中国は今年7月、全国人民代表大会でデータセキュリティ法(草案)(中国名:数据安全法)を可決し、9月末にも同法実施の促進を図るフォーラムを開催した。専門家は、中国のデータに関する法律は定義があいまいで範囲が広く、在中の外国企業にも政治的な影響を与えると警告している。



データセキュリティ法第2条は、「外国の組織または個人の言論が、中国の国家安全保障と公共の利益を危険にさらし、中国国民や組織の正当な権利と利益を害すると見なされた場合、中国の警察機構または国安当局は『責任を追及する権利』を有する」としている。また、同法第4章第32条では、「中国当局がデータを取得する必要があると判断した場合、関係機関または個人は協力しなければならない」と規定している。



米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)の上席副所長兼科学技術政策プロジェクトのディレクターであるジェームズ・アンドリュー・ルイス(James Andrew Lewis)氏は同法について、「中国で事業を展開する米国企業に直接的な影響を与えるだろう」と指摘した。



ルイス氏はまた、外国企業は「北京政府と協力しなければならなくなる」とし、この関係は企業活動に問題を引き起こすと懸念している。



トロント大学グローバル・アフェアーズの政治学准教授で、中国問題の専門家でもあるリネット・オング(Lynette Ong)博士も、「もし私がデータ管理会社のCEOなら、中国で事業を続けることに多くの懸念を抱く」と語った。博士は、データ企業は顧客のデータセキュリティに厳しいため「中国から完全撤退せざるをえない」とした。また、外国企業の撤退は中国経済に悪影響を及ぼすとの見解を示した。