嵐の歌詞は何を信じ、どこへ向かうのか 「5×10」「Love so sweet」など368曲を調査
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11月3日にデビュー20周年を迎えた人気アイドルグループ「嵐」が、同日にTwitterやインスタグラムなどのSNSを一斉に開始した。併せて楽曲のストリーミング配信も解禁され、これまで以上に嵐を身近に感じ、さらにファンの方は急に毎日が忙しくなった方も多いのではないだろうか。


先日には国民祭典で奉祝曲を演じ、名実ともに国民的アイドルとなっている彼らだが、幅広い世代に人気なだけあって、その歌詞も誰しもが共感できるものも多い。

詳しく歌詞を見てみると「君」「僕」「夢」といった単語が多いが、特に嵐の歌詞に多いのは「信じる」「○○の向こう」「明日」といったワードなのではないかと感じる。

というわけで、今回のテーマは「嵐の歌詞はどれくらい何を信じ、どこに向かい、明日何をしているのか」で分析・考察をしていきたい。

嵐、どれくらい何を信じているのか?


まず「嵐がどれくらい何を信じているのか」から見てみよう。

今回は歌詞が公開されている楽曲全368曲のうち、何%の楽曲に「信じる」という単語が使われているかを調査した。同時に「信じる」というワードが入っている曲だった場合「何を信じているのか」を調べてみたのが以下である。
嵐の歌詞は何を信じ、どこへ向かうのか 「5×10」「Love so sweet」など368曲を調査
【嵐の歌詞あるある】嵐、何をどれくらい信じているのか?(C)エキサイト

<どのくらい信じているのか>
信じる曲:5.7%
非信じる曲:94.3%

<何を信じているのか>
「5×10」→道
「Carry on」→見上げ続けてる自分
「Lai-Lai-Lai」→場所
「Lotus」→世界
「Love so sweet」→思い届く
「RIGHT BACK TO YOU」→君
「Sync」→my word
「Your Eyes」→強さ
「ハダシの未来」→誰か
「君のために僕がいる」→誰か
「素晴らしき世界」→友
「途中下車」→勇気
「僕が僕のすべて」→自分のこと
「迷宮ラブソング」→もの
「優しくって少しバカ」→モノ

嵐が何かを信じている割合は約5.7%だった。予想に反し、警戒心の強い結果となっている。

「具体的に何を信じているのか?」という点については、最も多かったのは「誰か」というやや含みのある結果に。曲としては「ハダシの未来」「君のために僕がいる」の2曲が該当し、いずれも前向きな気持ちを歌った応援ソングとなっていた。

そのほか、珍しいものとしては「見上げ続けてる自分」を信じる「Carry on」、「my word」を信じる「Sync」などが挙げられ、人だけでなく無形のものから概念まで、多種多様なものに対して信じる心を持っている。

嵐、どれくらい向こうについて歌っているのか?


では、続いて「○○の向こう」について歌っている曲を見てみよう。

こちらも、いずれも「向こう」「向こう側」について歌っている楽曲と、それぞれの曲について「何の向こう側なのか?」を調べてみたのが以下である。
嵐の歌詞は何を信じ、どこへ向かうのか 「5×10」「Love so sweet」など368曲を調査
【嵐の歌詞あるある】嵐、どれくらい向こうについて歌っているのか?(C)エキサイト

<どのくらい向こうについて歌っているのか>
向こうについて歌っている曲:13.0%
向こうについて歌っていない曲:87.0%

<主に何の向こうについて歌っているのか>
空の向こう:3曲
ドア・扉の向こう:3曲
闇の向こう:2曲
笑顔の向こう:2曲
今日の向こう:2曲
虹の向こう:2曲

向こう側について歌っている曲は全体の13.0%。
先程の「信じる」に比べると、向こう側への興味の方が勝っているといえそうだ。

「主に何の向こう側について歌っているのか?」を見てみると、最も多かったのは「空の向こう」という結果に。具体的には、空の向こうを越えようとする「Believe」、ありがとうを空の向こうへ届ける「超2ありがとう」、空の向こうに果てない荒野が見える「まだ見ぬ世界へ」などが該当し、空の向こうへの様々な想い・考えが明らかとなっている。

「空の向こう」と並んで多かったのが「ドア・扉の向こう」だ。空に比べるとやや生活感のある歌詞だが、こちらはこのドアの向こうに気になる人がいる「夢でいいから」、真心繋がって扉を開こうとする「Doors ~勇気の軌跡~」などが該当した。

また、ドアの向こう側に何かを見たものの何を見たのが明言されていない「途中下車」などもあり「ドアの向こう」に思いを馳せている曲は「空の向こう」に思いを馳せている曲よりもやや複雑な心境を歌ったものが多いと言えそうである。

嵐、どれくらい明日について歌っているのか


次に頻出ワード「明日」について見ていこう。

こちらは「明日」について歌っている曲の割合と、それぞれの曲の明日についての考え方・スタンスを分類して調査した。
嵐の歌詞は何を信じ、どこへ向かうのか 「5×10」「Love so sweet」など368曲を調査
【嵐の歌詞あるある】嵐、どれくらい明日について歌っているのか?(C)エキサイト

<どのくらい明日について歌っているのか>
明日について歌っている曲:36.1%
明日について歌っていない曲:63.9%

<明日についてどういうスタンスなのか>
21.8%:計画・決意(明日やることや予定が明示されている)
51.1%:推進・応援(明日やることは曖昧だが明日に向かって進んだり走り出したりしている)
27.1%:傍観・達観(明日が来るのをただ待ちわびたり見つめたりしている、もしくはスタンスが不明瞭)

明日について歌った曲は、全体の3分の1を超える36.1%。今回調査した中ではぶっちぎりに多い数値であり、かなり明日について歌っているアイドルだといえる。

それぞれの楽曲の「明日へのスタンス」を見ていくと、もっと多いのは「予定は決まっていないものの明日に向かって進んだり走り出したりする」曲で、具体的な動作としては、明日の僕をむかえにいく「むかえに行くよ」、明日へあるき出す「旅立ちの朝」、明日に向かって吠える「明日に向かって吠えろ」などが当てはまる。

なお、逆に明日に対してかなり後ろ向きな曲としては、どれだけ逃げても明日は知らん顔でやってくる「ワイルド・アット・ハート」、かたちのない明日ばかり夢見るより確かな今を見たい「うたかた」などが挙げられ、嵐の曲の中では珍しく明日に対してネガティブな思いを歌った曲だと言えそうである。

嵐、明日は何をしているのか?


最後に「明日は具体的に何をしているのか」を見てみよう。


先程の分類の中で21.8%に該当した「明日やることや予定が明示されている曲(計画・決意型)」の曲について、一体どんな明日の予定があるのかを一覧表にしたのが以下である。
嵐の歌詞は何を信じ、どこへ向かうのか 「5×10」「Love so sweet」など368曲を調査
【嵐の歌詞あるある】嵐、明日は何をしているのか?(C)エキサイト

「1992*4##111」言える気がするんだ。恥ずかしがらず、素直に…。
「5×20」cruising
「Believe」この夢ずっと追いかける
「BRAVE」この身ひとつ プライド纏(まと)え
「Do my best」ゆずれない思いだけ 胸に刻んで また会える
「FUNKY」終わらないでこのまま踊ろうよ
「Love Rainbow」君といたい
「morning light」どんな長い未知も越え 辿り着ける
「movin' on」色に染めよう
「NA!NA!NA!」君とサヨナラ
「On Sunday」月よう
「Re(mark)able」最高のステージ
「Sakura」何かを探し続けて 何度だって脱ぎ捨てる
「Song for you」溢れる七色の涙で埋め尽くす
「Take Off!!!!!」彼方へ発つ Holla!
「WAVE」違う街へ
「キャラメル・ソング」君の旅立ちの日
「このままもっと」これからもっと 輝く
「スーパーフレッシュ」もっとCoolにGoing on 望んだとおりJust, フューチャーカム
「ただいま」君とずっと また新しい朝まで 駆け抜けよう
「チェックのマフラー」笑顔でも泪でも かまわないから届けたい
「テ・アゲロ」街ですれちがっても 気付かないくらい セクシーに
「はなさない!」高級なシュンカンが欲しくなる
「もっと、いまより」もっと思うまま 変わり続けていたいから それぞれの明日へ 今より輝いてる姿で
「五里霧中」オモイキリ We get wae get the chance
「星のFreeWay」ずっと 走ってく
「台風ジェネレーション Typhoon Generation」上りの電車に乗るんだね
「冬のニオイ」会いたいなんてさ 言えるわけないよ
「揺らせ、今を」きっと雨上がって 太陽待っている

こうして一覧で見ると多種多様な明日の予定が並んでいるが、なかでも具体的な明日の予定について歌っているのは「5×20」と「On Sundays」の2曲だろう。

「5×20」の歌詞を聴くとクルージングに出かけるのは「君」であって嵐ではないことがわかるが、場所・行動ともにかなり予定がハッキリさせられている1曲であることは間違いない。

「On Sundays」は、その名の通りささやかな日々や休日について歌った1曲であり「無意識のプレッシャーに慣れながらつかの間やすらぐ On Sunday」という歌詞から、明日の月曜日だけでなく日曜日である今日の予定も明示されている、非常に明瞭な1曲である。

語感として非常に勢いがあるのが明日は「もっとCoolにGoing on 望んだとおりJust, フューチャーカム」する予定の「スーパーフレッシュ」と、明日は明日で「オモイキリ We get wae get the chance」する予定の「五里霧中」。抽象的な予定であるが、勢いとともに元気が出てくるフレーズので、いつか明日の予定として言ってみたい嵐の歌詞のひとつである。

アイドルグループとして、類を見ないほど絶大な人気を誇る嵐。惜しくも2020年末を目途に活動休止に入ることが決まっているが、引き続き無理のない範囲で、ファンだけでなく日本中をこれからも楽しませて欲しいと思う。

■まいしろ
社会の荒波から逃げ回ってる意識低めのエンタメ系マーケターです。音楽の分析記事・エンタメ業界のことをよく書きます。


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