訓練は運転実技以外にも、トヨタ自動車から講師を派遣し、日本で実施している反射材やチャイルドシートの重要性、飲酒運転の危険、加齢に伴う身体変化など、交通安全に関わる幅広い知識を体験ツールで伝授した。加えて、安全な運転の基本的な教え方もマスターしていった。講習は日本語からベトナム語に通訳され、優秀な通訳の方のお陰で活発な質疑応答となったという。
講習に参加したベトナムトヨタのトゥロングさんは、「交通事故防止は、お年寄りやこどもの行動を理解し、常に思いやりの心を持ち、運転することなど多くを学びました。今後自分が教えていく立場として、教えていただいたことをしっかり伝えていきたいと思います」と講習後に述べた。
今回のプログラムでは、2014年8月から2015年10月までに5回の講習会が開催され、2016年3月9日にはインストラクター認定試験が行なわれた。運転技術については、高速のタイムトライアルテストで3Sの習得の見極め、交通安全知識、マインド、交通安全の啓発の指導方法は、自身がインストラクターを務める模擬講習の形式での試験を実施。これまでの努力が実り、8名全員が無事合格。
3月11日には、卒業式典が開催され認定証が授与され、列席したベトナム公安省のタン副大臣、トヨタ自動車の小平副社長ら関係者がインストラクターに対して、「交通安全の心をこれからベトナムに広めていってほしい」と期待を述べていた。より安全な交通社会を築くための彼らの活動は、今始まったところ。