【写真】自伝エッセイについて語るEXITのりんたろー。【8点】
まず1人目は、お笑いコンビ「EXIT」のツッコミ担当・りんたろー。だ。相方の兼近大樹と共にチャラ男キャラクターで知られているが、彼の演技力は全くチャラくない本格派として定評がある。
りんたろー。が初のドラマデビューを飾ったのは、上野樹里主演の月9ドラマ『監察医 朝顔』(フジテレビ系)。同作で彼は右ほほに大きなヤケドがある男――最終回の犯人役を務めており、普段の姿からは想像もつかない不気味な演技は、放送当日のTwitter上で「りんたろー」の名前がトレンド入りするほど大きな注目を集めていた。
このように彼はテレビで見るキャラと真反対の役柄を演じることが多く、田中圭主演のHuluオリジナルドラマ『死神さん』でも、チャラ男キャラとは180度異なる心優しき交番勤務巡査・榎田悟役を演じている。
同ドラマに出演するにあたり、彼は髪を黒髪に変え、髭も剃り、チャラ男を完全に封印して撮影に臨んだそうだ。そもそもりんたろー。
そして今夏公開の映画『Gメン』でりんたろー。は、初の映画デビューを飾る。驚くべきことに現在37歳にして、劇中で高校生を演じるという。今作でも持ち前の演技力を存分に生かしてほしい。
お笑いコンビ「バイきんぐ」の西村瑞樹もまた、演技力に定評のある1人だ。彼の天然ボケなキャラクターはバラエティなどでよく知られているが、その一方で彼の演技力も注目に値する。
例えば4月期のドラマ『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日系)では、スープカレー屋の店長・宝田嘉樹を熱演。その自然体な演技が話題となり、店長が西村であることに気づかなかった視聴者も少なくない。
そもそも西村は新作のネタを練習する際も、相方の小峠英二からテンションや間のとり方などすべて演技指導が入るのだそう。
2022年7月に公開された「ENCOUNT(エンカウント)」のインタビュー記事では、西村本人が「小峠の演技指導はけっこう厳しい」とこぼしており、「僕はネタの設定になりきるというか、入っていくような意識はあります。
一見おどけたキャラクターだが、一度役になりきるとその自然体ぶりは見事なもの。もしかしたら彼の自然体な演技は、相方の演技指導の上に成り立っているのかもしれない。ポンコツキャラの域を越えた、西村のこれからの演技にも注目が集まる。
最後に紹介するのは、お笑いユニット「おいでやすこが」のツッコミ担当・おいでやす小田だ。「M-1グランプリ」でブレイクして以降、「なんやー!」という強烈なツッコミで特徴の小田だが、実はその演技力は業界でも高評価を得ている。
小田が地上波ドラマの初レギュラーを務めたのは、2021年放送のドラマ『カラフラブル ~ジェンダーレス男子に愛されています。~』(日本テレビ系)。主人公の上司で編集部のデスク・境正美を演じており、当時は「僕がドラマのお仕事させてもらえるなんて、いくらなんでも早すぎないかと思ってます」と謙遜気味なコメントを寄せていた。
だが、ここから小田の俳優としての快進撃が始まる。
同年のNHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で朝ドラデビューを果たした小田は、持ち前のキレ口調を生かした酒屋のおじさん・森岡新平を熱演。その圧倒的な存在感は視聴者の間でも大きな話題となり、同ドラマの制作統括を務める堀之内礼二郎氏も「せりふの間や発声が独特で、一言一言のせりふのやり取りが面白く、絶妙だと思います」と絶賛していた。
それ以降も、2022年放送の金曜ドラマ『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』(TBS系)や2023年1月期のドラマ『すきすきワンワン!』(日本テレビ系)など、数多くのドラマに引っ張りだこの状態。
『石子と羽男』に関しては、同作のParaviオリジナルストーリー『塩介と甘実-蕎麦ができるまで探偵-』で主演を務めている。
2022年度「日刊スポーツ・ドラマグランプリ」の冬ドラマ選考では、田中圭や佐藤健などの人気俳優と並んで「助演男優賞」第5位に輝くなど、俳優としての躍進は著しい。今後はどのような役柄でお茶の間の注目を集めるのだろうか。
もちろん今回紹介した3人の他にも、俳優活動に期待したい芸人は数多くいる。次は誰が「役者系俳優」として名を馳せるのか、これから放送される夏ドラマにも期待しよう。
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