こんにちは。Instagramを中心に「私らしく生きていくための読書案内」を発信している、読書研究家のきりんです。
外を歩くと木枯らしが頬をなでる冷たさに、秋も終わりの気配を感じる今日この頃ですが、みなさんはどんな秋をお過ごしですか?
連載「本が教える恋のお話」のラストは、ちょっぴりビターな大人の「不倫」にまつわる小説をお届けします。
なぜ駄目だとわかっているのに、人は危ない恋に走ってしまうのでしょうか。誰にも言えない「不倫」の恋にハマる理由を、ご紹介する3冊から探っていきます。
第3回のテーマは「不倫」
恋は、時に冷静になれないものです。あなたにも、少なからず感情に流されて溺れてしまった経験があるのではないでしょうか。
今回紹介する小説の中の女性たちは、結婚している男性を愛してしまいます。自分の人生を危うくしてしまうかもしれない「不倫」の恋なのに、どうして止めることができないのでしょうか。
秘密めいた恋を続ける理由や行く末を、作品を通して感じてみてください。
『隣人の愛を知れ』尾形真理子(幻冬舎/幻冬舎文庫)
好きな人への愛を貫くことが罪になる、「不倫」の恋。タブーの中に、果たして真実の愛は見出せるのでしょうか?
この作品には、専業主婦のひかり、ひかりの姉の知歌、有名女優の青子と夫である映画監督の関戸、ひかりと知歌の母親・美智子などが登場しますが、ここでは知歌の生き方に焦点を当てていきたいと思います。