禅の精神が宿る「源光庵」
ゆるやかな坂を上った先にある「源光庵(げんこうあん)」は、1346年に徹翁国師が開山した臨済宗大徳寺派の寺院。山門には、「復古禅林(ふっこぜんりん)」の額が掛けられていて、随所に禅の精神が宿っています。落ち着いた趣ある佇まいで、中に入ると凛と澄んだ気持ちになれる場所です。
凄まじい戦いを連想させる「血天井」
有名なのが「血天井」。「源光庵」の天井には血痕があり、血の足跡もみられます。実は、この「血天井」は「源光庵」のものではなく、京都・伏見桃山城の遺構として「源光庵」に奉納されたもの。
1600年、徳川家康の忠臣・鳥居彦右衛門元忠の一党約1800人と石田三成の軍勢が交戦した際に流れた血痕が床に残され、亡くなった一党の魂を冥福するために寺院に分納したうちの一つなのです。
昔の凄まじい戦いを連想させる「血天井」ですが、血で染まった足跡は「源光庵」にしかないといわれています。
黒の中で紅葉が映える「迷いの窓」と「悟りの窓」
源光庵の紅葉スポットは3つ。まず、境内にある鮮やかなカエデ。そしてなんといっても、本堂に並ぶ2つの窓が人気です。丸い「悟りの窓」と、四角い「迷いの窓」の窓から紅葉に染まる秋の庭が眺められます。
「迷いの窓」と「悟りの窓」には、それぞれに仏教の概念、禅の境地の意味が込められています。
「迷いの窓」
「迷いの窓」の迷いとは「釈迦の四苦」のことで、生老病死の四苦八苦を表しています。人間が生まれて生涯を終えるまで逃れることのできない過程を4つの角がある四角で表現しているそう。
「悟りの窓」
丸い形の「悟りの窓」は「禅と円通」の心を表現。ありのままの清らかで偏見のない姿、つまり悟りの境地に至れるそう。丸い形は大宇宙を表現しています。
紅葉スポットを見つけて
「悟りの窓」と「迷いの窓」の前は立ち入り禁止なので、人が入り込まない美しい写真が撮れます。撮影する位置によって窓から見える景色が変わるので、自分の心の写し鏡のように窓を覗きながら、紅葉スポットを見つけましょう。
スポット情報
- スポット名:源光庵
- 住所:京都府京都市北区鷹峯北鷹峯町47
- 電話番号:075-492-1858