8月19日に『最高の教師 1年後、私は生徒に□された』(日本テレビ系)の6話が放送。鵜久森叶(芦田愛菜)が九条里奈(松岡茉優)と同じ2週目を生きているタイムリーパーであることが発覚。
さらには、その鵜久森が何者かに殺害される怒涛の展開を見せた。鵜久森の死をもって第1章は幕切れして、9月2日に放送予定の7話から第2章が始まり、ますます見逃せない『最高の教師 1年後、私は生徒に□された』。

【関連写真】ドラマでは教師役を演じる松岡茉優が"推し"の鞘師里保と共演

鵜久森の死はインパクト十分ではあるが、6話も胸に残るシーンがあった。相楽琉偉(加藤清史郎)から鵜久森に2人きりで話がしたいと持ち掛けられ、「悪かったよ」と“これまでの非礼”を謝罪されるも、鵜久森が「心のない謝罪は受け入れられない」と一蹴する場面である。

鵜久森は3話で「なんで辛い目に遭った人がみんなの前で謝らなきゃいけないのかって」「よくネットとかでも『お騒がせしてすいません』って傷ついている人が謝るのを見て、いつも納得いかなくて」と発言しており、“謝罪”という行為を大切に思っている印象。だからこそ、これまで受けていた凄惨なイジメ加害を上っ面な言葉と態度で水に流そうとする、そんなペラペラな謝罪を受け入れることはできなかったのだろう。

現在有名人が何かしらの加害行為を起こした際、いくら謝罪しても批判が完全に収まることは難しい。しかし、一般社会では家族やクラスメイト、仕事の関係者などから、許すことができない行為に関する謝罪を受けた場合、被害者側は“許してあげなければいけない”風潮がある。謝罪を受け入れないと周囲からは「許してあげようよ」「水に流そうよ」と嗜められ、それでも受け入れないと「お前にも問題があったのでは!?」と追い打ちをかけられるケースは少なくない。

ただ、許せないことはどれだけ頭を下げられても、お金を払われても許せない。それが相良のような形式に則っただけの心のない謝罪ではなおさら。暴力的ではなくキチンと自分の言葉で謝罪を拒否した鵜久森の姿勢はとてもカッコ良く、「謝罪は拒否をしても良い」と教えられたシーンだった。


今後もどのような“常識の歪み”を見せてくれるのか楽しみである。しかし、個人的に一番気になっていることは、「誰が鵜久森を殺したのか」「誰が1週目で里奈を殺したのか」以上に、相良の“学校”に対する異常なこだわりだ。序盤は相良がクラスを掌握して“イジメの決定権”を持っており、さぞかし王様気分を味わえたことだろう。しかし、里奈の奮闘、里奈の言葉に背中を押された生徒達によって、依然としてクラスメイト達は相良の顔色を伺いつつも、以前ほどビクビクしなくなった。

5話では、文化祭についてクラスで話し合っている最中、茶々を入れた相良派の西野美月(茅島みずき)に、阿久津由利(藤﨑ゆみあ)から「みんなの話しを邪魔するなら出てっても良いじゃないかな」と追い払われる。また、6話では高圧的かつ不貞腐れた態度を取り続ける相良に対して、蓬田健斗(夏生大湖)から「俺は飽きたよ。お前らのその感じ」と怯えながらも苦言を呈された。

明らかに“クラスの邪魔者”となり、クラスに居づらくなってきている。加えて、高校3年生にもなれば、外に居場所を作ることができ、学校に執着する必要はないのではないか。にもかかわらず、相良が学校に通い続け、文化祭の妨害などを企てようとする理由が見えてこない。学校に対する幼稚なまでの思い入れの強さを感じてならない。

ベタなところで言うと、厳格な親からの圧力の捌け口として学校を利用しているのかもしれない。
しかし、6話に登場した相良の部屋を見ると、テーブルはお菓子やペットボトルで散らかり、部屋の中にはエナジードリンクらしき飲み物が入っている小型の冷蔵庫が置いてある。さらには、スロット台まで設置されており、なかなかにヤンチャ。厳格な親がいるとは考えにくい。もしくは相良もタイムリーパーで学校に対して何かしらの恨みを抱えており、仕返しのためにクラスをめちゃくちゃにしようとしているのだろうか。

鵜久森や里奈の死に相良が関わっているのかはわからない。それでも、今後里奈は相良と対峙するだろう。その時に相良の目的、家庭環境などが鮮明になるはずだ。“相良回”にも期待しながら待ちたい。

【あわせて読む】『最高の教師』が鮮明にする“謝罪の違和感”、「お騒がせして申し訳ありません」は必要か?
編集部おすすめ