【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

安藤ゆき原作マンガの実写化。 『舟を編む』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の石井裕也監督と、超新人×超豪華キャストで描かれるちょっと変わった青春映画! 町田くんと周囲を取り巻く人物達の人間模様を通し、想いを貫き続けていくことの価値を描いた作品です。 6/7(金)公開ですが一足早く見どころをご紹介!

あらすじ

運動も勉強も苦手で、見た目も地味な高校生・町田一(細田佳央太)。でも人を愛する才能がズバ抜けていた!
そんな彼が初めて“分からない感情”を知った時、周りのすべての人を巻き込んで、驚天動地のドラマが動き出す!
みんなどうする?どうなる?

異例づくしの石井裕也監督最新作!

石井裕也監督

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

Yuya Ishii, Japanese film director poses at the Regal Kowloon Hotel, as he promotes his new film "Our Family". 04NOV14 [07DECEMBER2014 REVIEW FILM] (Photo by K. Y. Cheng/South China Morning Post via Getty Images)

『川の底からこんにちは』『舟を編む』『バンクーバーの朝日』『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』など、数々のヒット作を手掛ける石井裕也監督最新作は、初の少女漫画原作。別冊マーガレットにて連載されていた安藤ゆき原作の人気作品である。その上、主演を演じるのは1000人のオーディションの中から選ばれた演技経験ほぼゼロの新人俳優!その知名度の無さに反して脇を固める出演陣は誰もが知る豪華メンツなのだが、きっと思ってしまうはず。「えっ、高校生役なの?!」と。
岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、それぞれ高校生に見えないこともないが、正直言って適齢期を過ぎてしまっているような気がしてならない。でも、大丈夫。そんな違和感を抱くのは最初だけ。
彼らが脇を固めているからこそ、主演2人の魅力がしっかりと伝わってくることに気付くはず。そんな主演2人に引き込まれていく内に、周囲の人物達が当たり前のように高校生に見えてしまうはず。
この絶妙な案配を見事に成立させてしまうのが石井裕也監督の素晴らしさ。異例づくしでありながらも、過去の石井作品に引けを取らない面白さが本作には詰まっている。

『川の底からこんにちは』

『舟を編む』

『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』

ぼく達が手放した世界

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

かつて誰もが思っていた。
友達100人できると、初恋の相手と結ばれて結婚すると、アニメのヒーロー・ヒロインの如く困っている人がいたら手を差し伸べるのが当たり前だと、HAPPYで輝かしい未来が訪れるに決まっていると、人と人は絶対に分かり合えるものだと。
でも、どこかのタイミングで考えを改める。どれだけ抗い続けたとしても、いつかきっと打ちのめされる時がやってくる。
信用に値する友達は僅かしかおらず、初恋の相手と結ばれるのは一握りで、困っている人がいてもスルーしがちで、思い描いた未来とは異なる今を生きていて、人と人は必ずしも分かり合えるとは限らないと思ってしまっている。
損得勘定やリスクの有無を考えてばかりで、誰かれ構わず優しくはできない。優しくするのには理由が必要。家族・恋人・親友は別かもしれないが、それ以外の無縁の人達のことなんて正直知ったこっちゃないのが現実。

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

期待するから失望する。希望を抱くから絶望する。それなら端から期待も希望も抱かなければ良い。
生まれや容姿や稼ぎが人生を大きく左右するのなら、妙な幻想は抱かない方が得策。
そして、人と人は基本的に分かり合えない。
そう思っていた方が傷付くリスクは減っていく。他人を秤に掛けることで優劣や優先順位を決め、効率的に、システマチックに生きていた方が人生は上手くいく。そんな思考や葛藤に、大人になれば否が応でも直面することだろう。色々なことを割り切りながらぼく達は生きていく。
だが、本作を観ていて思った。町田くんの世界、それはぼく達が手放したり諦めてしまった世界なのかもしれないと。
かつて抱いていた純粋で真っ直ぐな想いを、手放すことなく、諦めることなく貫き続けていたのならあり得たかもしれない世界。その可能性を見せつけらる。

選んだのは自分自身

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

人によっては思うかもしれない。
町田くんみたいな奴はいるはずないと、こんな想いのまま生きられっこないと、いつかはぼく達と同じ絶望に直面すると。
確かにそうなのかもしれない。町田くんのような分け隔てない優しさ、周囲の目や言動に囚われ過ぎないメンタル、損得勘定やリスクを考慮しない行動力、どれもこれも絵空事に思えてしまう。100歩譲って、学生の内だけだと。社会へ出れば絶対に変わってしまうと。

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

しかし、彼のような想いを貫き通したまま大人になることだってできたはず。そう、可能性は0ではなかったはず。そんな風になれなかったのは、ぼく達自身の弱さや驕りでしかないと思う。
無数にあった選択肢を選んできた成れの果てが、今の自分。選ばなかった選択肢を選んでいたのなら、町田くんのような想いを抱いたまま大人になる術だってあったのかもしれない。
過去は変えられないし、所詮「たられば」でしかないけれど、諦める方を選んでしまったから、割り切る方を選んでしまったから、抗わない方を選んでしまったから、今の自分が在るだけのこと。
そんなぼくらに近しい想いを内包した池松壮亮演じる週刊誌の記者・吉高が、過渡期にいた頃のぼく達と重なって見える同級生達がいるからこそ、町田くんの存在が、彼と関わることで変化していく者達の心の在り方が、強く心に沁みてくる。在りし日の自分と今の自分を比較して、何を失ってしまったのかがくっきりと見えてくる。

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

あなたはこのラストを受け入れられる?

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

自然とそれができてしまう人も中にはいるが、他人に優しくするのには勇気がいる。
バスや電車で老人や妊婦に席を譲るのも、街中で目的地に辿り着けず困っている人に手を差し伸べるのも、相手の良い所を面と向かって伝えることも、時に難しく思えてしまう。
全ての人間が幸福になれるのなら素晴らしいが、そうもいかないのがこの現実。他者より上へ、他者より先へ進んでいたいのが、自分より格下だと思える相手がいることで安心できてしまうのがぼく達人間。アレコレ考えずに善き行いをすることより、自分にとってメリットデメリットが何なのかを考えて行動してしまいがち。
そうして、ほんの一握りの勇気を振り絞ることができず、多くのキッカケを見逃してしまっている。

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

ただ、町田くんを、彼と関わることで変化していく者達の姿を見ていると思うはず。人は変わっていけるのかもしれないと。
たった一人が変わった位で世界の在り方までは変わらないが、一人一人が彼のようであれば、彼に感化され変化していくだけの心を持っていれば、いつの日か世界だって変わっていくのかもしれないと。
元々抱いていた希望や願望や幻想が清らかであればある程に、それを信じられなくなってしまった時のダメージやショックは非常に大きい。大抵の場合は耐え切れなくなって逃げ出してしまう。しかし、そこから逃げ出すことなく立ち向かい続けられたのなら、想いを抱き続けられたのなら、清らかさは純度を増し、周囲に良き影響を及ぼすまでになっていく。
本作終盤で見せつけられることになるのは、まさにその象徴であり極み。人によっては拒否反応を示してしまうかもしれないが、描かれていたのはおそらく希望であり可能性。あんなことすら起こせてしまう力をぼく達は秘めている。
多くの人達が手放してきたモノを再び拾い集め、一人一人がより良き未来を追い求めたのなら、アレに匹敵するだけの現象をぼく達は引き起こせるに違いない。町田くんの勇気が多くのことを教えてくれる。

総合評価

【観ればきっと優しくなれる】ブッ飛びラストの衝撃青春映画『町田くんの世界』

©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

諦めた方が効率が良いこともある。本来追い求めていたモノとは異なるが、同等の何かに巡り会える可能性だって0ではない。
が、諦めてしまったが最後、本来追い求めていたモノは決して手に入れられない。
自分が何を諦め、何を手放し、仮に想いを貫き通した果てに何を得られたのか、町田くんの姿を通して垣間見る。
今更どうにもできないと思ってしまいがちだけど、そうではないのかなと、まだやりようはあるのかなと、見落としていた何かに気が付ける時間になると思います。
人の可能性を、人の善意を信じさせてくれるのと同時に、向き合い方次第で如何様にも変化していく世の中や自分自身の在り方を示した作品です。

ぜひ劇場でご覧ください。

青春★★★★
恋 ★★★
エロ★
サスペンス★★★
ファンタジー★★★★
総合評価:A

『町田くんの世界』
6月7日(金)公開
監督:石井裕也 脚本:片岡 翔 石井裕也 音楽:河野丈洋 企画・プロデュース:北島直明
原作:安藤ゆき「町田くんの世界」(集英社マーガレットコミックス刊)
オフィシャルサイト:http://machidakun-movie.jp
公式 Twitter:https://twitter.com/MachidakunMovie #町田くんの世界
公式 Instagram:https://www.instagram.com/machidakunmovie/
©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会
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©安藤ゆき/集英社 ©2019 映画「町田くんの世界」製作委員会

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