中国の全国人民代表大会(国会相当)は11月4日、中国海洋警備局(海警局)の権限を定める「海警法」草案の全文を公表した。中国が主張する海域で「違法」に活動する外国船に武器の使用を認めると明記した。東シナ海や南シナ海などの係争地域における武器使用の正当化を図っている。



中国軍を管轄する中央軍事委員会は、9月末に使用武器に関する同法を提案した。法案は、12月3日までの意見公募の後に採択される。



海警法ではさらに、中央軍事委員会の命令に基づき、海警局が「防衛作戦の任務」にあたるとも明記されている。しかし、同法の定める中国の「管轄水域」には具体性がなく、どの水域で中国公船が法執行を行うのかが不透明だ。



中国海警局やその他の海上法執行機関がこの「管轄水域」で、中国側が「違法」行為を行っているとみなした外国の船舶に対して、警告を発するほか、小銃などの小型武器や甲板搭載の艦載砲(Deck Gun)などの船舶用の武器を使用できると明記している。



法執行機関に対する武力行使と許可の見直しを定めた草案第6節には、「海上法執行機関の職員は、犯罪者の性質、程度および緊急性から武器の使用について合理的な判断を行う」とある。



中国政府は、日本の尖閣諸島の周辺海域、南シナ海、台湾周辺において、管轄権の主張範囲を拡大させ、自国法を他国領域まで行使しようとする動きを広げている。



米海軍大学の研究員ハンター・スティアーズ(Hunter Stires)氏は、中国の海警法は、他の係争地域の政府に近づかせないよう威嚇のためだと考えている。ラジオ・フリー・アジア(RFA)のインタビューで、「船員たちが中国の法令を『順守』するようになれば、やがて中国法が国際的な慣習になる」と懸念を示した。