日本型ワークシェアリングは実現できるのか?

       
 世界的不況の影響を受け、日本でも深刻になってきた失業者問題。失業率の上昇に歯止めをかけ、雇用の安定を確保するために、政労使の三位一体となった労働改革として、今再びワークシェアリングが注目されはじめた。

 ワークシェアリングとは「仕事をわかちあう」という意味。ひとりひとりの労働時間を減らし、多くの人材で雇用を確保するというもの。労働者側は一人当たりに賃金は減るが、安定した雇用が約束される。雇用側も、景気に左右されることなく、安定した人材を確保できる。既に世界各国で取り入れられている政策で、最も効果を発揮した成功例としては、ワークシェアリング先進国のオランダが挙げられる。

 1970年代から80年代にかけて、失業率が上昇し、社会的保障支出が増大したオランダ。そこで1982年にワークシェアリングを促進させるワッセナー合意が制定された。以降、着実に失業率を下げていき2001年には2桁代にまで上昇していた失業率を2.4%まで下落させた。ワークシェアリングは、オランダのみに留まらず、イギリス、ドイツ、北欧諸国など主に欧米で積極的に採用されたが、その対策は各国様々だ。その主な内容は早期退職者制度、操業短縮保障制度、パートタイム労働、雇用形式に囚われない同一労働同一賃金などである。

 欧米各国のように日本でもワークシェアリングを行った場合、果たして成功するのだろうか。現状では極めて厳しいという意見が多く聞こえてくる。その理由として、日本人の気質と、雇用制度に問題がある。昔から日本人は勤勉だといわれてきた。それは戦後、日本が急激に発展した一因でもある。しかし、今までひとりでやっていた仕事を複数で分担することになるワークシェアリングでは、必要以上に仕事を抱えようとしてしまいがちな日本人にとっては受け入れがたい制度だ。さらに、サービス残業や休日出勤が日常化してしまい、明確な労働時間がわかりにくくなっている職場環境下では時間を減らす基準が設けにくい。パートタイム労働、アルバイト労働など非正規社員と正社員の保障の違いなども挙げられる。このような問題点が日本のワークシェアリングを困難にさせる可能性がある。

 過労で亡くなる人がいる一方で、突然失業してしまったことで自ら命を絶つ人もいる。矛盾している現状を救う手立てにもなり得るワークシェアリングは、現在の日本経済のみならず、明るい未来を築くためにも必要な手立てなのかもしれない。日本人の気質に合い、日本が抱える問題点を解消できるに日本らしいワークシェアリングのカタチを政労使が協力して考えていく必要がありそうだ。

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2009年3月25日の経済記事

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