
総合印刷の日本写真印刷(京都市)は14日、色彩・形状の自由度が高く実用レベルの耐久性を備えた次世代型の「色素増感太陽電池」を島根県産業技術センターと共同開発したと発表した。2010年からサンプル出荷を始め、2012年の量産開始を目指す。
色素増感太陽電池は、電池内部の色素が光エネルギーを吸収し電気エネルギーへ変える、光合成にも似た仕組みを持つ。現在主流の太陽電池ではシリコンを使って光を電気へ変換するが、色素増感太陽電池ではシリコン型のような大規模な真空装置を用いずに、色素を塗ることで製造できるため、コストを大幅に抑えることができる。さらに、色素の種類によって色を変えたり、模様を付けることが可能で、次世代の太陽電池として注目を集めている。
日写では、耐久性を活かした屋外用途や多色性を活かした自動車・住宅の内装、携帯電話の補助電源やアクセサリーなどの分野をターゲットに事業化を目指すとしている。