銀行員の転職希望者が増加

銀行員の転職希望者が増加

 「売り手市場」とは、就職活動において求職者にとって有利な状況を表す言葉である。それは新卒のみならず、中途採用の転職希望者にとっても同じことといわれており、現在の職を辞して異なる仕事に就いてみたいと考える人は少なくない。そんな転職活動をする人の中で、現在急増しているというのが銀行員の転職希望者である。
 
 人材サービス会社大手のリクルートキャリアの調べによると、転職希望者として登録した人のうち銀行員の割合は2016年~2017年度にかけておよそ3割ほど増加しているという。こうした銀行員の転職希望者の割合は今後も増える可能性が高く、銀行という場所ではそれだけ人材が離れているということがわかる。その背景にあるのは、やはり銀行の人員削減による不安からくるものだという。


 かつて、銀行員といえば数ある職業の中でも花形ともいえる職業だった。職業におけるステイタスというものは、ひとつは給与だったりあるいは勤務先だったりと様々な判断基準があったが、現在はそれに加えて高い安定性というものも求められている。銀行という勤務先は、かつてはこうした様々な要素で優れた存在だったが、現在では決してそうではないことが転職を考える銀行員が多いということから見て取れる。


 IT化の進歩による作業の効率化に加え、AIの普及によって今後は人間の雇用すらも脅かされるようになる、これは銀行に限らずどの職業においても言えることだが、銀行の場合はその傾向がいち早く現れてきたといえるかもしれない。ネットバンキングをはじめとするサービスによりインターネットで様々な決済ができるようになり、IT化の進歩によって実店舗すら統廃合される現在では、それだけ多くの銀行員がリストラされることが確実となっている。銀行員の転職希望者が増えているのも、こうした要因が大きく関係しているのかもしれない。


 銀行員の転職希望者が増えているということは、現在サラリーマンとして働いている人にとっても決して他人事ではない。なぜなら、現在銀行で起こっていることが将来的にどの企業でも起こりうる可能性があるからだ。どんな企業でもIT化が進み、現在人間が行っている業務についても機械が代行できる時代となる。その結果、「売り手市場」といわれる就職活動でも企業が人材を必要としなくなる時代がやってくる可能性も十分に考えられる。今後はどう働くべきか、自身の存在意義を改めて見直す必要があるだろう。(編集担当:久保田雄城)

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