
香港の警官はこのほど、匿名を条件に韓国メディアの取材に応じた。報道によると、半年におよぶ民衆派の抗議運動のなかで、少なくとも医療関係者が確認した警官によるレイプ事件が2度起きたが、実際の被害者は「もっと多い」と明かした。
韓国KBSによると、この警官は、逃亡犯条例改正案反対デモに複数回参加していた香港デザイン学院の生徒、陳彦霖さん(15)の死についても語った。当初、陳さんの死は他殺として捜査していたが、警察内部の決定で、自殺として処理されたという。
陳さんは9月中旬、4日間失踪した後、南部の油塘デビルズピークの沿岸で水死体となって発見された。陳さんは直前まで明るく元気であり、水死体が全裸だったことなどから、メディアは他殺の疑いがあると伝えている。
この警官によると、7月21日の地下鉄元朗駅で起きた、白服の暴徒が無差別に抗議者を襲撃した事件で、警察上層部は警官に出動しないようにと命じた。
KBSは陳さんの友人を取材した。この友人によると、陳さんの死亡について香港親中派メディアTVBに応じていた「母親」は、声色や身体的な特徴から、別人だと指摘した。本物の母親は、声は娘に似ていて、何年もボブのヘアスタイルを維持していたという。しかし、TVBの取材に応じた「母親」は、長い髪を束ねており、声がかすれている。
陳さんの母親は、娘の死亡以降、行方が分からなくなっていた。11月11日、香港警察は天水圍天恒村で「飛び降り自殺した男性」について写真付きで報じた。ネットユーザーたちは、顔の特徴から陳さんの母親ではないかと推測した。その上、飛び降り自殺であるにもかかわらず、遺体のそばに血液の広がりはなく、皮膚は蒼白で、すでに死亡から数日経過した遺体に見えるとの指摘がある。