SKE48松村香織の卒業公演が5月2日(木)名古屋のSKE48劇場で開催された。昨年9月の卒業発表後、今年2月には地元埼玉で卒業コンサートを開催してた松村香織。
この日の公演は松村のSKE48劇場卒業公演であるとともに、SKE48メンバーとしても最後の活動となった。

2009年にSKE48の3期生オーディションに合格後、SNSでの発信力を武器に、メイド喫茶勤務の過去や自らの薄毛をネタにするなど、アイドルながら独自の道を切り拓き、唯一無二の存在感を発揮してきた松村香織。そんな彼女の最終公演を見届けようと、会場内はもちろん、抽選に外れた“モニター観覧”のファンで場外も熱気に満ちていた。

この日の公演はチームKIIによる「最終ベルが鳴る」公演。途中のMCでは卒業公演らしく、松村の思い出話に花が咲く。竹内彩姫が初めてのライブの時に緊張していたところ「大丈夫だよ」と声をかけてもらった話や、片岡成美が松村にポジションの細かい動きを教えてもらった話など、先輩として後輩に優しく接してきた姿がうかがえるエピソードも。
また、大場美奈AKB48から転籍してきた時にいろいろな事情を遠慮なく根堀り葉堀り聞かれた(でもそれによりスッキリした)と明かし、松村のことを尊敬していると話す水野愛理がLINEを未読無視していると松村から突っ込みを入れられて笑いが起きる場面もあった。

アンコール明けには通常の「最終ベルが鳴る」公演のセットリストにはない、この日だけの曲もパフォーマンス。まずは後藤楽々センターの『不協和音』で激しいダンスを見せる。埼玉での卒業コンサートでもパフォーマンスされたが、松村の「もう一度やりたい」という希望からこの日のセットリストに加えられたという。

続く『ぐぐたすの空』も卒業コンサートで歌われた曲。ただ、この日は卒業コンサートでは着なかった鮮やかな民族衣装でパフォーマンス。
その後のMCで松村は「『ぐぐたす選抜』に選んでいただいて何かに選ばれるというのを初めて(経験した)。自分のポジション、自分の衣装をもらえた思い出の曲」と改めてこの日のセットリストに加えた理由を説明した。

『裸足でSummer』『47の素敵な街へ』『ありがとうは言いたくない』を歌った後は卒業セレモニーへ。冒頭、チームS松井珠理奈が登場。「いろんな意味でSKE48に新たな道を切り拓いてくれたと思うんです。かおたん(松村香織)がいっぱい暴れてくれたから、今のSKE48があるし、後輩もいろんな活動がしやすいんだと思います。
かおたんには幸せになってほしいから、婚活用のリップ買ってきたから(笑)。幸せになってください」と語り花束を渡した。

続いて、盟友・斉藤真木子と大場美奈が手紙を読む。斉藤真木子は「かおたんの穴は簡単に埋められるものではないけど、この壁を乗り越えなきゃいけないある種の試練だと思います」とSKE48キャプテンらしく決意を述べ、大場美奈は「私がかおたんの良いなと思うところは、どんな人にも寄り添ってあげられること。かおたんだけは近くに寄り添って話聞いてあげてるよね。だって可哀想じゃん?っていつも話聞いてあげてる。
SKE48に移籍したきたとき、かっこ悪いところは絶対見せたくなかった私に、ファンの方に全部を見せていくことを教えてくれたのはかおたんでした」と涙ながらに手紙を読んだ。

セレモニー、最後は松村の挨拶。

「48グループは今大変な時期だと思うんですけど、SKE48は本当に良いグループだなって思ってます。一時期すごい大っ嫌いで『なんなんだこのグループ!』って思ったこともあったんですけど、そんなこと今は絶対口に出したくないくらい大好きな場所です。でもこれからの自分の人生考えたら、ここに甘えていたらいけないなと思って卒業を決心させていただきました。一歩踏み出すことがこんなに怖いことなんだって感じています。
ここで皆さんにたくさんの愛をいただいた分、外の世界で後輩の見本になれるように精一杯活動していきたいと思います」

SKE48の“異端児”はSKE48の魂を胸に次の道に進んでいく。

終演後松村香織コメント
辛いことや嫌なこともあったけど、そんな思い出より本当に楽しかったと純粋に思える9年半のアイドル生活でした。 ファンの方は一生の宝物ですし、本当に感謝しています。こんなにたくさんの人に出会えたのはSKE48に入ったおかげです。 今後は、一度自分自身で挑戦してみたいと思って事務所には所属せず、フリーで活動していきます。マネージャーや運営、スタッフさんの気持ちがよくわかるようになるんじゃないかなと思います。
もしSKE48と携われるなら、みんなの成長を見ていきたいです。
チームKII「最終ベルが鳴る」公演 松村香織劇場最終公演
出演:青木詩織・荒井優希内山命江籠裕奈大芝りんか太田彩夏・大場美奈・北野瑠華・白井琴望・惣田紗莉渚・高木由麻奈・竹内彩姫・日高優月・松村香織・古畑奈和・水野愛理

セットリスト
0. overture
1. マンモス
2. 最終ベルが鳴る
3. ボーイフレンドの作り方
4. 偉い人になりたくない
5. リターンマッチ(内山・北野・惣田・竹内)
6. 初恋泥棒(太田・大芝・水野)
7. ごめんね ジュエル(荒井・高木・白井・日高) バックダンサー6名
8. おしべとめしべと夜の蝶々(江籠・古畑)
9. 19人姉妹の歌(青木・大場・松村)
10. Stand up!
11. Coolgirl
12. 回遊魚のキャパシティ
13. 会いに行こう
EN1. シャムネコ
EN2. メロスの道
EN3. 不協和音(井上・上村・北川綾・松本・荒井・内山・江籠・大場・北野・竹内・日高・古畑・松村・水野・井田・熊崎・後藤・斉藤・佐藤・福士)
EN4. ぐぐたすの空(杉山・都築・山内・青木・内山・片岡・中野・松村相川・鎌田・倉島・斉藤・須田・高畑・谷・福士)
EN5. 裸足でSummer(井上・北川綾・野島・野村・荒井・江籠・大芝・太田大場・北野・高木・松村・井田・熊崎・佐藤・平田)
EN6. 47の素敵な街へ(青木・荒井・内山・大場・北野・松村・斉藤)
EN7. ありがとうは言いたくない(松村)
EN8. 支え(青木・荒井・内山・江籠・大芝・太田・大場・片岡・北野白井・惣田・高木・竹内・中野・日高・古畑・松村・水野)