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『ドラゴン桜』読解力の大切さ説く6話 本ドラマがよく観られているのはよくできた要約文のようだから?

『ドラゴン桜』読解力の大切さ説く6話 本ドラマがよく観られているのはよくできた要約文のようだから?
(C)TBS

「国語とは科学だ」

2日め。桜木は、本番で結果を出すために試験日をルーティーン化することを伝授。それから、なんだかネガティブな太宰府治先生の国語の授業。「国語とは科学だ。優れた文章とは建築学に則って作ってある」と岡本太郎のような顔で太宰府先生は文章の構造を力説する。「つまり」の同等関係、「それに対して」の対比関係、「なぜなら」の因果関係でできている。物事を言い換えることは、ほかの教科にも有効である。

「つまり」「例えば」「要するに」「いわば」「すなわち」「言い換えれば」を使う技術を伸ばしていく専科の生徒たち。『走れメロス』を題材に要約を学んだ結果、導き出された「友を信じて待て」。「友」という言葉に健太が「麻里ちゃん」と反応する。父親に東大に行かせるつもりはないので退学させると連れ帰られてしまった小杉麻里を思う東大専科の面々。勉強は今のところさほどできない彼らだが、友情には厚い。

『ドラゴン桜』読解力の大切さ説く6話 本ドラマがよく観られているのはよくできた要約文のようだから?
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小杉の父は、女性は学歴が必要なく結婚するのがいちばんの幸せだと一方的な考えを押し付け、DVまでする。かつて経験した辛い出来事が父をそうさせたことを知っている小杉は、もっと勉強したい意思を貫くことを躊躇してしまう。

そんな迷う彼女に東大専科の面々は「なぜなら」「例えば」「つまり」「そして」「だからこそ」を使った要約文で、彼女がいかに東大に行くべき才能を持っているか訴える。“要する”に「小杉麻里こそ集中力がある人が集まっている東大に行くべきだ」ということを5人が作文化。それを聞いて「いい文章かどうかはわからないけど……みんなが言いたいことは伝わった」と小杉は感謝する。

『ドラゴン桜』読解力の大切さ説く6話 本ドラマがよく観られているのはよくできた要約文のようだから?
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『ドラゴン桜』の第6話を要約すると?

読解力の大切さは東大受験に限らない。SNSの急速な広がりによって誰もが文章を読んだり書いたりする機会が増えた。読んだり書いたりしたものが多くの人たちに読まれジャッジされるようになったことで、文章力や読解力の差があからさまになり、それが分断を生んでいく。読解力のない人が文意を勘違いしたり理解できないことで感情を害したりすることが増えた。もちろん誰もがわかる文章表現に気遣うことは大切だけれど、そのため独自の表現を避けるようになることは残念でもある。

『ドラゴン桜』の影響で読解力を身につけようとする人が増えたり、実際、基本構造に則って読みやすい文章を書く人が増えたりしたら喜ばしい。反面、生徒たちが書いた要約文のような表現ばかりになることを恐れる。現に、SNSで拡散され、読まれる文章はこの手の文章だからである。「要するに」のあとに当たる言いたいことがシンプルなのはいいとして、言い換えの部分すら誰もがわかる個性を排除したものがよく読まれていることがある。

『ドラゴン桜』読解力の大切さ説く6話 本ドラマがよく観られているのはよくできた要約文のようだから?
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例えば『ドラゴン桜』の第6話。これを要約すると、優秀な小杉麻里が進学しようとしない理由は、父の反対によるものだった。なぜ父が反対するかというと、過去、会社の事業がうまくいかなくなったことからコンプレックスを抱え、娘が自分を超えていくことを恐れたから。

それまでは優しかった父親のことを忘れられない麻里は父に反抗できない。桜木が父子の心に秘めた思いを暴いたことと生徒たちの要約文で事態は好転する。父娘の葛藤の解決がめっちゃあっさりしている。ドラマの内容がまるでよくできた要約文のようなのである。

『ドラゴン桜』読解力の大切さ説く6話 本ドラマがよく観られているのはよくできた要約文のようだから?
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低偏差値で落ちこぼれの生徒たちをたった半年で東大に合格させた弁護士・桜木建二が、前作より16年の時を経て、令和の時代に帰ってきた。主演は前作同様、阿部寛。教え子役だった長澤まさみが弁護士役を演じる。TBSにて、2021年4月25日〜放送中。

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