豊川悦司・武田真治主演『NIGHT HEAD』がアニメ化「ただのリブートでもリメイクでもない」

豊川悦司・武田真治主演『NIGHT HEAD』がアニメ化「ただのリブートでもリメイクでもない」

深夜のフジテレビに伝説のSFドラマ『NIGHT HEAD』がアニメになって帰ってくる!

1992年に全21話のテレビドラマとして放送されると、平日深夜の放送にもかかわらずカルト的人気を集め、1994年には完結編となる劇場版も公開された伝説のSFドラマ『NIGHT HEAD』がテレビアニメとして復活。テレビドラマ版で原作・監督・脚本を務めた飯田譲治の脚本によるオリジナルテレビアニメ『NIGHT HEAD 2041』が7月14日(水)から放送される。

【インタビュー後編】飯田譲治原作のアニメ『NIGHT HEAD 2041』「自分で選択することを考えるきっかけに」

テレビドラマ版で主人公だった直人&直也の霧原兄弟に加え、本作では、超能力者の霧原兄弟を追う、もう一組の兄弟・黒木タクヤと黒木ユウヤが登場。超能力など超常現象の存在が完全否定され、それらを信じるものは思想犯罪者として取り締まられる2041年の東京を舞台に、二組の兄弟を中心にした新たな物語が展開していく。

エキレビ!では、『NIGHT HEAD 2041』の放送開始を前に、シリーズの産みの親である飯田譲治にインタビュー。この前編では、新たな『NIGHT HEAD』誕生の経緯などを語ってもらった。

豊川悦司・武田真治主演『NIGHT HEAD』がアニメ化「ただのリブートでもリメイクでもない」

絶対に面白いものを書かなきゃと思った

──『NIGHT HEAD 2041』の放送開始が近づいてきた今の心境を教えてください。

飯田 ここまで長かったって感覚ですね。(企画・プロデュースの)スロウカーブのプロデューサーから「『NIGHT HEAD』をアニメにしたい」という話をもらったのは5年前ですから。その時には、まさか5年もかかるとは思ってなかったんですけど(笑)。こうやって、自分の書いたものがアニメになって動いて、声優さんが声をあてて、音楽が合わさって、アニメができあがってくると感慨深いですね。やっと放送が始まることにワクワクしています。

──放送開始を待つ感覚は、少しお客さん的な気持ちもあるのですか?

飯田 少しではなく、だいぶお客さん目線です(笑)。脚本を書き終わって、あとは「アニメのスタッフのみんなにおまかせ!」って感じだったから。最近、完成映像が3話まで上がってきたので観ましたが、いち観客として楽しめました。次の回はまだ来ないのかなって楽しみにしています(笑)。

──そういった感覚は、ドラマや映画の台本を書いたときと変わらないのでしょうか? それとも本作ならではの感覚ですか?

飯田 今回みたいに客観的な感覚になったのは初めてかもしれない。新鮮な気持ちですね。

──5年前、最初に『NIGHT HEAD』をアニメ化したいという企画が持ち込まれた時の心境を教えてください。

飯田 話を持って来てくれた人たちが『NIGHT HEAD』をオンタイムで観ていた人たちだったので、すごく嬉しかったですね。当時、10代や20代だった人たちが、40代前後になって、自分たちのやりたいものをやれる立場になったとき、「『NIGHT HEAD』のアニメを作れば、今の若い人にも絶対に楽しんでもらえる」と声をかけてくれたのだから、自分としては本当に幸せなことですよね。あの時、一生懸命やったことが無駄じゃなかったんだなという気持ちになったし、彼らの気持ちに応えるためにも、絶対に面白いものを書かなきゃと思いました。

昔の話を単純に未来に置き換えた話でもない

豊川悦司・武田真治主演『NIGHT HEAD』がアニメ化「ただのリブートでもリメイクでもない」

──最初の段階で、どのような形でアニメ化するのかというプランはプロデューサー側から提案があったのでしょうか? それとも、ゼロから一緒に考えていったのでしょうか?

飯田 最初は単に「『NIGHT HEAD』をアニメでやりたい」という提案でした。そこから一緒にディスカッションをして、どういう風にしたら今の若い世代に『NIGHT HEAD』が受け入れられるかを考えていきました。その中で、今のマーケットに対する考え方などを自分が学習させてもらった感じ。勉強になることがすごくたくさんありました。

──スタッフから学んだことも多かったのですね。

飯田 当たるアニメのノウハウみたいなものは、ひと通り教わりました。当時、彼らがやった最新の仕事が『PSYCHO-PASS サイコパス』(スロウカーブはプロモーションを担当)だったんです。

──テレビアニメが3シーズン作られ、劇場版も制作された大ヒットアニメですね。

飯田 実際に『PSYCHO-PASS サイコパス』のテレビ版と映画を観たら、とてもグレードが高かったし、彼らと一緒に作品を作ることができたら面白そうだなと思いました。だから「こうした方がいいんじゃないか」といった提案があったときは、「どうやったら、そのアイデアを自然に取り入れられるかな」と考えて、前向きに受け入れたつもりです。それに、『PSYCHO-PASS サイコパス』の話が人気を集めているのだったら、多少は複雑な話を書いても、今の視聴者には受け入れてもらえるだろうなとも思いました。

──企画始動からの5年間の中で、脚本を執筆していた期間はどのくらいだったのですか? 長期にわたって苦戦したポイントなどがあったのでしょうか。

飯田 当初は24話構成で作りたいと言っていて。2年くらい前に1回、24話で最後まで書き上げたんです。でも、けっきょく、12話構成でということになって、24話の脚本を12話にまとめました。自分の中では、その作業がいちばん苦しかったです。

──物語の途中までという形になったのですか?

飯田 「ファーストシーズン&セカンドシーズンという形にしようよ」と提案もしたのですが、「やっぱり完結しないと」という話になって。24話で描いていた物語を12話にまとめました。でも、そのおかげで、テンポは良くなった気がします。『NIGHT HEAD』をリブート(再起動)する企画だけど、昔の話を単純に未来に置き換えた話でもないし。(テレビドラマ版の主人公の)霧原直人と直也のキャラはそのまま引き継いでるけれど、新しいメインキャラクターも登場する。あとから考えたら、けっこう新しいことに挑戦していたのかなと思います。リブートと言ってきたけど、ただのリブートではないし、リメイクでもない。こういう作り方をなんて言えばいいんだろう? きっと、何か新しい言葉を作らなきゃダメですね。

友達に笑われたおかげで『NIGHT HEAD』が書けた

──企画を立ち上げたプロデューサー陣は『NIGHT HEAD』に強い思い入れを持っていたそうですが、飯田さんご自身の中で『NIGHT HEAD』とは、どのような意味を持つ作品なのでしょうか?

飯田 不思議な作品というか、作った自分自身が不思議な体験をした感じです。最初に(『NIGHT HEAD』の原点となった)『常識酒場』という短編を書いたきっかけはいくつかあって、いろいろなところで話しているんですけど。

──『常識酒場』は、オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』の中で1992年に放送された作品ですね。テレビドラマ版『NIGHT HEAD』第1話のベースにもなっています。

飯田 田舎に帰ったとき、何人かの友達と飲みに行ったら、超能力の話になって。僕が「誰かがここに空気があることを発見したから、僕らは自分たちの周りには空気があると思っているけど、もし誰も空気を発見してなかったら、空気があることなんてみんな知らないままでしょ。

たぶん超能力も同じことで。誰かが『超能力はある』と証明すれば、みんなの中でも『ある』って話になるけど、今はまだそうなってないだけ。だから、僕はあると思ってるよ」と話したら、友達の一人がすごい勢いで笑い出したんですよ。

しかも、超能力を信じてることが本当におかしくてしょうがないみたいな笑い方をされて。逆に僕にとっては、その反応が衝撃的だったし、「彼は今ここで誰かがスプーンを曲げて見せても、絶対に信じないだろうな」と思ったんです。そんな体験をしたあと、東京に帰ってきて、もう30分くらいで『常識酒場』を書きました。

──物語のスタートは、衝動的に生まれた作品だったのですね。

飯田 研究所から出てきた超能力者の兄弟が酒場に入ったら、超能力を信じない客がいて……みたいな話をバーッと書いたんですよ。だからその時には、その話が連ドラになるなんて思ってもいない。その後、『常識酒場』の続編として(『世にも奇妙な物語』の中で)『トラブルカフェ』という話を作ったときも連ドラにしようとは思ってなかったです。

でも、2本作った後、「これ面白いですね」という話になって、フジテレビのスタッフと連ドラの企画を練っていたんです。当時はゴールデンでやろうと思っていました。

豊川悦司・武田真治主演『NIGHT HEAD』がアニメ化「ただのリブートでもリメイクでもない」

──当時のフジテレビのゴールデンタイムのドラマといえば、トレンディドラマなどの恋愛ドラマが主流だったのでは?

飯田 だから、ゴールデンで超能力の話をやろうなんて無謀だったんだけど、「これは面白いからやれる!」って夢見がちに思っちゃってて(笑)。でも、けっきょく、深夜ドラマになりました。たとえ、深夜になっても、エポックメイキングなものにしたいと思って頑張ったけど、最終回が終わったあともしばらくは話題にはならなくて。落ち込んでいたら、放送から遅れて、少しずつ話題になっていたんです。

──私もリアルタイムでは観ていなかったのですが、放送後、「深夜に面白いSFドラマが放送されていた」と話題になっていったのを覚えています。

飯田 それより前にも面白い(深夜)ドラマはあったんだけど、あそこまで話題になったのは『NIGHT HEAD』が初めてだったと思います。そういえば、『NIGHT HEAD』の裏番組に、短いスカートの女の子とかが出て踊るような番組があったから、男性の視聴者はみんなそっちを観ていたんです(笑)。その番組の視聴率が5%ぐらいで、『NIGHT HEAD』は1〜2%ぐらいでした。

──運が悪かったんですね(笑)。

飯田 「裏でこんな番組をやってるから誰も観ないよ……」って思ってたんだけど、女性の方々はけっこう『NIGHT HEAD』を観てくれていて、話題にしてくれたんです。

──主演の二人、豊川悦司さんと武田真治さんは『NIGHT HEAD』をきっかけにイケメン俳優としてブレイクしました。

飯田 ダンス番組からチャンネルを変えたら、カッコいい二人の男が出ているドラマをやってて……みたいな感じだったのかな。嫌だと思ったことが結果的に良いことにつながったりするから、世の中は面白いですよね。さっき話した友達とは今でも付き合いがあって。いまだに会うと「お前に笑われたおかげで『NIGHT HEAD』が書けたよ」って話をしています(笑)。
(丸本大輔)

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