自分の親の終末期に冷静でいることは誰にとっても難しいことです。大切な方の心配だけでなく、手配すべきこと、やらなければならないことが山積みになり、呆然と立ち尽くすことになってしまうこともあるかもしれません。

もしもの時、少しでも落ち着いて動き出せるよう、この記事では終末期の流れについてご説明します。


訪問看護を活用して理想的な環境づくりをする

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医療との接点を保ちつつ在宅療養でリスクを減らす

在宅で介護するとき、風邪をひくたびに病院に入院したりするのは大変です。かといって何の治療も受けず薬だけで大丈夫なのかという不安もあるでしょう。

最近では、点滴を受ければすぐに体調が回復するという理由で、半日程度の入院を定期的に行う方もいます。しかし高齢者の場合、普段と違う場所で過ごすこと自体がリスクに繋がる可能性もあります。例えば、短期間の入院をきっかけに認知症の初期症状が始まるケースもあります。


進化した訪問看護を活用して在宅介護の質を上げる

在宅での介護には、介護保険サービスに組み込まれている訪問看護が活用ができます。看護師が医師との連携を図って行う療養指導をはじめ、食事・排泄・清潔指導、服薬管理、経管栄養、人工肛門管理などのサービスが受けられます。

サービスの提供は、訪問看護ステーション、病院、診療所から実施されます。もともと医療保険でしか行われていなかったサービスでしたが、介護保険の中に組み込まれたことで利用度は高まっています。訪問介護を上手に利用すれば在宅介護の継続がしやすくなるでしょう。

現在は、早朝・夜間・深夜にも訪問看護サービスが利用できるようになっています。追加料金は掛かりますが、よりきめ細かな訪問看護の体制作りが進んでいると言えるでしょう。この中には、訪問看護によるターミナルケアも組み込まれています。

自宅に往診に来てくれる在宅医療に力を入れている医師の数も増えています。在宅向けの医療と看護を活用すれば自宅で死を迎えることは不可能な時代ではないのです。


どこまでの延命医療を受けるか意思確認する

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終末期には自分や家族の精神面にも気を配る

在宅で介護をしている家族が感じる無力感というのは、どれだけ日常のケアに熱心に取り組んでも、体調を崩したら医療の力に頼るしかないという現実に直面するときです。

しかし、それは仕方のないことです。日常の暮らしを家族全員で支えて、あらゆる介護サービスを活用して頑張ってきた結果として、最期に病院で安らかな死を迎えることができるということを理解しましょう。


延命治療はかなりの時間継続できることがある

考えておかなければならないのは、どこまでの延命治療を求めるかです。これは、介護施設や病院で介護を受けている場合にも同じことが言えます。最近の医療は一昔前に比べれば非常に進歩しています。

難しい判断ですが、心臓を止めないだけであれば、かなりの時間の延命が可能になっています。


どのような最期がいいかを元気なうちに聞いておく

看取りは、死の場面に立ち合うという意味ではなく、どのような最期を迎えるかを考え、実行することにあります。尊厳死が認められているオランダなどの諸外国とは事情が異なりますが、 本人が望む通りの最期を実現にするためには、家族にも慎重な判断が求められます。

具体的には、積極的な治療をどの段階まで受けるのかを本人が元気なうちに聞き取っておくことです。チューブにつながれ、呼吸だけをしている状態でも生き続けることが、家族全員の願いであれば尊重されるべきです。一方で、苦しまず安らかに眠ることを本人が望むのであれば、それもひとつの選択です。難しい判断ですが、納得のいく結論が出せるよう話し合っておきましょう。


終末期の病院側のスタンスを理解する

最近の病院では最終的な選択権を患者側にゆだねる傾向が強いです。呼吸器を外す、点滴をやめるといった判断は、病院の医師がすることですが、そのつど確認の連絡が来ることがあります。

素人が判断できることではないので、医師のアドバイスを聞きながら結論を出す形になりますが、患者側にすべて確認をとるのが病院側のスタンスになっていることを知っておきましょう。

どのような死を迎えるかという方向性さえ決まっていれば、その方向に向けたアドバイスを選択することができます。死に方にも、個人の判断が優先されるわけです。


介護を受ける本人の尊厳を一番に尊重する

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常に介護を受ける本人を中心にして判断する

介護の中心には、介護を受ける本人がいます。これは、終末期の段階に入ってからも変わりません。本人の判断能力が失われていたとしても同じです。

海外の介護・医療の現場ではセンター・パーソンという言葉が使われています。人が中心にいる。つまり、本人を無視してあらゆる判断がくだされてはならないという考え方です。

終末期に入る前に、死について、あるいはどのような医療を受けたいかについて話し合っておくことは容易ではありません。それでも、折に触れて「どんな死に方をしたいか」、本人の思いを汲み取るための機会を設けましょう。


まとめ

親を看取ったあと「もっとできることがあったのではないか」という後悔の想いを口にする方は多くいらっしゃいます。

実際、相手の立場に立って考え、尊厳を守る形で介護を行うにはさまざまな配慮が必要です。 少しでも看取り後の後悔を減らすため、終末期を意識した本人とのコミュニケーションを始めることも大切ではないでしょうか。

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