
バブル期、『メルセデス・ベンツ 190E』を、「小ベンツ」と揶揄する口の悪い輩がいた。メルセデス・ベンツ初のDセグメントという車格からついたあだ名だ。しかし、それは日本人が今ほど輸入車に親しんでいなかった時代だったから。メルセデス・ベンツが持つ質実剛健さと安全性へのこだわりを備えた『190E』の本質を見極めきれずに、車体の大きさだけで価値を判断していたのだろう。現に、『190E』の後継にあたる『Cクラス』が「小ベンツ」と侮られることはない。むしろ、「アジリティ&インテリジェンス」のコンセプトに基づき、素材選びから設計、製造工程に至るまであらゆる部分に最先端技術が投入された『Cクラス』は、メルセデス・ベンツの技術力と本気度を示す1台と認識されている。そのなかでも、最先端となるグレードが『C350e AVANTGARDE(アバンギャルド)』だ。
■PHVの特徴を活かしたパフォーマンスを発揮
『C350e アバンギャルド』は、ガソリンエンジンと高出力電気モーターを状況に応じて使い分けるプラグインハイブリッド車で、セダンとワゴンの2モデルが存在する。
パワートレインには、『C250 Sports』に搭載される最高出力:211PS(155kW)、最大トルク:350Nmの2.0L直列4気筒エンジンと、最高出力:82PS(60kW)、最大トルク:340Nmを発生する高出力モーターを組み合わせた。システム全体ではで最高出力:279PS(205kW)、最大トルク:600Nmを発生。ガソリンエンジンと高出力モーターを状況に応じて使い分けることで、ガソリンエンジン、EV、ハイブリッドの特長を生かしたハイパフォーマンスを発揮する。