石破茂総理は9日、採用予定数を割り続ける自衛官の確保へ、自衛官の処遇を改善する内容を議論するため、自身を議長とする関係閣僚会議を立ち上げた。自衛官の処遇改善に関しては立憲民主党野田佳彦代表も石破総理に強く求めていた。


 石破総理は9日の記者会見で「防衛力最大の基盤である自衛官の処遇改善、勤務環境の改善のほか、若くして定年退職を迎える自衛官が現役時代の知見や技能をいかしつつ、退職後も社会で存分に活躍できる生涯設計を描けるよう、私が議長を務める関係閣僚会議を本日設置した」と語った。


そのうえで「関係省庁が連携して取組むべき方策の方向性と2025年度予算に計上すべき項目を年内に取りまとめる」とした。


一方、石破総理が自民党総裁選挙で強調してきた日米地位協定見直しやアジア版NATOへの案件に関しての取組みに関しては「それは総裁選挙において、私自身、こうあるべきだということを申し上げた。ただ、これから先、党の中できちんと議論し、コンセンサスを得ていかなければなりません」と党内でまず、議論する必要があるとした。


そのうで「総裁になったのだから総裁選挙で言ったことを全て実現する。それは民主主義政党のやることではない。党内において幅広い議論が行われ、今までその問題すら提起されなかった、地位協定の改定にしても、アジアにおける集団安全保障、あるいは集団的自衛権の仕組み、そういうものの創設についても、今まで議論すら行われなかったことがたくさんある。そういうことをきちんと党内で議論しながら、党の考え方になったときに、公明党との協議も経ながら政府の政策として提案する。そういう丁寧なプロセスを踏んでいきたいと思っている。民主主義政党であれば当然のこと」と記者団に答えた。


石破総理は9日、党に対して「アジアにおける安全保障の在り方について検討するよう指示した」とも述べた。


野田氏は今月7日の代表質問で自衛隊員の処遇改善に関して「自衛官の処遇改善のための関係閣僚会議設置を評価したい」と評し「警察予備隊創設以来、実員が定員に達したことはない。

特に最近では、任期制自衛官、募集計画の半分しか人員を確保することができなかった。どんなに防衛費を増強し、装備を充実させても、取り扱う人が集まらなかったら、絵に描いた餅。自衛官の待遇改善は急務。給料は安い、隊舎、官舎は貧弱、定年は早い」と早期改善を求めていた。(編集担当:森高龍二)

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