KinKi Kids、25周年イヤーを力強くスタート 6年ぶり東京ドームで元旦コンサート開催

KinKi Kidsにとって、2022年はCDデビュー25周年イヤー。“そのスタートはファンの皆さんとともに踏み出したい”――そんな想いを込めて、じつに6年(*)ぶりとなる元日の東京ドーム公演が開催された。


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2022年最初の単独アーティストの東京ドームコンサートでもある今回。デビュー翌年の1998年より東京ドームでコンサートを行なってきたKinKi Kidsにとっては、東京ドーム公演“24回目”の開催となり、通算公演回数は“59回”(**)を数え、自身の持つ“単独アーティストによる東京ドーム最多公演数”の記録を更新。

そんな記念すべきコンサートの開演を待ちわびる拍手が沸き起こる場内で、ステージにはピンスポットを浴びるグランドピアノ…そしてふたりが登場。ピアノの旋律にのせてふたりが紡ぐ1曲目は、新年、そしてKinKi Kidsの記念すべき1年の幕開けにふさわしい「新しい時代」。透明な美しさをたたえたナンバーに、ふたりのハーモニーがやさしく広がっていく。

曲のあとには、堂本光一が「さて、“新しい時代”がはじまりました! あらためまして、KinKi Kidsです! こうして急遽決まった我々のコンサートですが、こんなに集まってくださってありがとうございます!」と感謝を告げ、堂本剛も「ありがとうございます!」と声を揃えた。
勝手知ったるドームということで、「ま、座れば?」と促す剛に、光一も「君の家か(笑)」とツッコむふたりらしいやりとりから、着席スタイルでの挨拶MCへ。

というのも、今回の公演は着席・歓声なしというファンの皆さんのご協力のもと、実現が可能に。まだまだ油断ならない状況のなか、安全に公演が行える形を模索しながら、それが実施できるのはファンの皆さんのお陰だと声を揃えるふたり。

また、急遽実施決定となった公演ということで、光一が「ピアノ1本です!」というコンサートスタイルに、剛も「贅沢な使い方じゃないですか?」とうなずき語りあう一幕も。

「だからほぼリハーサルをしていない。案の定、私ハモらなくていいところハモにいってしまいました(笑)」という光一の告白に、剛が「あれ、あそこハモっていいんじゃない?」と返すやりとりも。
ここはもうピアノ演奏を担当される園田(涼)さん頼りと話し“アレンジがやりたいときは自由にやって”“アレンジやりなおしたい時はいつでも止めてもらってよいので!”など話しながら新年の挨拶を終えると、続けて「to Heart」「スワンソング」をゆったりとしたピアノバージョンで切々と歌い上げた。

再びMCに入ると、先日開催されたばかりの『ジャニーズフェスティバル』『ジャニーズカウントダウンコンサート』の話題で盛り上がりつつ、続いてのナンバー「雪白の月」を青いレーザーライトが無数に場内を照らすなかで披露。ピアノの旋律のみというステージがより、ふたりの歌声を際立たせる。歌い終わると、「この状況になることを想定して作られたわけではないけれど」(光一)、「別れの曲…ラブソングなのだけど、好きな人ほど近づけないというのが」(剛)と、現代の状況に通じる部分があると語りあう場面も。

KinKi Kids、25周年イヤーを力強くスタート 6年ぶり東京ドームで元旦コンサート開催

そして、年末に後輩たちと多く接するなか、ふたりの初合作曲である「愛のかたまり」が広く愛されていると実感したという話題から、自分たちの中で「愛のかたまり」の流れを汲んで作ったという「銀色 暗号」を続けて披露することに。

…しかし、なぜか園田さんが「お正月」の旋律を奏で始め…? どうやら、冒頭のトークどおり自由なアレンジでということで「銀色 暗号」に繋げて入ろうとするもうまくハマらなかったそうで一度ストップ。
この流れには光一も剛も大笑い!

そこで、一度場内の空気を変えるため、剛から「銀色 暗号」を読み解く講座へ。この曲の詩は“プロポーズしてからの数時間”が題材で、“夜通し降る雪のつくる朝方の銀世界、この情景を記念にしよう”…というようなイメージして当時作ったのだと明かした。

気を取り直して再び「銀色 暗号」を、雪玉のようなライトが染めるステージで披露。歌い終わるや、「いい歌詩やな!」(剛)、「いい曲やな(笑)。…自分たちで褒めとる(笑)」(光一)と笑い合うふたり。冒頭のピアノアレンジが打って変わってドラマティカルなメロディになっていたことを園田さんに指摘しつつ、逆に「お正月」アレンジをやりきったらどうなるか?と、再チャレンジしてみることに。
すると、旋律が美しく溶け合うなかで光一と剛がキリっと歌い上げるも、ときおり顔をのぞかせる童謡フレーズに、場内にはどよめきと手拍子が広がっていた。

歌い終えると、「やはりこのアレンジはないな(笑)」と言い合いつつも、「リラックスできて、力が抜けてサビのユニゾン具合がよかった(笑)」(光一)と盛り上がっていたのだった。

様々な曲を披露してきたなか、“作られる曲は時代の影響を受ける”という話から、「この曲もライブで何回も歌っているけど、印象が毎回変わる」(剛)、「あと、ライブで出だしをよく間違う印象が」(光一)、「ライブあるあるやな。ファンの方に『ありがとう~』ってやると(手を振ると)歌いだしを忘れる(笑)」(剛)と話していたふたり。こうして“皆様の前で披露すると気持ちよくなってしまう曲”という「もう君以外愛せない」へ。温かいオレンジのライトに照らされながら、光一と剛の力強く伸びやかな歌声が場内を包み込んだ。




また、MCでは、この日発表されたばかりとなる、CDデビュー25周年記念『#キンキ25円でCM出演』企画実施についての話題も。その名の通り、KinKi Kidsが25円でCMに出演するというもので、またこの企画のために、現在光一と剛が合作で楽曲を制作中というビックニュースが!

「久しぶりに合作を。しかもいままでにあまりない形で。歌詩も曲もふたりでできたら」と光一。剛は、「今までCMなんて作れないと思っていた方も、これを機会に!」と語り、ふたりは25周年続けて来られた感謝の想いを込め、“いろんな方にお礼も恩返しもしたい”と語っていたのだった。

また、25周年企画はまだまだ考案中ということで、「みんなで一緒に楽しい時間にできたら。
いろんな企画を考えながら」(剛)、「そのほかにもいろいろ考えているので。楽しみにしていただけたら。ひとつひとつ、できる限り、我々も形にしていきたいと思っているので!」(光一)とコメント。嬉しいふたりの言葉に、場内にはお客様からの大きな拍手が沸き起こった。

また、元日のMCといえば、恒例の光一のバースデーを祝うコーナーも。剛の「ケーキ持ってきてくれへん?」という呼びかけで、花束とケーキをステージに運び入れたのは…なんと、吉田建と堂島孝平。長年バンドマスターとしてふたりを支えている吉田に、楽曲プロデュースやバンド参加もしている堂島がサプライズでお祝いに。誕生日の赤い花束を受け取る光一に、25周年記念として青い花束を受け取る剛。光一のバースデーを祝いながら、ケーキを囲んで記念撮影を楽しむ一幕に。

遅ればせながら、ここで「まだこれ言ってなかった!」(光一)と、 ふたりは改めて「あけましておめでとうございます!」と新年の挨拶。そのまま定番ナンバー「Happy Happy Greeting」を、ファンの拍手&サビの手振りを受け取りながら歌いあげた。

和気あいあいとしたMCコーナーからガラリと雰囲気を変えると、スクリーンには荘厳なステンドグラスをたたえた映像が。ステージがチャペル内のような雰囲気になるなか、光一と剛は「愛のかたまり」を、ドラマティカルなピアノの旋律に乗せて情感たっぷりに披露した。

歌い終えると感慨深そうに「『愛のかたまり』もいろんなアレンジをやってきましたが。ピアノのみという…こんなアレンジはもうないかもしれない貴重な経験ですね」と光一。そして「もっとやってくれ、という声も多いかもしれませんが、今年はいろいろやれればと思っていますので!」と語り、記念イヤーを充実させることを約束した。

KinKi Kids、25周年イヤーを力強くスタート 6年ぶり東京ドームで元旦コンサート開催

次は「Family 〜ひとつになること」を歌い上げると、「薄荷キャンディー」の旋律に乗せてデビュー当時からのKinKi Kidsの映像や写真が次々と巨大スクリーンに。25年の軌跡から、現在のふたりの姿になると、呼応するように「Anniversary」へ。スモークけぶるステージで万感の想いをこめて歌いあげると、曲中で巨大スクリーンが開き、その向こうからオーケストラが登場。そのまま重厚なオーケストラの演奏に乗せ、ドームいっぱいに歌声を届けた。

驚きと感動で大きな拍手が響き渡るなか、今度は「Topaz Love」をオーケストラ演奏とともに披露。繊細なふたりの歌声が、オーケストラの奏でる音楽と融合し場内を包み込んだ。

最後、光一は「皆さん、本当に貴重な元日という日に。しかも急遽なお知らせのなか、参加していただいたこと、重ね重ねですが、本当に感謝申し上げたいと思います。私事ですが、毎年誕生日も祝っていただいて嬉しいかぎりです。何より、今年KinKi Kidsとして25周年ということ、その感謝を多方面の方々に伝えていければと思っております。ふたりの活動も増えていくと思いますし、そうした時間を皆さんと共有していければと思っております。25周年、そしてその先も我々についてきてほしいなと思っております!」。

剛は「優しくて柔らかくて、愛に満ちた1年になればいいなと、ただただ思っております。いつもそばにいてくれたのは応援してくれている皆さん。月日が移り行くなか、こんな大変な時代のなかでも、キンキと一緒に時間を過ごすことを選んでくれる人がこんなにもいるんだなと嬉しく思います。この会場にいらっしゃらない方も含めて、ありがとうという想いをこめて、1曲1曲歌わせていただきました。今年もその想いをこめて歌っていければと思っております。まだまだ時代はどうなるかわかりませんが。2022年は僕らにとっても、みんなにとっても愛の1年になれば。今日は本当にどうもありがとうございました!」と挨拶した。

改めて 「2022年もよろしく」「本日は本当にありがとうございました」と声を揃えていたふたり。そして最後はこの曲でと、デビューナンバー「硝子の少年」をブルーのレーザーライトがまばゆく交錯するステージで、オーケストラのゴージャスな演奏に乗せて歌い上げた。

そして、「皆さん、どうもありがとうございました! あらためて2022年、どうがよろしくお願いいたします! 本日はありがとうございました!」(光一)、「どうもありがとうございました! たくさんの愛を、ありがとうございました!」(剛)と感謝を述べステージをあとにした。

スクリーンには「どんなときもそばにいてくれてありがとう これからも 僕らの新しい時代を 一緒に描いていきましょう。愛してる Be with you 堂本剛 堂本光一」というメッセージが浮かぶなか終演に。

ピアノ、そして生オーケストラと共に、ふたりのハーモニーが東京ドームを贅沢な音楽空間で満たした『KinKi Kids Concert 2022』。こうしてCDデビュー25周年の記念となる年を、KinKi Kidsはファンの前で力強くスタートした。

*KinKi Kidsが元旦に東京ドームでコンサートを行うのは『2015-2016 Concert KinKi Kids』(2016年1月1日)以来、6年ぶり。
※それ以降、年跨ぎ・元旦(2020年まで)は京セラドーム大阪でコンサートを開催(2020-2021年コンサートはコロナ禍の影響により2020年12月24日、2021年1月1日に無観客配信ライブを実施)

**コンサート開催回数、公演数ともに、2007年7月22日開催のCDデビュー10周年イベント『KinKi Kids 10thAnniversary in TOKYO DOME』(1回)を除く

※なお、CDデビュー10周年イベントを含む東京ドームでの公演回数は「60公演」

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セットリスト

1. 新しい時代
2. to Heart
3. スワンソング
4. 雪白の月
5. 銀色 暗号
6. もう君以外愛せない
<MC>
7. Happy Happy Greeting
8. 愛のかたまり
9. Family 〜ひとつになること
10. Anniversary
11. Topaz Love
12. 硝子の少年