目で見るだけでも暖かみを感じる赤・オレンジ・黄色は、暖色(だんしょく)と呼ばれています。暖色は前進色や膨張色でもあるので、インテリアに取り入れる際にはちょっとした注意も必要です。
コンパクトなスペースでは暖色をアクセントに
赤やオレンジ、黄色といった暖色は、前に迫ってくるように感じられる前進色、大きく見える膨張色とも呼ばれています。そうした性質を踏まえると、コンパクトなスペースで使う場合は、大きな面積で暖色を取り入れると狭く感じてしまうことがあるでしょう。ですから、アクセントとして少量取り入れる方法がおすすめです。
■手軽に取り入れるならクッションから
暖色系をインテリアに手軽に取り入れる場合、布ものがおすすめです。hiyo.pietさんは、ぬくもりのあるオフホワイトのソファにオレンジと黄色という暖色系のクッションを並べています。クッションカバーは季節に合わせて取り換えやすいアイテムですので、秋冬の時期はほっこりカラーを用意しておくといいでしょう。
■空間を明るく見せる黄色のラウンドラグ
白と黒のモノトーンインテリアの中に、満月のような色味のラウンドラグを置いているのはsachiさんです。深みのあるこっくりとしたマスタードイエローと、ふわふわ感のある毛足が、温かみを感じさせますね。ソファーにも黄色のクッションを添えて、トータルでコーディネートをしている点がポイントです。
■白い空間に映える赤いテーブルクロス
テーブルクロスも手軽に取り入れることができます。tatsuyaさんのテーブルクロスは、北欧を代表するテキスタイルブランドMarimekko(マリメッコ)の布です。鮮やかな赤が、白い空間に映えていますね。壁にかけられたVitra(ヴィトラ)社の「Uten.Silo(ウーテンシロ)」も赤を選んでいます。
家具に暖色を取り入れるならイスやソファで
家具に暖色を取り入れる場合、気をつけたいポイントはサイズです。上述のように、暖色は膨張色と呼ばれるほど大きく見える色なので、大きすぎる家具や背が高い家具は空間を狭く見せてしまいます。
■ミッドセンチュリーを代表する名作チェア
発色のいい暖色系のイスといえば、ミッドセンチュリーを代表するデザイナー、イームズによる作品を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。カラーバリエーションも多く、赤や黄色のイスが見つかります。nicoさんも、イームズの黄色いイスをチョイスして、ナチュラルなインテリアのアクセントにしていますね。
■グラマラスな存在感のある赤いソファ
こちらは、白とベージュでまとめられたナチュラルで落ち着きのあるインテリアに、グラマラスな存在感を示す赤いソファを合わせたリビングです。Chikaさんは、テレビ台にお花とデュフューザーという香りアイテムを、壁にモノクロのオードリー・ヘップバーンのパネルを飾り、フェミニンな空間を演出しています。
■吹き抜けのあるスペースにモダンなソファを
paceman77さんのリビングは、吹き抜けのある広々としたスペースです。個人の住宅とは思えないほど余裕のある真っ白の空間に、スタイリッシュな階段とモダンなデザインのオレンジのソファを合わせました。奥に見えているキャビネットもオレンジを選び、スペース全体のコーディネートはさすがのハイセンスです!
毎日使うキッチンに暖色を取り入れるアイデアは?
続いてご紹介するのはキッチンに暖色を取り入れるアイデアです。キッチンでは、そこに置く家具や家電、食器や調理道具といったアイテムに暖色のものを選ぶことができますね。あるいは、壁や床といったスペースに色を使うことも可能です。DIYで好みのカラーリングを実現するなど、いろいろなアイデアを見ていきましょう。
■ミニマルな白いキッチンに置く赤い冷蔵庫
壁も天井もシステムキッチンも家具も、すべてがピュアホワイトで統一されたキッチンは、シンプルライフを体現されているCamiuさんのお家です。3人のお子さんのいる5人家族とは思えないほど、整然とリセットされたホワイトキッチン。赤い冷蔵庫がスタイリッシュなアクセントとなっていますね。
■キッチンのバックスプラッシュをオレンジに
haruさんは、キッチンのバックスプラッシュにオレンジのタイルを貼っています。1つ1つのサイズが小さめなので、遠目には光沢のある壁のように見えるかもしれません。暖色系はキッチンが明るくなりますね。手前にあるリビングスペースにもオレンジのソファを置いて、トータルでのコーディネートを楽しんでいます。
■壁も収納も黄色で統一された明るいキッチン
panさんが暮らしているお部屋は、築40年以上の賃貸物件です。キッチンのスペースはコンパクトですが、サイドシェルフなどを上手に使って拡張されています。黄色で統一され、ぬくもりのある空間に仕上げられているキッチンですが、もともと壁や収納の扉などが黄色にそろえられていたおしゃれな物件だったそうです。
暖色を大胆に使う!壁色を変えると気分も変わる
前進色、膨張色でもある暖色系を思い切って大胆に使うアイデアもご紹介しましょう。海外インテリアのように、壁の1面だけ色を使うアクセントウォールがおすすめです。壁の色を暖色系にすることで、カラフルでハッピーな空間を作り出すことができます。ここでは、家の中のさまざまな場所の壁を選んでみました。
■カラフルテキスタイルになじむリビングの壁
オレンジ色の壁があるpopさんのリビングには、カラフルなアイテムがいろいろと配置されています。多色使いの時計はミッドセンチュリースタイルですね。ソファに掛けられたテキスタイルはIKEAで購入されたそうです。それぞれのアイテムの持つハッピーな雰囲気が、壁のオレンジ色によってより高められています。
■黒板ペイントとも相性のいい黄色い壁
1616roomさんの子ども部屋は、黄色い壁と黒板ペイントが塗られた壁が組み合わされています。深い緑と黄色の相性は抜群ですね。「サーカス」をテーマに片づけられた空間で、ガーランドやカラフルな花柄のファブリックパネルなどが壁色になじんでいます。木のシェルフに並べられたぬいぐるみたちも、かわいいですね。
■ポップなアメリカンスタイルのカウンター
最後にご紹介するのは、jackさんのキッチンカウンターの壁です。jackさんのキッチンでは、カウンターの下部分やスツールにも赤が選ばれているのですが、ここではミッキーの本やグッズが並んだポップなコーナーをピックアップしてみました。明るくハッピーな雰囲気は、まさにアメリカンスタイルですね。
リビングやキッチンなど、いろいろな場所で暖色のアイテムを取り入れたインテリアをご紹介しました。ほっこりとしたぬくもりを感じられる色づかいは、心も暖かくしてくれそうですね。暖色系を上手に取り入れて、居心地のいいインテリアを作ってみませんか。
執筆:Sayang