日本建設機械工業会が2017年度、18年度の建機出荷額の予想を公表した。17年度は国内・輸出ともに前年同期比プラスの出荷を見込んでいるが、18年度は国内向けについて前年同期比94%と減少を見込んでいる。

尚、輸出については102%と17年(111%)に引き続き、増加の予想となっている。


 18年度は国内の落ち込みにより国内・輸出の合計でも前年同期比98%と減少を見込んでいる。


 国内については東京五輪関係の工事や、災害対策の工事に向け建機需要は底堅いが、本年9月に建機等にも排ガス規制が強化されるため、既に駆け込み需要が発生している。よって17年度は駆け込み需要が加味されており、例年に比べ底上げされた数字となっている。そして駆け込み需要が一巡する18年度はその反動により、国内需要の減速が予想されている。


 一方の輸出については、米国経済が好調であり建設及びエネルギー投資が引き続き堅調に推移する見込みであり、先行きは明るい。

ただしこれまで底堅い建機需要が存在の中国において、景気の先行きに不透明感が漂い始めており、中国の景気失速が予想以上のスピードで進むと、輸出について影響が生じる可能性もあるので注意が必要である。


 建機需要は景気の先行きを表すバロメーターとも言われている。国内向けは排ガス規制による駆け込み需要のため18年度は出荷額が減少の見込みであるが、駆け込み需要の影響が無くなる19年度の出荷額が注目されることとなる。東京五輪開催が2020年であり19年も堅調な建機需要が見込まれる一方、五輪向け工事がピークアウトを開始し、19年には建機需要が一段落している可能性もある。


 2020年の東京五輪後の景気動向を占うバロメーターとして、来年発表されるであろう19年度の建機出荷額予想は今後注目に値すると考えられる。編集担当:久保田雄城)