岸田文雄総理は30日、官邸で開かれた東京電力福島第一原発の廃炉・汚染水・処理水対策関係閣僚等会議、ALPS(多核種除去設備)処理水処分に関する基本方針の着実な実行に向けた関係閣僚等会議で「政府としてALPS処理水の処分が完了するまで全責任を持って取組むという方針について何ら変わりなく堅持することを確認した」と述べた。


 岸田総理は「廃炉作業について全体として着実に進捗していることを確認したが、先日、2号機において開始した、燃料デブリの試験的取り出しに向けた準備作業が作業初日に中断したことは重く受け止めている」と憂慮した。


 そのうえで「今後、具体的な取り出し作業に着手したあかつきには中長期ロードマップにおける廃止措置終了までの期間に当たる第3期に移行し、廃炉の根幹となる最も困難な作業段階に入っていくことになる。東京電力はこれまで以上の緊張感を持って必要な対策に万全を尽くしてもらいたい」と求めた。


 また中国による輸入規制措置の影響が大きかったホタテについて、岸田総理は「昨年9月に措置した水産業を守る政策パッケージにより、従来の対中国輸出量の約半分について代替販路を開拓するなど、その効果は着実に出ている。ただし、対中国輸出量の全てを置きかえるには至っておらず、三陸・常磐ものの魅力発信を含む国内消費拡大・ビジネスマッチング支援等の海外販路開拓等の必要な対策を実施していく」と語った。(編集担当:森高龍二)

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