シンガポールのシンクタンク「東南アジア研究所(ISEAS Yusof Ishak Institute)」のASEAN研究センター(ASC)が2月に発表した報告書によると、東南アジア諸国連合(ASEAN)のなかで、最も信頼できるパートナーは日本だと回答した国が多いことが明らかになった。また、アメリカに対する期待も上昇しているが、中国に対する期待は低下している。
調査はASEANに参加する10カ国の政府関係者や学者、ビジネスマン等を対象にオンラインで行われ、昨年11月から今年1月にかけて1032人の回答が得られた。調査では主要な大国(地域共同体)として日本、中国、アメリカ、イギリス、EUの5つが挙げられた。
日本は信頼できるパートナー
日本、中国、アメリカ、イギリス、EUのうち、ASEAN諸国にとって最も友好的で信頼できる戦略的パートナーとして選ばれたのは日本であり、信頼度は昨年の61.2%から67.1%に上昇した。次点はEUの51.0%で、アメリカは48.3%だった。いっぽう、中国に対する信頼はわずか15.6%であり、逆に信頼しないとの回答が63.0%に上った。
日本を信頼する理由として、「国際法を尊重し、擁護する責任ある利害関係者」であるとの回答が51.6%を占めた。この回答は、ブルネイ(77.3%)、シンガポール(73.1%)、マレーシア(59.4%)、ベトナム(57.3%)で大きな割合を占めた。また、「日本には豊富な経済的資源とグローバルなリーダーシップを提供する政治的意志がある」とした回答は23.6%だった。