【漢詩の楽しみ】劍門道中遇微雨(剣門の道中にて微雨に遇う)

【漢詩の楽しみ】劍門道中遇微雨(剣門の道中にて微雨に遇う)
(ajari/flickr)

衣上征塵雜酒痕

遠遊無處不消魂

此身合是詩人未

細雨騎驢入劍門



衣上(いじょう)の征塵(せいじん)酒痕(しゅこん)を雑(まじ)う。遠遊(えんゆう)処(ところ)として消魂せざるは無し。此(こ)の身、合(まさ)に是れ詩人なるべきや未(いな)や。細雨(さいう)驢(ろ)に騎(の)りて剣門に入る。



詩に云う。私の衣は、のほこりと酒のしみが混じって汚れている。そんな長旅のどこにいても、私の魂は激しく揺れていた。この私は、いったい詩人になるべき人間なのかどうか。それを思いながら、細やかな雨のなか、驢馬に乗って剣門に入っていく。



この一首が、陸游(りくゆう 1125~1209)の作であることに、少なからぬ驚きを覚えた。陸游このとき48歳。「おれは詩人になるべき人間なのか」、そう鬱々と自問する詩中の人物と、生涯の作詩1万首をかぞえる南宋の大詩人の印象が、すぐには結びつかなかったからだ。



剣門とは、四川省剣閣県の北にある山地で、北側から蜀の地へ入る関門になっていた。地形は険しく、左右から剣を立てたような絶壁が迫っている道だという。そうした特異な風景と霧雨のなかを、ロバに乗った陸游は、極度に内省的な思考状態になって、重い歩みを進めていくのである。



陸游は85年の生涯を全うした。当時としては稀有な長命であったと言ってよいが、その一生は、北方から迫りくる異民族の金(きん)に対して、祖国を防衛するため徹底抗戦を叫び続けるという激しいものであった。陸游が生まれた翌年に、北宋の首都である汴京(べんけい、今の開封)が金に占領された。


あわせて読みたい

大紀元時報の記事をもっと見る 2019年7月20日の中国記事
この記事にコメントする

\ みんなに教えてあげよう! /

トピックス

> 今日の主要ニュース > 国内の主要ニュース > 海外の主要ニュース > 芸能の主要ニュース > スポーツの主要ニュース > トレンドの主要ニュース > おもしろの主要ニュース > コラムの主要ニュース > インタビューの主要ニュース

中国ニュースアクセスランキング

中国ランキングをもっと見る

コメントランキング

コメントランキングをもっと見る

海外の人気のキーワード一覧

新着キーワード一覧

このカテゴリーについて

中国の政治、経済、外交、事件などをお届け中。