失敗して、肥やしにしたいですね。2020年は日本にとっても特別な年だから、そこで種でも植えられたら。とりあえず2020年は、「デカいところでやります!」って言いたいです。

【フォトギャラリー】M!LK『ERA』撮り下ろし写真<計24点>



リリース情報


10th Single
『ERA』
2019.11.06リリース

【TYPE-A】
ZXRC-1216 / ¥1,100(税込)
>>購入する
[収録曲]
1. ERA
2. 嫌い

【TYPE-B】
ZXRC-1217 / ¥1,100(税込)
>>購入する
[収録曲]
1. ERA
2. パッパラ・シュビドゥ・ヴァァァァァァァ

【TYPE-C】
ZXRC-1218 / ¥1,100(税込)
>>購入する
[収録曲]
1. ERA
2. SAY YEAH

ツアー情報


【変幻自在、ズバッとM!LK】
2019年12月11日(水)愛知・Electric Lady Land
2019年12月13日(金)宮城・仙台Darwin
2019年12月24日(火)福岡・BEAT STATION
2019年12月25日(水)北海道・札幌cube garden
2019年12月27日(金)大阪・バナナホール
2019年12月28日(土)東京・渋谷ストリームホール ※2回公演

【M!LK SPRING LIVE TOUR 2020】
2020年4月5日(日)北海道・Zepp Sapporo
2020年4月11日(土)大阪・Zepp Namba
2020年4月12日(日)愛知・Zepp Nagoya
2020年4月19日(日)福岡・Zepp Fukuoka
2020年4月25日(土)宮城・SENDAI GIGS
2020年5月5日(火・祝)東京・Zepp Tokyo
2020年5月6日(水・祝)東京・Zepp Tokyo

Profile
M!LK(ミルク)

2014年11月結成。スターダストプロモーションに所属する板垣瑞生、佐野勇斗、塩崎太智、曽野舜太、宮世琉弥、山中柔太朗、吉田仁人 からなる7人組ボーカルダンスユニット。いろいろなものに混ざりやすく、様々な形状に変化することのできる“変幻自在”のユニットを目指し活動中。

2015年3月に『コーヒーが飲めません』でCDデビュー。シングル8作品連続オリコンランキングTOP5入り、7人体制初となるシングル『Over The Storm』は自身最高のオリコンウィークリーランキング2位トータルセールス10万枚を超え、2ndアルバム『Time Capsule』はオリコンデイリーチャート2位を記録した。


関連サイト
M!LK オフィシャルサイト