
『ライ麦畑でつかまえて』の映画化
BEVERLY HILLS, CA - FEBRUARY 24: Steven Spielberg attends the 2019 Vanity Fair Oscar Party hosted by Radhika Jones at Wallis Annenberg Center for the Performing Arts on February 24, 2019 in Beverly Hills, California. (Photo by Dia Dipasupil/Getty Images)
1951年に出版された『ライ麦畑でつかまえて』は、J・D・サリンジャーによる青春小説の金字塔的な作品。
高校を退学になった17歳の主人公ホールデン・コールフィールドが、クリスマス前にニューヨークで体験する出来事が口語体で綴られ、社会の欺瞞に対して不満を投げかける内容が若者の共感を呼び、今でも愛され続けている小説です。
そして、この作品をスピルバーグ監督が映画化するプロジェクトが2003年に浮上。これまでに、『ライ麦畑でつかまえて』の映画化の話は何度も噂になったことがあり、『麗しのサブリナ』や『七年目の浮気』などで知られる往年の名監督ビリー・ワイルダーがメガホンを取る話もありました。
しかし、作者であるサリンジャーが映画化権を売却することを拒んだため、スピルバーグ監督は映画化を実現させることが出来ませんでした。
『未知との遭遇』(1977年)の続編
1977年に公開された『未知との遭遇』は、UFOを目撃した平凡な電気技師ロイ・ニアリーを主人公に、エイリアンとのコンタクトや少年の誘拐事件といった出来事がミステリータッチで描かれる傑作SF映画。
1977年は『スター・ウォーズ』が公開された年でもあり、それほど『未知との遭遇』はセンセーションをもって受け入れられませんでしたが、批評家からは高い評価を受けた作品です。
スピルバーグ監督は、エイリアンの存在を隠蔽しようとする政府を中心に描く続編の製作を考えていたそうですが、最終的には考えを改めたそうです。
インディ・ジョーンズ 最後の聖戦

原題 :Indiana Jones and the Last Crusade
1989年7月8日より全国にて公開
1989年/アメリカ/127分
more『Indiana Jones and the Monkey King』
『インディ・ジョーンズ』シリーズは、ハリソン・フォード演じる考古学者のインディアナ・ジョーンズが、秘宝を巡って冒険を繰り広げる大ヒットシリーズ。
現時点で4作品が製作されていますが、なんと『スター・ウォーズ』シリーズのジョージ・ルーカス監督が、脚本を手掛けた『Indiana Jones and the Monkey King』という作品が存在していたのだとか。
この脚本をスピルバーグが監督することになっていたのですが、土壇場になってスピルバーグがクリス・コロンバス(『ホーム・アローン』)に脚本の書き直しを依頼し、結局はプロジェクトが立ち消えになってしまったとのこと。
代わりに製作されたのが、ショーン・コネリーがインディアナの父親ヘンリー役で出演した『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』(1989年)ですが、ルーカス&スピルバーグ版も実現してほしかったですね。
インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説

原題 :Indiana Jones and the Temple of Doom
1984年7月7日より全国にて公開
1984年/アメリカ/118分
moreマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を描く映画

UNSPECIFIED - JANUARY 02: The Reverend Martin Luther King Jr., Leader Of The Civil Rights Movement, Giving A Press Conference Between 1961 And 1968. His Wife Coretta Is Partially Pictured On The Left, Half-Hidden By The Microphone. (Photo by Keystone-France/Gamma-Keystone via Getty Images)
2009年にスピルバーグ監督は、公民権運動の指導者として、あまりにも有名なマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師を描く映画化権を獲得。
その当時、監督はキング牧師の人生全般を描く伝記映画ではなく、牧師が起こした公民権運動と彼が崇拝するガンジーが、いかにキングの道徳観を築いたかという点にフォーカスした作品を製作しようと思っていたとのこと。しかし、それ以来プロジェクトが進行していないところを見ると、企画倒れになってしまったようです。
ちなみにスピルバーグ監督が手掛けた伝記映画には、 第16代アメリカ合衆国大統領となったエイブラハム・リンカーンの人生を描く『リンカーン』(2012年)があり、アカデミー賞作品賞にノミネートされました。
リンカーン

原題 :LINCOLN
2013年4月19日より全国にて公開
2012年/アメリカ/150分
more『Night Skies』

PASADENA, CA - FEBRUARY 27: Steven Spielberg and the Shoah Foundation celebrate the 20th Anniversary Schindler's List at The Chandler School on February 27, 2013 in Pasadena, California. (Photo by James Lemke Jr/WireImage)
『未知との遭遇』や『E.T.』など、SF作品を得意とするスピルバーグ監督が温めていたのが、『Night Skies』というSF映画です。本作は、農場に住む一家が暴力的で危険なエイリアンに襲撃されるSFホラーになるはずでしたが、最終的にプロジェクトは中止に。
その代わりに、『Night Skies』で投入するはずだった要素を分けて、恐ろしい謎の現象に一家が襲われる『ポルターガイスト』と、エイリアンと少年が友情を育むファミリー映画『E.T.』という別々の作品を製作したそうです。
ちなみに、『ポルターガイスト』も『E.T.』も1982年に公開され、どちらも大ヒットを記録! ヒットメーカーの名をほしいままにする、スピルバーグ監督ならではの快進撃を見せていました。
10 Unrealized Steven Spielberg Projects We Want To See