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『おちょやん』2週間描かれる千代の子供時代 子役豊作の近年、神回誕生に期待


字が読めないわりには、弁が立つし、地頭がいいのだろう。でもせっかく「お腹減った」ばかり言っている弟のためにもらってきたおはぎを、栗子に食べられてしまう。無念……。

2週間の子供時代はどうなるか

たくましくて、頭がキレて、なんでもうまくいく……わけではなく、たくましさや頭のキレをもちながら、そのポテンシャルをまだ生かしきれず、いろいろうまくいかない。2話で千代は2回も転んでいた。鶏小屋で1回、道端(ここは映さず声のみ)で1回。転んでも転んでもへこたれず、立ち上がっていく姿が好ましく映る。七転び八起き。

1話の前口上にもあったように、これから「2週間」は主人公・千代の子供時代が描かれる。

朝ドラで子供時代は本番前みたいなもので、それがたまに意外に跳ねるときもあるし、退屈なまま過ぎていくこともある。『おちょやん』はどうだろう。まだ様子見という印象だ。

『おちょやん』2週間描かれる千代の子供時代 子役豊作の近年、神回誕生に期待
写真提供/NHK

1話の視聴率は、18.8%(関東地区 ビデオリサーチ調べ)で、ちょっとおとなしい。

もしこれを読んでいる朝ドラビギナーの方がいるとしたら、子供時代で脱落しないで、と助言する。最近は、子役豊作の時代で、子供時代に神回があるということも多々ある(例:『半分、青い。』『なつぞら』『スカーレット』『エール』など)。

仕掛けのディテールはしっかりしている。栗子が三味線弾きであることは、千代がのちに進んでいく大衆芸能の道を思わせる。三味の音色が千代のゆく道を暗示しているように聞こえた。

千代が食事の支度をテキパキするところや、暗く貧しい家のなか、登場人物の顔には明るい照明を当てるなどして、画面が暗くて見づらいことがないように工夫していることは、好感度高い。また、鶏が鳴くとき、白い息を吐いているのも画的に面白い。

なんといっても、おはぎのあんこの処理。最近、食べ物の跡を口元につける画をよくドラマで見る。たいてい、無垢な可愛さ、あどけなさを表す記号として用いられることがいささか疑問だったが、今回、栗子がおはぎをこっそり食べたことが口元のあんこでわかる描写は、ベタながら、憎らしく、胸のすく思いがした。白いクリームは善意、黒いあんこは悪意の印か。いずれにしても口元にクリームのベタな無垢さはもうお腹いっぱい。

【第1週あらすじ】貧しい農家に生まれた千代 父が連れて来た新しい母親は何もしない人で…
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Writer

木俣冬


取材、インタビュー、評論を中心に活動。ノベライズも手がける。主な著書『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズルポルタージュ』、構成した本『蜷川幸雄 身体的物語論』『庵野秀明のフタリシバイ』、インタビュー担当した『斎藤工 写真集JORNEY』など。ヤフーニュース個人オーサー。

関連サイト
@kamitonami

■杉咲花(竹井千代役)プロフィール・出演作品・ニュース
■成田 凌(天海一平役)プロフィール・出演作品・ニュース
■トータス松本(竹井テルヲ役)プロフィール・出演作品・ニュース
■宮澤エマ(竹井栗子役)プロフィール・出演作品・ニュース
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番組情報

連続テレビ小説『おちょやん

【放送予定】
2020年11月30日(月)~

<毎週月曜~土曜>
●総合 午前8時~8時15分
●BSプレミアム・BS4K 午前7時30分~7時45分
●総合 午後0時45分~1時0分(再放送)
※土曜は一週間の振り返り

<毎週月曜~金曜>
●BSプレミアム・BS4K 午後11時~11時15分(再放送)

<毎週土曜>
●BSプレミアム・BS4K 午前9時45分~11時(再放送)
※(月)~(金)を一挙放送

<毎週日曜>
●総合 午前11時~11時15分
●BS4K 午前8時45分~9時00分
※土曜の再放送

:八津弘幸
演出:梛川善郎
音楽:サキタハヂメ
主演: 杉咲花
語り・黒衣: 桂 吉弥

主題歌:秦 基博「泣き笑いのエピソード」

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おちょやん

おちょやん

NHK「連続テレビ小説」第103作目の作品。女優の道にすべてを懸ける杉咲花演じるヒロインが、喜劇界のプリンスと結婚。昭和の激動の時代に、大家族のような劇団生活を経て、自分らしい生き方と居場所を見つけていく。2020年11月30日~放送中。

2020年12月1日のレビュー記事

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